「お金を払う人たちを舐めた所業。NHKの企業体質が浮き彫りになる映画でした。」スパイの妻 劇場版 お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)
お金を払う人たちを舐めた所業。NHKの企業体質が浮き彫りになる映画でした。
単発のテレビドラマを映画館で公開したようです。
NHKの作ったテレビ用のドラマらしく、さもありなんと思いましたが、お金が掛かっていないことがまる見えの映画で、タダならともかく、客から入場料を取れるような出来ばえではありませんでした。
収穫は憲兵隊長を演じる東出昌大。
もともとセリフ棒読み系だった俳優ですが、本作ではセリフもこなれ、感情の揺れ動きも演じ分けられていて、成長と努力が良く分かり、立場に揺れ動く役柄を上手く演じていました。
とはいえ、戦争にまつわる出来事を適当にそれっぽく散りばめただけの作品に過ぎず、主人公の心の動きも描かれておらず、茶の間の小さいテレビで流し観るならそれなりに評価されたかも知れませんが、金を払って観に行った人間の満足は到底得ることができない作品としか思えませんでした。
白いスクリーンで囲まれた市電のセットとか、白いだけの事務所の窓の外とか、今どきの映画のレベルには到底及ばないものであり、テレビで放送して制作費のモトは取れているはずの映画なのですから、あえて有料でスクリーン公開する以上は、せめて市電の窓から見た市街とか、オフィスの窓から見える港の町並みとか、神戸から出帆する旅客船の威容とか、そういうものをCGで再現するぐらいのことをしてもバチは当たらないのではないかと、残念でなりませんでした。
一言で言うと、観客を舐めるなよ、と。
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