おもかげのレビュー・感想・評価
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それは、母の愛なの?あらたな恋なの?
真実はすべて霧の中のような、観る人にその判断を委ねるような展開。
登場するどの人の気持ちも曖昧で、何かを我慢しているような。
スペインとフランスの境界で、2つの国の国民性もあぶり出すような。
子どもとわかっていても、16才の思春期男子が「子ども」か?と聞かれれば、微妙。
背伸びして、煙草は吸う、女性経験はある、お酒も飲む。
グイグイ来られたら、純粋な子どもの部分も持ち合わせているだけに、深みにハマってしまうかもしれない。
彼女の心の揺れ、抑えられない気持ち、観ているときの感情と、あとからやってくる気づきとが観た者の心を揺さぶる作品だと思いました。
母親不在の場所で一人息子が行方を断つ。心の深い傷は快癒するか?
母親が不在の場所で一人息子が父親に捨てられたか?6歳の息子が父親とはぐれて母に救いを求める声だけが受話器越しに聴こえる。どうやらスペイン寄りのフランスの浜辺らしい。その事件以来10年浜辺の店で働く母親のエレナ。息子がいたら16歳か。バカンスでパリから来た一家の息子ジャンに行方不明の息子の面影を見るエレナ。ジャンは赤の他人であっても、我が子の成長の姿を重ねる。ジャンの行動の一つ一つが興味深く気になる。エレナにとり男女間の恋愛感情は生じないが16歳の少年は次第にエレナに惹かれて行くのはオトナの女性への興味と憧憬もあるだろう。ジャンの家族は息子を誘惑し堕落させるエレナを敵視し二人を会わせないように方策を講じる。感情の行き違いはMAX。恋人とやり直そうと引っ越し作業の真っ最中にジャンから一人で道に迷った、とSOSの着信。恋人を振り切り10年前の二の舞は踏まないとジャンの元へ急行する。発見した。エレナは狂喜乱舞。やっと母親の役割を果たし深い傷は癒えるか?たぶんこうして少しずつ気持ちにケリをつけていくのではないか?恋人はエレナを理解し深く愛している、しかし、エレナの心的外傷は自分でしか治癒できないのだ。ラスト、元夫に自ら電話をしたのは彼を許すことで自分の囚われている柵を解放しようとしているのではないか?
タイトルなし
気になって
短編を観た帰り前売り券を即購入
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2017年製作の短編映画「Madre」
その先を描いた「おもかげ」
18分の短編はそのまま長編作品の冒頭へ
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息子からの電話が切れた
それから10年後
エレナの物語が続く。
エレナは海辺に移り住んでいた
ここはあの子が居なくなった場所?
10年の間
エレナの時間は止まったままなのかな…
もし私がその立場だったら…
色んなことが頭の中を駆け巡る冒頭
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息子の面影を持つ少年に出会う
2人の関係は…
その愛は母性なのか女性としてなのか
エレナの感情は
寄せては引く波のよう
出会ったことで
光が見え人生はまた動き出す
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短編Madreとは繋がっているけど
違うお話
気になっていたその後を観てきました
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子を失う母に自分を置き換え観てた
自分を…赦せる日がくるのか…
ずっとずっと苦しかった
がんばれヨセバ
6歳の息子が父親との旅行中のフランスのビーチで行方不明となり10年後、息子に似た少年を見かけて巻き起こる話。
息子がいなくなったビーチのレストランで店長として働く主人公の前に、息子に似た少年をみかけ、思わず後をつけてしまったら、後日それに気付いていた少年がレストランに現れて、交流が始まって行く。
息子の生死について語られることはないけれど、「息子が失踪してイカレたスペイン人」と噂されているから、死んだという設定ではない模様。
それでも、息子ではないのは判っていて、でも、息子がここにいたらこんな子何だろうという思いから、積極的に彼女のもとにやって来る少年に心を掴まれて…。
主人公の思いはまあ、理解出来るし読み取ることは出来るけど…。
ジャンは噂を知っている?担ごうとしている?同情?何て考えがうかんでくる。
3人組との件でもどうかしてるを連発されて、そっちに印象を振ろうとしている?ここに関しては全然イカレている様に感じないのは日本人だから?
元旦那との件は、ちょっとイカレている感じもあったし、そこから後は確かにイカレていたけど…なんだそれ?どういう感情ですか?
ラス前までかなり面白かったけど、台無しにされた感じ。
ストーリー的には殆ど関係ないにしても、元旦那出してあんな会話するなら、10年前何があったか、そしてどう今に繫がるか、後出しでも良いけどもう少しみせて欲しいもんだ。
少年
人は、それぞれ程度の差はあれ、心に闇の部分を抱えている。それが後々の人生に、どのような影響を及ぼすものかどうかは本人にしかわからない。
この主人公は最愛の息子を失い、失意のなか、その呪縛から逃れるために敢えて人気の多い避暑地で働き、様々な人と触れ合い、気を紛らわしているのではないかと想像できる。しかしながら、ぽっかりと空いた心の隙間は埋められずにいる。そこに登場した少年にかつての息子の影を見出し、心、かき乱されるのであるが、ちょっと間違えればストーカーまがいの行為とも捉えかねられない。
そういった主人公の心情を、より深く理解することはできなかったが、少年の心が清らかで、主人公に寄り添い続ける姿勢には共感が持てた。
しかしながら、危惧してた寝落ちを短時間繰り返したのは痛かった。なんとか後半は見続けられたので良かったが・・・
【おもかげ】
これは、僕達、皆に重なる物語だ。
かけがえのない人を失う悲しみは、多かれ少なかれ誰もが経験することだ。
死であれ、別離であれ。
そして、その現実を受け止められないことだってある。
海岸に止まるエレナは、ある意味、かけがえのない人との思い出から抜け出せないでいる僕達と同じではないのか。
かけがえのない人の面影を追い求めたことはないか。
一緒に訪れた場所で、思い出すことはないか。
少し前に進めても、ふとした時に、また面影を追い求めていることはないか。
環境が変わり、全く新しい生活を始めても、ふと面影が頭の片隅をよぎることはないか。
エレナは、面影をみたジャンに別の愛情を注ぐのか。
最後、エレナは何を伝えようとしたのか。
また、ずっと止まるのか。
観るものに想いを委ねられたエンディングは、僕達が面影とどう向き合ってきたのかで、異なるのだろう。
少しモヤモヤした余韻を自分なりに咀嚼して楽しむ作品だと思う。
感想は立ち位置による
どの立ち位置で見るかによって感想は変わる。人によっては主人公の女性を気持ち悪いと思うかもしれません。
彼氏がいて、その彼氏と一緒に住む事になっていても、息子似の彼の前では、色褪せてしまう。彼女にとって彼は…
#87 冒頭の演技が凄い
幼い息子と母親の会話で緊張感が伝わってきて迫力満点。
その後息子がどうなったのか?元夫は何をしていたのか全く説明のないまま、息子似の男の子に惹かれて行く主人公。
結局彼女が探していたのは、懐かしい息子の面影というよりも、息子を助けられなかった罪悪感から逃れる道だったんだ。
神秘的な作品
失踪モノということで、桐野夏生の小説を思わせるようなミステリアスな雰囲気。本のページをめくるように緊張感を持って進むストーリーと、美しい海岸風景に引き込まれました。謎は多く残りますが、全体的には好きな作品でした。
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