「お見事ォォォ~!!!」スパイの妻 劇場版 kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
お見事ォォォ~!!!
何よりお見事なのは、蒼井優。凄い女優だと、つくづく思う。
この映画は、昭和初期のモダニズム感をセットと衣装、台詞で醸し出した「雰囲気」を味わう映画だ。
オープニングの英国人スパイを検挙する場面から舞台劇を思わせる画面作りで、リアリティとは一線を画す芝居がかった映画だと解る。
最大の見せ場は、蒼井優が東出昌大の訊問にあった挙げ句フィルムの映写を一緒に見るシーン。
そもそも憲兵と被疑者が一緒に証拠フィルムを見るなんてシチュエーションが有り得ないもので、大階段の前にスクリーンを置くなどセットの構成が大胆。
そこで蒼井優が叫んで倒れ、高橋一生の小船に場面転換する…
ここで終わっても良かったのではないかとさえ思った。
スリラー映画として謎めいてはいるが、全体的にまったりとした進行で、ハラハラさせるような演出ではない。
ストーリー自体も説得力に重きを置いていない。
主人公夫婦の行動原理もよく解らなかった。
タイトルから高橋一生がスパイであるかと思わせておいて、スパイではないことが前半で分かる。
が、そう見せかけて、やはり実はスパイだったというのがオチではないだろうか。
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ぷにゃぷにゃさんのコメント
2021年4月20日
たくさんの共感とコメントありがとうございます。
なるほど、雰囲気を味わう映画、それなら納得できます。
賞をもらってなければ、きっと温かい目で見られたかもしれません。
見る前に煽られた分、厳しい見方になりましたかねー。