スパイの妻 劇場版のレビュー・感想・評価
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やっぱりドラマ仕立て
例の映画で激混みの中避けるようにこちらへ
高橋一生と蒼井優のロマンスドールは良かったので
これも楽しみに観賞
後で知りましたがこの作品はBS8Kでやってた
ドラマの再編集劇場版なんですね
BS8Kのドラマなんてどんだけ観た人がいるのか
と思ってしまいますが…
黒沢清監督でキャストも豪華だし気合い入って
いたのでしょう
感想としては
やっぱりドラマ
チープな絵作り
題材もえ…今さら…という感じ
海外の人は森村誠一知らんか
などちょっと映画観た感が薄い感じでした
太平洋戦争開戦直前の日本
貿易商を営む福原優作は満州への営業先で
思わぬ国家機密を知ってしまいそこで出会った
女性や妻聡子を巡る運命に翻弄されるストーリー
その機密ってのが
まさに1980年初頭赤旗に連載されていた
森村誠一「悪魔の飽食」で触れられた細菌兵器部隊のそれ
NHKもBS8Kとか誰も知らないとこでコソコソ
こういうネタやってるんですね
まあフィクションだからいいけど
映画は全体的にテレビドラマの30フレームっぽい動きで
どうも映画観てる気になっていきません
高橋一生も蒼井優も流石の表現力を披露していますが
前半は浮気の探り合いみたいでだいぶ退屈な感じで
進んでいきます
描写も疑問なとこあります
優作が機密文書を妻にこれ見よがしに金庫に入れるのですが
ちょっと前に妻は金庫の開け方を知ってると優作に言っている
のにそうしてしまい聡子はその文書を取り出すのですが
わざとやらせたようにしか見えません
それくらい聡子の行動力を優作が甘く見ていたとも
言えるのかもしれませんがなんか聡子の性格も中盤から
別人のように変わってしまうところも不自然な感じがしました
あえて金庫から盗ませた?と考えてもそんなにうまい方法
にも感じないし
この映画はヴェネツィア映画祭銀獅子賞を獲ったという
ニュース等で知りましたがそんなかなぁという感じでした
それを知らないで観に行ったとしても感想はあまり
変わらなかったかも
あと受信料とって運営してるNHKが映画で
興収得ようとしてるのもなんか違和感はあるといえばありますが
こんな映画公開の規格もあるなら尚更24フレームとかで
作っていった方がいい
気がしました
スパイの妻? ルパンの妻じゃね
蒼井優と高橋一生のコンビはラブドールの映画以来。黒沢清監督おめでとうございました。
面白かったげど、731部隊がらみじゃ、ちと笑えない。森村誠一の「悪魔の飽食」売れましたね~ 10年前まで持っていたけど、ブックOFFに売ってしまいました。二束三文で。
告発する意思もどこまで本気か?みたいな。所詮、商売人だからね。ジャーナリストじゃないし。儲けた金を宝石や時計に替えて渡航費に。けちな時計じゃ重くて大変です。
高橋一生はテレビドラマでの役どころだとストーカーとか女々しい役がけっこう嵌まっちゃうから、やっぱ嘘くさい。
フィクションなんだから、終戦になったとか、福原なにがしの死亡が記録されたけど、偽造書類かも知れないなどの最後のテロップはいらんな。
せっかく日本映画らしく、波の寄せる砂浜で蒼井優を泣かせたんだからそれで終わりでいいじゃん。
亭主をとことん疑い、売国奴とまで言っておいて、それでもロスについて行くお金持ち女の浮わついた感じ。最後の無声映画フィルム上映後の蒼井優は良かったよ~ 精神病院(癲狂院)に入っても、毅然としていなさる。タダモンじゃない。コンフィデンス夫婦?
