「やっぱりフランス映画が好き」アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
やっぱりフランス映画が好き
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あーこのタッチだわ。アッサリとリアル。過剰演出無し、お涙頂戴無し。追いかけ過ぎない個人の内心描写。「演劇部」の騒ぎに、刑務官がドアを開けて、廊下を一瞥する一瞬を挟み込む事例に代表される、効果的な状況描写。音声の臨場感とカメラの地味な躍動感。でも、しっかりヒューマンドラマ。
最後の最後に逃げやがったかぁ、ってのもガッカリ感無し。しゃーない連中やなぁ、で美談は否定。
人は変われるけど、変われない人もいる。6人の演劇部に変化はあったけど、刑務官は変わらなかった。イヤ。演劇に打ち込んでも何が得られるって言うのか。欲しいのは自由だと。
舞台の上ではリアルにゴドーが繰り広げられ、教訓も感動も悲劇も、何も残らなかった。聴衆の拍手は、ゴドー達を責めなかったエティエンヌへの賞賛。
この、一見して情け無い事件を題材に、映画にしてしまうフランスが、また好き。
良かった。
普通に。
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