「見て良かった」FLEE フリー ミーノさんの映画レビュー(感想・評価)
見て良かった
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アカデミー賞で長編アニメーション、外国語映画賞、長編ドキュメンタリーの3部門に跨ってノミネートされていたので注目していた作品。
話はアフガニスタンの惨状が描かれるというよりアフガニスタンを脱出してからのロシアでの生活や先に出国した長兄がいるデンマークへ向けての密航の経緯に時間が割かれる。本人の身元がバレないための配慮らしいがアニメになったことで見やすくなっている。
ドキュメンタリーはあまり見ないのでよくあるパターンなのか不明だが主人公が監督に話す内容を元に、過去のニュース映像なども用いつつアニメーションで描く。
主人公アミンと監督は、アミンがコペンハーゲンに着いてから移動する電車で見かけ、その後親友になり、結婚を考えている恋人にすら打ち明けられなかった難民としての過去を話す。
仰向けになって話すアミンのネックレスが真っ直ぐでなく歪んで垂れ下がっているのがいかにもドキュメンタリーだなぁと思って見ていた。そのネックレスをくれた名前が思い出せないという彼とのエピソードが良い。
アミンはアフガン当局に連行され行方不明の父親以外の家族は無事で、キャリアも積んで私生活も幸せだが、だからこそ作品になったのであって、ここまで運がない人の方が圧倒的に多いだろう。映画にしてくれて有難い。
冒頭でアメリカが武器を援助したという説明があるが、冷戦下だったとは言え何故戦争をしたい人達がいるのかな。
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