スパイの妻 劇場版のレビュー・感想・評価
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スパイの妻?騙された妻!
第77回ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞作品と言う事で見に来ました。
いや~毎度、賞とる映画の良さが分からないな・・・・・
正直、本作品のタイトル「スパイの妻<劇場版>」劇場版?NHKが関わっているので、テレビ放送版があるのかな・・・・
「スパイの妻」じゃなくて、「裏切られた妻」でも良かったのでは・・・・
本作品、実話?・・・・・・
しかし、近年、本作品のような内容が邦画でも作られるようになった今時の事情は大変に良い事だと思います。
主演の蒼井優さんも高橋一生さんもなんか文部省推薦的な演技で、見ていて、「はい、私たち演技しています」的な感じで、何ともメリハリがね・・・・
この手の映画ってどう評価していいのか分かりませんが、私的に、内容的にいまひとつだったな・・・・
甘いとも辛いとも言えない・・・・全てに対して安定はしていますが・・・・
正直、夫婦間の結束もいまひとつ伝わらないし、ラストも何とも消化不良な感じかな・・・・
淡々としていたので、もう少しスリリングに撮っても良かったかな・・・・
其々が内包する不穏さの妙
選択肢の少ない時代
物凄く恐い映画だった。始終ゾワゾワしながら見ていた。狂ったものしか出てこない。狂った人間、狂った世界。でも「私は少しも狂ってなどおりません。きっとそれが、狂っているという事なのです」
善悪も正誤もどこにもありはしない。皆、自分の守りたいものの為に必死だ。人一人に掴めるものなどほんの僅かだから。譲れないひとつだけを選んで、後は捨てる。己の命、愛する者の命、他人の命、富、名誉、愛情、家族、国家、良心、信念、誇り、どれかひとつ。
なるほど、生き抜くとは本来そういうものなのかも知れない。【非常事態】と呼ばれる出来事をいくつか経験した今、肌が粟立つようなリアリティを感じる。でも私は、こんな恐い世界は嫌だなぁ。自分と誰かを常に天秤にかけて、その呵責を背負い続けなければならないようなのは。例えそれが、平和ボケした現代の綺麗事でしかないとしても。
戦争ものとしてのメッセージ性もあるが、スパイもの、クライムもの、サスペンスなど、説教臭さを感じさせないだけの娯楽要素にも富んでいる。
画面に写る舞台が限られていて、制作費が限られていたとの事だから、そういう理由かもしれないけれど、芝居がかった台詞回しや所作とも相まって、舞台劇を見ているような雰囲気もあった。あるいは、小説を繰る手が止まらない時のような。
芝居も小説も映画も大好きな私にとってはとても贅沢な一時だったが、他の表現媒体だったらどうなったんだろうな。
今一入り込めず。
今年の『幕切れがみごとで賞』最有力候補作品。
全編にわたって見事な美術と俳優の演技を味わった作品でした。
もちろん主演の蒼井優も素晴らしいけど、高橋一生らもさすが。特に印象に残ったのは彼らの台詞。一歩間違えば新劇のパロディーともなりかねないような、やや時代がかった言い回しなんだけど、俳優達の発声、会話の間に全く不自然さを感じなくて、聞く度その美しい言葉に、背筋が自然に伸びる思いでした。
黒沢清監督ということで、どこかで精神的に病みそうな場面があるんじゃないかと、半分ひやひや、半分期待して見ていたんですが、途中のある場面で「うっ…」となる程度で、黒沢作品としては珍しく(?)、あまり心を掻き乱されることもなく、落ち着いて画面に集中することができました。話が進むにつれ、ちょっと怪しげな密閉空間が出てくるといった、お約束とも言えるような要素をきっちりと入れ込んだ上で、一つの筋の通った物語にまとめ上げるあたり、さすがの手腕。
監督は結構ラジオや雑誌のインタビューで本作について答えていて、こちらも面白いです。本作は比較的低予算映画との事ですが、それにも関わらず、見事なセットや衣裳を揃えることができたのは、某ドラマのおかげだったとか、物語のどこを幕引きにするか幾つか候補があったけど、編集を最後まで仕上げた上で、今回の形にした、などなど。
結末には賛否があるようだけど、その切れ味にはしびれました。ちょっと『CURE』(1997)の不思議な余韻を思い出しました。
予算の割に立派なオープンセットで撮影されたシーンがありますが、あれ...
