七人樂隊

劇場公開日:2022年10月7日

七人樂隊

解説・あらすじ

ジョニー・トーのプロデュースのもと、香港で活躍する7人の監督が1950年代から未来まで、さまざまな年代の香港をつづった7作で構成されたオムニバス。

50年代、必死にカンフーの稽古に励んだ幼い自分と仲間を描く、サモ・ハン監督の自伝的エピソード「稽古」。教育に生涯を捧げる校長先生と、彼を慕う同僚の女性教師とかつての教え子たちを描いたアン・ホイ監督の「校長先生」。移住を控えた恋人たちの別れをスタイリッシュな映像で描いた、パトリック・タム監督の「別れの夜」。ユエン・ウーピン監督が、香港を離れる孫と香港に残る祖父のユーモラスで温かな交流を描いた「回帰」。香港の飲食店を舞台に大儲けを夢見る一般市民が株価に右往左往する姿を、ジョニー・トー監督が描いた「ぼろ儲け」。香港の変わり様に翻弄される男を描き、本作が遺作となったリンゴ・ラム監督の「道に迷う」。病棟を舞台に、たたみかけるセリフ群が展開する、ツイ・ハ―ク監督の「深い会話」。

7作すべてが、フィルム時代に敬意を表し、全編35ミリフィルムで撮影された。2020年・第73回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション作品。日本では同年の第21回東京フィルメックスの特別招待作品として上映され、観客賞を受賞(映画祭上映時タイトル「七人楽隊」)。

2021年製作/111分/PG12/香港
原題または英題:七人樂隊 Septet: The Story of Hong Kong
配給:武蔵野エンタテインメント
劇場公開日:2022年10月7日

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映画レビュー

3.5 Dim Sum Table

2022年9月12日
PCから投稿

Hong Kong's best directors collab for a collection of short films that serve as various forms of poetry on this magnificent city-state. It's pretty low-key entertainment, not quite as artsy as Taiwan's Three Times, some of it cute like mainstream mainland cinema. It's already a time capsule given the vast changes that have occurred since the uprisings and clampdown of the COVID police state.

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Dan Knighton

4.0 ここまでやんちゃに振舞ってもなんとなく許されるツイ・ハークがちょっとだけうらやましい一作

2025年9月1日
PCから投稿

ジョニー・トーら7人の香港映画人が、様々な年代、様相の「香港」を描いた一作。

サモ・ハンの若き修業時代を描いた第一話「稽古」は、『七小福』(1988)を想起させるような内容で、結末にはサモ・ハン自身までも登場します。となると彼自身が監督しても不思議ではない内容だけど、本作の監督はティミー・ハン。名字から推測できるように、サモ・ハンの長男です。それを踏まえると、この内容にも納得。

『マトリクス』(1999)などでの活躍で武術監督としての知名度が高いユエン・ウーピンは、老武術家と孫娘との微笑ましくなるような交流を描いており、作風の意外性と語り口の巧さを印象に残しているし、香港返還と男女の別離を重ね合わせたパトリック・タム監督の抒情性など、次々と登場する挿話は、過ぎ去った時代への郷愁に満ちています。

なのに!最後を飾るツイ・ハーク監督の作品の破壊力といったら…。リンゴ・ラム監督なんてこの作品が遺作になったというのに、こんなふざけた、じゃなくて個性的な作品を作っていいのかツイ・ハーク。と混乱と困惑が交錯しはするものの、まあここまでふざけて見せるのも、過度に感傷的になりかねない本作のバランスを取ったのか、あるいは照れ隠しなのかも、と好意的に解釈することにしました。

香港映画ファンには、本作の、特に7作目での急転直下を体感してもらいたいところです!

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yui

3.5 【”香港を代表する七人の監督サモ・ハン、アン・ホイ、パトリック・タム、ユエン・ウーピン、ジョニー・トー、リンゴ・ラム、ツイ・ハークがそれぞれの香港への想いを込めて作ったオムニバス映画。】

2024年11月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

知的

幸せ

ー 各監督の香港への想いを綴った掌編七作で構成されているオムニバス。良く見ていると、各作品で他監督の名前を頻繁に出演者が口にするのも、七監督の盟友振りが伺える気がするなあ。-

■掌編七作の内容と、私が好きな作品を◎〇△で記す。

1.サモ・ハン・キン・ポー監督 『稽古』
  監督自身の、修業時代を思わせる子供達の、凄いバク転や倒立などの身体のスピード、切れに驚く。先生も厳しいが、愛情が感じられるなあ。こんな凄い練習をしてきたから、サモ・ハン・キン・ポーは、カンフー映画の第一線で長年活躍して来たんだなあ。◎

