「カツベンさんやい、これに声を入れてくれ!」スパイの妻 劇場版 サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
カツベンさんやい、これに声を入れてくれ!
予告に惹かれたので鑑賞。
NHKで放送されていたドラマ版は少しだけ見て、面白かった記憶があるので期待値はそこそこ。
ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞したということで、さらに期待値は上がった。
受賞した意味がわかりませんでした。
クリーピーでもそうでしたが、私は黒沢清監督の作品が苦手なのかな...。光と闇の表現は良いんだけどね
戦争真っ只中の2本で外交官に勤める優作(高橋一生)は、満州に行った際に国家機密を知ってしまう。妻の聡子(蒼井優)は顛末を世に知らしめようとする優作をずっと信じていた。
映像はNHK×黒沢清ということもあり、とても美しい。聡子と優作が抱く希望と不安が光によって上手いこと表現されており、観客の興味を引かせる。
高橋一生は相変わらずカッコイイなぁ。
外交官がすっごく似合うし、ホントに品のある演技をする俳優さんなこと。適役すぎまっせ。
東出昌大も棒読みが目立つことが多いですけど、今回はかなり良かった。「おらおらでひとりいぐも」でも、蒼井優と共演しているので楽しみですな
今作最大の欠点は、映画である必要性が全くないということ。
前半は緊迫感が多少ありこれからの展開が気になっていたが、その期待もすぐに崩れ落ちる。
どんでん返しだったり衝撃の結末だったりが全く無く、なんだったんだよという気持ちで終わってしまう。
蒼井優主演作品はあまり見た事がないが、素晴らしい演技をする女優だなという印象が強かった。
しかし、今回に関しては何だか1人だけタイムスリップしきれてないようで浮いていた。
脚本も音楽も演技もCGも全てが中途半端。
いきなりだらけで話に着いていけず、着いていく気も失ってしまうほどつまらない内容だった。
ということで、映画である必要が微塵にも感じられない映画。これがまんまドラマとして放送されるとしても、最後まで見れる気はしない。
核心をついたわけでもないのでホント、なんでこの作品を見て銀獅子賞を与えようと思ったのか不思議でならない。贔屓じゃない?大丈夫?
〜余談〜
昨日の夜はあんなにも多かった客が、一気に減っている。公開日だったと言うともあるかもしれないけど、今日はあまりいなかった気がした。鬼滅の刃のファンは大人が多いのかな?
逆に今作はなかなか入っていた。賞を受賞したということがでかいのだろう。