賞を獲る映画……?
憧れの夫婦の愛の形🍀
「ロマンスドール」で観た蒼井優&高橋一生コンビが素晴らしかったので観に行くと決めた作品。この息ぴったりのコンビがまた夫婦の違った愛の形を示してくれた✨✨✨
蒼井優ちゃんはやはり演劇モンスター。あの細い体のどこからその力強さが湧き出てくるんだか。
作品としても見応えはあるし、飽きさせない展開。また時代やテーマ的なものを考えたら目を覆いたくなるような映像が組み入れられてもおかしくないのに、そういったものが一切無いまま残虐さや戦争の非道さを上手く伝えていたように思う。
時代とともに「正義」は変わるもの。でももしこれから第三次世界大戦が起きたりした場合には、「正義」は時代を逆行することになるんだろうか。そんな事を考えていたら平和の有り難さを感じずに入られなくなった。
この主演のお二人が演じるまた別の夫婦の愛の形が観たいな❤ ❤ ❤
うーん、まぁそうね
一番お見事だったのは…
ん~…蒼井優(めっちゃ大好きですけど)あの演技プランは正解だろうか。もちろん意図的にやってることですけどすごい違和感があった。高橋一生はスマートなのに胡散臭い感じがよく合ってましたけど。
内容はなんか解せなかったなぁ。優作がたまたま知ってしまった国家機密を暴くためになぜあそこまでやったのかちょっと理解に苦しむ。あの時代に。せっかく手に入れた商売の成功を捨て、甥っ子まで巻き込んで命を賭ける必要があったのか。
それこそ素性がスパイなんだったら分かるけど。
結末も悪くはないけど文字での説明は不要かな。むしろ優作が撮影してたショートムービーの内容の方が気になってしまった(笑)
一方、東出昌大はなかなかよかった。あの棒読みな演技が(個人的な意見です🙏)冷酷で堅物な軍人の雰囲気にハマってた。
何がそんなに「お見事」だったかよく分からないけど強いて言うならイギリス人商人がしたたかで一番お見事だったことは間違いない😆
お見事
満州で日本軍が行っていた非道な国家機密プロジェクトを告発しようとした夫に、ついて行く妻の話。
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メインの役者3人の古臭い芝居がすごく良くて、映像は新しいけど昭和のメロドラマでも見ているような雰囲気がした。特にこの夫婦は貿易会社(?)を経営してたので、戦時中でも洋服を着ていて家の中も洋館。だから昔の日本らしい演出と昔の洋画っぽい演出両方楽しめる。
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同日公開の『鬼滅の刃』と全く真逆、画面はずっと暗いし話も暗いし(笑)じわじわと心をえぐられるような感じで、私はどっちも好きですよ。こういう映画も大事にしていかないと。.