2.アン・ホイ監督 『校長先生』
  校長先生と、美しい女先生と子供達との関係性と、数十年後に子供達が大人になり、校長先生を囲む会を開き、昔話をする。心臓が悪かった女先生は早逝しているが、生徒と校長先生はお墓を見つけ、墓参りをする。師弟関係の絆を描いた人情味あふれる作品。◎

3.パトリック・タム監督 『別れの夜』
  イギリスへ旅立つ女性と香港へ残る若き男女の一夜の関係を描く作品。 山口百恵の「小春日和」の香港バージョンにはビックリ。△

4.ユエン・ウーピン監督 『回帰』
  老人と香港を離れ、英語圏で家族で暮らすことが決まった孫娘との交流を、温かいトーンで描いた作品。別れてから3年経って再び戻って来る孫娘の、祖父を想う気持ちが嬉しい。◎

5.ジョニー・トー監督 『ぼろ儲け』
  何時の時代でも、人々は投資で儲けようとするのかねえ。コロナ禍でも、投資を止めない人達を風刺した作品。△

6.リンゴ・ラム監督 『道に迷う』
  香港の街並みの変遷を一人の男の心象風景と重ねて描いた作品。男が死んだときに、流れる”香港より、良い土地は沢山あるかもしれない。だが、私には香港しかない。”というモノローグが沁みる。リンゴ・ラム監督の遺作でもある。◎

7.ツイ・ハーク監督 『深い会話』
  精神科医と患者との不条理な会話劇。患者が自分の名はアン・ホイだと何回も喋るシーンや、最後、どっちが精神科医で患者なのか分からなくなり、更に二人を見ている医者らしき人達の姿も可笑しき作品。〇

<という事で、矢張りドーモ私は、ヒューマンドラマが好きらしいと思った、香港を代表する七人の監督サモ・ハン、アン・ホイ、パトリック・タム、ユエン・ウーピン、ジョニー・トー、リンゴ・ラム、ツイ・ハークがそれぞれの香港への想いを込めて作ったオムニバス映画である。>

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NOBU

4.0 日本のオムニバスより見やすい

2022年11月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2022年劇場鑑賞264本目。
「中国映画」ではなく「香港映画」の著名監督がジョニー・トー監督の発案の元、くじで年代を決めてフィルムで撮影するという企画です。
日本でも「JamFilms」や「MIRRORLIAR FILMS」がありますが、短編というより長編の一部を切り取った中途半端なものか、なんとなく雰囲気だけの退屈な映画、という感想だったので、いくらサモ・ハン監督やユエン・ウーピン監督の作品があっても他のは退屈なんだろうなと思っていました。

まぁそういう作品もありましたけど(笑)おおむねこの長さで完成しているな、という内容でしたし、飽きもなく観ることができました。

「稽古」サモ・ハン監督
お目当てその一。サモ監督が子供の時の修業時代を描いた作品。「七小福」を思い出しますが、これ観てないんですよね。ジャッキー・チェンやユン・ピョウと同じ京劇の学校と聞いていたのですがガチカンフーでした。あっ、もう終わり?という感じでしたがまとまっていていい感じでした。

「校長先生」アン・ホイ監督
小学校で起きる日常の問題を解決していく話。後半はなくてもいい気もしましたが、校長へ秘めた思いがあったと想像するとあってもいいのかな。

「別れの夜」パトリック・タム監督
今回一番の外れ作品。男女が別れます。

「回帰」ユエン・ウーピン監督
お目当てその二。年老いたカンフーマスターと孫娘の交流の話。もちろんカンフーシーンはありますが、短編なのでそこまで期待してはいけません。でもほんわかします。

「ぼろ儲け」ジョニー・トー監督
三人組が香港で起きた色々な金融に関する出来事に投資のタイミングを毎回逃していく話。めっちゃくちゃイライラします。

「道に迷う」リンゴ・ラム監督
遺作ということであまり文句を言いづらいのですが、構成があまりよくないのでは?と思いました。

「深い会話」ツイ・ハーク監督
お目当てその三。我が生涯ナンバーワン映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱」の監督です。とはいえ最新作「1950 鋼の第7中隊」では中国万歳のクソつまらない映画を作ってくれたのであまり期待はしていなかったのですが。
いやもう字幕が反則すぎますね。急に来る「なんでやねん」に噴き出してしまったので負けです。
メタ会話が続くのである程度の知識がないと楽しめないかも。
ツイ・ハークの顔を知らない人は予習していきましょう。

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ガゾーサ