劇場公開日 2020年8月21日

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「なかなか良くできたパイロット版(テストフィルム)だ。 よって、今度はプロを揃えて、ちゃんとした体制で、映画を作り始めて欲しい。」狂武蔵 YAS!さんの映画レビュー(感想・評価)

0.5なかなか良くできたパイロット版(テストフィルム)だ。 よって、今度はプロを揃えて、ちゃんとした体制で、映画を作り始めて欲しい。

2020年8月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

この映画を あと3年早く公開していれば、「カメラを止めるな!」「1917 命をかけた伝令」といった成功映画の蹴波を受けることはなかっただろう。

ポルノ映画でも、@@@シーンばかりでは、10分で飽きてしまう。
殺陣でも同じだ。
「映画はメインシーン前後も合わせて楽しませる事が重要だ!」と実感した。

 『宮本武蔵』では「巌流島の戦い」よりも、「吉岡一門との闘い」の方が
武蔵の剣に対する「邪道さ」が表面に出ている事案なので、個人的には好きだ。 だから、この映画には期待していた。
宮本武蔵はこの時期、「円明流」から「二天一流」に移行し、ほぼ完成していたと思われます。

良かった点
・撮影された本編は予告編ほど、画面が荒くなかった。
・宮本武蔵が赤タスキをすることで、全体の中でも見分けやすかった。
・9年前に撮影した部分よりも、今年追加撮影したシーンの方が100倍良い。
 ただし、今年部分でも侍はいない。
・撮影中、主人公武蔵役は左手を怪我をしたぽかったが、それが良いリアル感を生み、演技効果があった。
周囲のスタッフも当然、主人公の動きを追っていたので、怪我に気付いた筈なので、急遽、カメラの影もしくはバストショット時に血糊を付けさせる段取りを組むべきだが、ぼっとしていたのか?放置。
最悪でも編集時に 滴る血 をCGで書き込むくらいはすべきでした。
唯一の演技所だったので、それらの動きが、最初から予定された演技なら、超好演技だ。それなら余計血糊は必要。

たとえ、1日間足らずの出来事であっても、季節感はちゃんと演出して欲しい。 季節が夏なのか、初冬なのか判らない。

ホースで雨を降らしても良いが、水がかかっていない地面は映りこませてはいけない。
シーンカットになるのが嫌なら、カメラが移動してくる前に映りこみそうな場所プラスアルファは助監督が事前に濡らしておく冪だ。
地面さえ濡らしておけば、そう問題ではない。

時代劇なのに、まともな考証人がいないのが残念。
刀の握りが全員剣道握りで、右手も鍔に直接固定されていた。
構えも威嚇と油断を込めて「八相」が中心になる筈だし、初期と違い、闘いが長びきそうだと、各自が判断したら、構えに変化が出るのは必然
しかし映画では、ほぼ全員がヤク@の出入り状態で、失笑してしまう。

吉岡道場勢に加えて、助っ人が多々加わっている映画設定だが、それでも武士は数名しかでてこなく、残りの全員は1本刀の町人とヤ@ザなのでしょう。
髪はみんな前髪があって、しかもボサボサ、
頭には鉢巻きではなく、チープな鉢金を揃える愚連隊。
切り合いでは武蔵の背後に回り込む事はしないので、武蔵は安心して、各立会を正面だけでできる。
袴を履いてなかったり、鞘もおざなり、小手のようにサラシもを巻いたり、どう見ても@クザの殴り込み。

藍色系の服装が多かったのは好感が持てたが、大勢に見せたい為に、画面外で袴を履いたり脱いだり。。。etc

目立つ服装・帯の人間が2分後に再度斬られに来ると、ギャグ映画にしか思えず
あれ ??? と言う感じさえなる。

大昔の殺陣師さん指導なのだろう。
主人公に斬られた悪役は斬られたら、もがきながら後ずさりして画面から切れるか
膝をついて倒れながら、やはり画面の外に。。。 そして復活!
そのほか「小手から面」で安易に切られたり、ドリフギャグの様に順番に斬られ続けたり。。。。
何が何でも、沢山切りたかったようだ。 大笑

大勢の助っ人を呼んでくる設定の意味があったのだろうか?
その他突っ込みどころは「星の数より5つ程少ない程度」はあった。

吉岡道場、末っ子の演技や服装等はこのままで合格。
主役のセリフはアフレコで入れなおした方が良かったでしょう。
BGM音楽は優れていた。

この映画を観終えたら、急にマンガ「バカボンド」がまた読みたくなった。

YAS!