旦那の裏切りについて普通だったら最低のくそ男だなと思うけど、奥さんが「お見事!!!」って発狂したみたいになんか騙されたのにスカッとしちゃうんだよね。あの爽快さはなんなんだろう。まさにお見事。
蒼井優の映画
究極の人間物語
「お見事です」
祝・ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞。「スパイの妻」というタイトルから期待させる物語...でもやっぱり黒沢清がつくるとこうなるよね...という印象。
スパイ(スパイじゃないと高橋一生は言い張るが)とか戦争とか、関東軍とかをこの映画は全部背景にしてしまうのである。この話は男女の駆け引きの話であり、しかもそれはひどく楽しくないやつだ。何かにひどく執着する者たちの化かし合い。ただただ、人間のどうしようもない深淵を描くやつだ。
その辺はきっと脚本が濱口竜介と野原位だからなんだろうというのは感じる。黒沢清の弟子が師匠の為に書いた、そしてあの「ハッピーアワー」の脚本陣のうちの2名であるのだから、まあそれはそうなるよね、という。
展開にはらはらする物語ではない。ずっと見ていればああいう展開になると容易に想像はできる。伏線も割とあからさまに張ってある。
だからこそあの蒼井優の、無垢と純真から強かになってまた純真に戻り(ただし最初の純真とは全く質が異なる)、最後透徹したかと思えば慟哭する、こうやって書いてしまうと薄っぺらいが実際見せつけられたときの衝撃というか、じわじわと迫る演技に打ちのめされる。これはまさしく「スパイの妻」の物語なのだ。蒼井優は堂々たるタイトルロールなのだ。
高橋一生の食わせ者っぷりも中々なのだが、食わせ者だと分かってしまう感じなので(勿論わたしは妻じゃないのでそう見てしまう)もうちょっと...もうちょっと何かが欲しかったかなあと思う。巧すぎるという表現が正しいかもしれない。巧み過ぎるのだ。
東出昌大はああいう役が似合う(感情の入りと虚無をどちらも表現できる)。実のところしれっとどんな役も演れるタイプの役者だとずっと思っている...。あんまり賛同されないのだが。
個人的には恒松祐里さん(「散歩する侵略者」に出てましたな)と坂東龍汰さんは少ない出番でものすごく印象に残りました。お二方とも出演作品でいつも強い印象を残されていると思う。
不意に現れる画の切り取り方にどきりとさせられた。ずっと「不穏」が続くのはあの画の効果が大きいと感じる。幸せそうと映る場面ですら不穏。
あと、不覚にもエンドロールを見て「あの人いつ出てた?!」という役者さんが多かった。悔しい。
銀獅子賞は一旦忘れて観るべし
もともと好きな俳優陣が出てるので見る予定でした。銀獅子賞を取ったことでハードルが上がってしまいましたが、映画としてはちょっとチープかも。テレビドラマとしては十分なのだと思いますが。
ストーリーはとてもスリリングだと思います。
ただ伏線が分かりやすくて、「そうでしょうね」となるところが多いのが残念。NHKを観ている年配向けかな。
最後はどうなるのか、、、と思ったけど、三行で終わるのはちょっと残念。
おふたりの演技は良かった。
特に高橋一生はカッコよすぎる。
ちょっと演劇っぽいオーバーな演出は好みが別れるかも。
蒼井優は演技の幅がすごい。貴婦人のような振る舞いから、スパイ、発狂まで。
東出も良かったです。が、亭主のいない家に上がり込むと、別のドキドキがしてしまう(笑)
外国人が見ると、日本刀下げている軍人や、歴史的事実、和風の旅館、昭和初期の日本の風景など、惹かれる要素は多けど、日本人にはそんなに響かなかった。
総合して、、、ハードルを挙げずに見るべし。
フラットな気持ちで観れば面白い映画です。
蒼井優さん、お見事です!
女優 蒼井優ここにあり!
お見事でした。素晴らしかった。
いやいや説明セリフが多くないのに
かつ、物語のキーパーソンたる役割を
充分説得力をもった演技でやり切ったのでは?
起承転結の転が多く、ストーリーとしては
結構裏切ってくれてうれしく楽しく鑑賞できました。
ただ、残念ながら本作品はBS番組なんですよね。
だからでしょう、時間が少ない、予算少ない、
ってのがあったと思うんです。
もっと人物背景描けたって思うし、人間関係、葛藤
様々に描けたはず。
端折ってる感ありありなんだよな。
特に蒼井優さん演じる、人間として、日本人として
妻として、、、の葛藤の、いや、大葛藤の末迎えた
クライマックスのシーン。
結局迎えた結果はお金かけて描いていれば
もっともっと深く突き刺さるものになったかな?って。
とにかく、物語は面白い。
ホントに、映画作品として作られなかったことが
残念で仕方ないです。
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