あのちっちゃい船じゃサンフランシスコには行けないし、インドのボンベイも無理。なんか、ルパン三世の最後みたいと思った。銭形警部が悔しがるシーンが浮かんでしまった。銭形は言いたかっただろう。売国奴の非国民って。
しかし、映画愛が根底に溢れているので、これらは全部帳消しにしてあげます。面白かった。
テレビ東京の深夜ドラマ「まどろみマーメイド」のあの娘出てきた。昔、満州にはあんな感じの女の子いたなと思わせるキャスティングでした。軍医の愛人とか言ってだけど、実験ノートを持ち出させたと言うことは、高橋一生がたぶらかしてさせたんだから、あやしいに決まってます。甥っ子はそれを見ていて羨ましかったにちがいない。あぁ、可哀想に爪を剥がされて。歯に見えたけど。それも子供の乳歯みたいだった。
夫婦の映画
この映画は戦前戦中の不穏な空気を描いた映画ではなくて、その背景の中での夫婦の騙し合いの映画ですよね。彼女にとって大日本帝国とか戦争なんかどうでもいいわけで。大事な手書き資料の存在を憲兵に密告して、夫の甥が拷問にかけられても、それは主人と一緒に時間を過ごすための彼女の策略に過ぎなかったりする。残酷だし、正義もへったくれも何もない彼女の行動であるわけで。彼女はただ夫と共通の体験がしたいし、向き合いたいと思っているだけ。だから、夫が満州からこっそり連れ帰ってきた女性の存在に嫉妬心を燃やす。彼女はすぐに謀殺されたというのに。関東軍の残酷な人体実験など関係ない。ところが最後で自分よりも夫の方が一枚上手だったことを知り、彼女は狂ったように叫ぶ。「お見事です」と。そうした、時代の空気と別のところにある「残酷さ」や「駆け引き」や「壊れっぷり」が黒沢映画的なスリラーやサスペンスの要素と非常にマッチしているところが素晴らしい。時代の狂気ではなく、その時代の女性の狂気がホラーになっているところが黒沢的だ。黒沢監督の東京芸術大学での教え子であった、濱口竜介さんと野原位さんと黒沢監督が共同脚本しているわけで、さすがに黒沢映画の核心をよく分かっている人が書いた脚本だと思います。あと、最後の方に登場する笹野高史がいいな。本当に彼女が狂っていたのか、狂っているのか分からないいうシーンのつながりを示すのに、彼の存在が効いていたとおもいます。
前半1/3は緊迫感旺盛なれど終盤は消化不良
ベネチア映画祭銀獅子賞を獲得したと言う事もあって公開初日に観た。
結婚したばかりの妻が、大陸から帰った夫を信じられるのか否かの葛藤を描いた前半1/3までの緊張感はただならぬ迫力とドキドキ感が凄かった。
が、終盤がちょっと残念の感は否めず消化不良となった。前半での蒼井優と高橋一生はとても良かったし、浮気者の東出昌大も憲兵隊として機能していたね。
憲兵隊から完全マークされていたにも関わらず中盤であれほど奔放に出来るのかと頭に?が浮かんでしまってからがちょっとね。憲兵隊の突っ込みが甘過ぎたからなのかな。終盤は、リスクに耐えきれず愛情が勝ったのか、はたまた単なる裏切りか!? でも俳優陣は頑張っていたと思うよ。
ひとつひとつはどうってことないのに、したたかに揺さぶられます
なんとも困った映画です。
めちゃくちゃ人に勧めたいのに、「どんな映画なの?」と聞かれても、たぶん言葉に詰まるのです。
迂闊にテーマ性を持ち出して語ろうとしたら、墓穴を掘ることになりそうです。例えばいきなり、戦争という状況での選択が……などと言い始めたら「いやあー、そこから入るのはちょっと…」と自分でも引いてしまう気がします(あくまでも個人的な感覚で、他意はありません)。
ミステリーやサスペンスというには無理があるし、そうきたかっ!という驚愕のどんでん返しというわけでもなかったです。ひとつひとつのエピソードを思い起こしてみても、どうってことのない展開の積み重ねなのです。
それなのに不思議なほど、どんどん作品世界の中に引きずり込まれていきます。
演じ手としては蒼井優さんが断トツに光ってます。
地力とか地アタマという言葉がありますが、そういうニュアンスでの〝地女優力〟には屈服するしかありません。
ファンの方には申し訳ないのですが、高橋一生さんもその力に引っ張られて、役者力が一段上がったのではないか。そんな風に感じてしまうほどでした。
プレイヤーの力を100%以上引き出した黒沢監督。
