「平板なアニメーションからどれだけ脳内でイメージを増幅できるか」FLEE フリー ニコラスさんの映画レビュー(感想・評価)
平板なアニメーションからどれだけ脳内でイメージを増幅できるか
先品中頻繁にロシアの警察の腐敗ぶりが登場する。現在の世界情勢に照らし合わせると「やっぱりロシアは」となりがちだが、そこは彼の国に限ったことではないだろうから、冷静に捉えるとして。
国外への脱出を試みるシーンは苛烈を極めているはずなのに、平板なアニメーションからは伝わってこないのがもどかしい。
更には難民として海外で暮らすにしても、その国により受け入れ方が随分と異なり、その後の生活も苦労を強いられる(差別が解消されないなど)が、そのあたりもデンマークはどうなのかが今ひとつ伝わらない。
結局、鑑賞した人の持つ国際知識や画像から得た情報をどのように増幅させるかによってこの作品の評価は非常に差がつくのだろうと思った。
それでも多くの人に届けたい作品ではある。
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