「穏やかさにある緊張感」スパイの妻 劇場版 D.oneさんの映画レビュー(感想・評価)
穏やかさにある緊張感
NHKのドラマだけあって、奇抜な盛り上がりや音楽演出は控えめで、穏やかなタッチで触れていく展開はどこか安心感を覚えながらも、終始緊張感を保ち続ける絶妙な造りになっていると感じました。安定感あるトーンのおかげで物語にじっくりと没頭することができ、感情移入もしやすくなっているため映画のテーマ性と上手く相まっていい感じの持ち味になったのではないでしょうか。夫婦それぞれの想いや感情に含みを持たせ、奥行きを広げていることで映画の面白さを高めています。
しかしながら、重要となりうるセリフやシーンにおいて盛り上がりが欠けていたのも事実なので、そこは少し拍子抜けというか、惜しいと感じる所がありました。でもまあ、この穏やかなトーンは個人的にかなり好きなので、あまり気にならずに楽しむことが出来ました。
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