陰影を駆使した世界で、お揃いの制服や統制された世界が醸し出す様式美を最大限に引き出していました。
戦争とか全体主義的な権威への嫌悪感とは裏腹に、生理的な部分で、ある種の美しさや憧憬を抱かせてしまう魔力があることをよくご存知なのですね。
お見事です。
あの時代、あの場所。
どちらにもまったく縁のない私なのに、とても懐かしいものに触れたようなぬくもりを感じることができる、なかなかにしたたかな映画だと思います。
夫の力になることに自己陶酔している妻のストーリー
NHKがバックアップしてるだけあって、セットも含めて映像はいいんだけどね。プロットが優先されているせいか、福原夫婦の絆というかエモーショナルな感情を感じることはなかった。夫の力になることに自己陶酔している妻のストーリーといってもいいのでは。
大事を前にして緊迫感なく笑うシーンとか、謎の騙し合いとか、オチに向かって逆算されたようなシナリオには共感できないままエンドロールを迎えてしまった。
今日の朝日新聞の映画評でかなりのネタバレがあって閉口したが、知らなかったとしても感動のラストではなかったかな。
関東軍の悪魔の所業とアメリカの参戦は、実際のところあまり関係ないし、アメリカにとって人道とか人権は外交や戦争の道具でしかない。日本軍の暗部がぼやけた上に、アメリカ礼賛になってしまったのでは。
無言が語る重さ
【”狂っていない事が狂っている、この国では・・”コスモポリタンの妻が大戦に邁進する日本の時流に翻弄されつつも、夫への想いを貫き、自我、矜持を保つ姿に感銘を受ける。蒼井優さん、”お見事です・・”】
-1940年神戸。福原聡子(蒼井優)は貿易会社を営む自称"コスモポリタン"の優作(高橋一生)と裕福で幸せな生活を送っていた。だが、優作が部下の文雄と共に中国、満州に出掛けて”ある出来事”を現地で見てしまい、その事実の記録を秘密裏に中国から持ち帰ったところから二人の周囲には暗雲が徐々に立ち込める。-
■印象的なシーン
1.序盤、未だ平和だった優作が営む福原物産の忘年会で流された”聡子がスパイ役として金庫から何かを盗み出す瞬間、手首を掴まれ逃げる途中射殺される”余興の短編。
ーこの白黒のショートフィルムの意味合いが後半効いてくる。又、聡子を演じた蒼井優が仮面の白いマスクを取られた時に映し出される”美しく、鋭き目。”-
2.勇作と部下の文雄が、満州で見たある事実。そして聡子に知らせず、満州からある女性を連れ帰った理由。
ー劇中で固有名詞は出て来ないが、誰が観ても、旧帝国陸軍731部隊が満州で行った事である。だが、黒沢監督はこの事実の糾弾に重きを置いているわけではなく、包括的に当時の大東亜圏構想に邁進していく大日本帝國を批判的視点で描いている。-
3.聡子が14歳の時からの知り合いの神戸憲兵の分隊長、津森(東出昌大:純な青年が帝國思想に侵されていく姿を抑制した演技で魅せる。良い。)が序盤は恋心を抱いていた聡子に対する丁寧で愛おしむような態度から、聡子がスパイ容疑をかけられた際の、旧日本帝國憲兵として、変容して行く姿。
ー恋心を抱いていた女性を売国奴と罵り、平手打ちする姿。-
4.聡子が優作のコスモポリタンとしての考えに共鳴し、二人が”誤解”を乗り越え、アメリカに密航しようとするシーン。
ーあの”通報”の主は・・。小舟の上から笑顔で手を振る優作の姿。-
5.聡子が”国家反逆罪”など複数の罪で神戸憲兵分隊に連行されるシーン。津森は彼女が持っていたフィルムを幹部の前で流す。そして、スクリーンに映し出された映像。
ー驚愕する聡子。そして、”お見事です・・”と言って気を失うシーン。優作の自身の信念を貫こうとするが故の行為なのか、聡子の身を案じての計略なのか・・。その両方なのか・・。その解釈は観客に委ねられていると私は思った・・-
6.1945年、日本の敗色濃厚な中、聡子が精神病院のベッドでぼんやり座っているシーンと、その後の病院が爆撃されるシーン。
ーこのシーンで、聡子が信頼している大学教授(笹野高史)に話す言葉。そして、爆撃後、中庭に出て叫ぶ言葉。-
<黒沢清監督の作品の画には、仄かに暗いトーンが多用される。
今作では、1940年代の日本の町の意匠の素晴らしさと、徐々に戦争の災禍に陥っていくトーンの陰影の付け方が印象的である。
