「まったく油断ならないさすがの黒沢清」スパイの妻 劇場版 ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
まったく油断ならないさすがの黒沢清
素晴らしかった。ドラマの再編集版かと思って少し油断していた。びっくりの傑作だった。そりゃそうか銀獅子だもんな。そういえば『贖罪』もそうだったけど、黒沢清はVシネひっくるめて出口が何でも関係ないな。
今回は脚本や監督、音楽、新機軸ありながら、だからこそ比較的わかりやすい縦線を持っている。ドラマっぽいという意味で。そこに黒沢エレメントがふんだんに入っていて、最初蒼井優の昭和芝居がやり過ぎじゃないのと思っていたら後半、ここぞ見せ場と思ってか、素晴らしくて泣きそうに。東出昌大も相変わらず素晴らしい。特に尋問始める頃は完全に概念を奪われた宇宙人みたいで感激。結果的に何度もニヤニヤしながら、それでも盛り込まれた戦時下ながらとても現代的な(ことになってしまった。。)テーマ性も夢中にさせる要因だったかも。
とにかく油断ならない。
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