「最高で最低のコメディ。」はりぼて Ishikawa Peroさんの映画レビュー(感想・評価)
最高で最低のコメディ。
議席数40に対して28の議席数を持つ自民党王国、富山の地方局チューリップテレビの若い記者達が情報開示請求で手に入れた膨大な量の資料を読み込み、裏を取った執念の調査報道の末に見つけた政務活動費の不正問題は富山政界のドンを含めた14人の辞職者を出す。
その顛末を取材し、全てを見た記者達が面白おかしく見せてくれる。
誰かに熱を持って薦めたい、今年一番の一本だった。
地方政治と思うなかれ、この富山市議会の腐敗は負け知らずの政治家の奢りをあぶり出している。
桜を見る会などにも通じるどこの地方都市にも、国会でも同じ普遍の問題だと思う。
公文書を残す大切さ。
それをいつでも見られる仕組み。
黒塗りの資料を見慣れた目に、当たり前の権利が行使出来ている事に驚き、ベテラン政治家に忖度した公務員の守秘義務違反にやっぱりと思う。
政務活動費を慢性的に使いこんでいた議員達のとぼけ方。
議員というよりただのおっちゃんの言い訳に、おもわず笑ってしまうが使い込んだ金額を見ると腹が立つ。
鋭い質問の応酬で追い込むけれど、悪い関係になっていない議員と記者を見ると、国会に付いている記者達は何を慣れあっているかと思う。
裏どりした確かな情報に基づく堂々としたしぶとい取材を目の当たりにして、全ての記者がこうあって欲しいと切実に願う。
悪いやつらが得するだけの、無関心がイチバンの敵だ。
政治に関心が無くてもコメディ映画としても一級。
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