だが、何と言っても、聡子を演じた蒼井優さんの夫への信頼、疑念の狭間を行き来する心持を圧倒的な演技で魅せる姿に魅了された作品である。>
■追記
2020年10月17日 NHKで放映された”世界のクロサワ「スパイの妻を語る」”の中で、黒沢清監督が、”映画館で見る映画の魅力”について語った言葉は、実に的を得た言葉であった・・。
嬉しかった・・。
黒澤明が泣いている。
確かに日本は人体実験等酷い事をしたが、肝心な事が抜けている。日本は当時、ロスチャイルド、ロックフェラーの支配から抜け出そうとしていた。それを、ロスチャイルド、ロックフェラーが日本をアメリカに戦争するように仕向け、負けさせた。戦後、日本に焚書を行い、ロスチャイルド、ロックフェラーの存在を消した。そして日本はアメリカの属国となった。最近、イギリスがその事に気付き、EUから抜けた。フランスのマクロン大統領も抵抗しようとしている。従って、ロスチャイルド、ロックフェラーが金儲けに狙っているのが日本とドイツ。グローバリゼーションという理由で、ロックフェラー、ロスチャイルドの都合のいいシステムに構造改革しようとしている。それがここ20年以上続いている。ロスチャイルド、ロックフェラーは当時の日本では井戸端会議に出てくる程知られた存在だった。
確かに日本の人体実験は酷いが、この映画は、日本がおかしかったと決め付けているが、ロスチャイルド、ロックフェラーの存在が抜けていたのでそこは違うと思った。戦後の日本の自虐史観教育の影響がある映画でした。
まったく油断ならないさすがの黒沢清
素晴らしかった。ドラマの再編集版かと思って少し油断していた。びっくりの傑作だった。そりゃそうか銀獅子だもんな。そういえば『贖罪』もそうだったけど、黒沢清はVシネひっくるめて出口が何でも関係ないな。
今回は脚本や監督、音楽、新機軸ありながら、だからこそ比較的わかりやすい縦線を持っている。ドラマっぽいという意味で。そこに黒沢エレメントがふんだんに入っていて、最初蒼井優の昭和芝居がやり過ぎじゃないのと思っていたら後半、ここぞ見せ場と思ってか、素晴らしくて泣きそうに。東出昌大も相変わらず素晴らしい。特に尋問始める頃は完全に概念を奪われた宇宙人みたいで感激。結果的に何度もニヤニヤしながら、それでも盛り込まれた戦時下ながらとても現代的な(ことになってしまった。。)テーマ性も夢中にさせる要因だったかも。
とにかく油断ならない。
ここにも東出昌大出演
お・み・ご・と
タイトルと物語の展開に最後まで違和感が拭えず…
出だしは淡々と始まり、途中からテンポと雰囲気が変わり、社会派サスペンスとしてどんな展開で観客を裏切ってくれるかと期待していたが、大方の観客が予想するような「普通」の結末に拍子抜けしてしまった。
主人公の福原優作が言うように、彼は別に「スパイ」ではないし(いわば「内部告発者」)、妻の聡子も「スパイの妻」ではない。
国際的な人権問題に敏感な現代の世界であれば、彼の告発はとてもインパクトがあるが、列強が数々の残虐行為を行なっていたあの時代に国際機関に告発することの世論の反響と効果がどれほどのものか、生活を捨て妻を裏切り命を賭して米国に渡り行うべきものなのか、いまいち現実感が感じられなかった。
ストーリーについても、優作ではなく、聡子のほうが最後の最後で裏切っていればまだ現実的で不快かつリアルな展開になったのでは、とは浅はかな見解か。
蒼井優は決して嫌いな俳優ではないし、活躍を期待する俳優のひとり。ただ今回は昭和初期の上層階級の婦人を意識してなのかもしれないが、言葉使いや彼女の行動の一つひとつに違和感があり作品に集中することができなかった。
もともとNHKのドラマを映画版に再編集して作品とのこと。やっぱ映画館で観るにはちょっと物足りない内容かなぁと思ってしまう。
#83 蒼井優の上流奥様言葉が似合う
今では死語となってしまったような上流奥様言葉が、レトロな髪型をした蒼井優に似合う。
ダンナ様が好きすぎて一芝居打ったのに、逆に騙されてしまう彼女。
でもそれは本当に騙されたのか。
2人が信念を持ったまま生きる道はこれしかなかったのか。
貧富の差が激しい頃の日本の上流社会をこの目で見てみたくなる映画。
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