シンプルな情熱のレビュー・感想・評価
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好きな人に溺れる話。 この物語はどこにも行かない。 ただ確かにあっ...
好きな人に溺れる話。
この物語はどこにも行かない。
ただ確かにあった強い感情の記録。
大人になっても周りが見えなくなるくらいに相手のことばかりで恋愛がすべてを占めることがあると。
未成年や若者と違って、仕事や家族がいて責任があるため恋愛中心って難しいしブレーキがかかると思うけど、そんな理性が働かないくらい溺れていく。のめり込む苦しさと幸せが描かれてた。
生活に深く入らないからいい関係でいられる。恋愛と言えるのか、快楽の虜だっただけなのか。
外から見てるから視聴者には滑稽に見えるかも。
でも、彼女は満たされ、いい関係だった。
ある一時期の人には言えない恋、今もいい思い出としてある話。
彼への気持ちから愚かな行動をしてしまう様もちゃんとあった。
少しハラハラした。
家族の亀裂や浮気につきもののいざこざはない。
情事にふけることへの説教は必要なく、揉め事は主題ではないのでほぼないのか。
男女ともに裸でそういうシーンも沢山あるが、あまり官能的に思わなかった。ドキドキしたけど、思い切り良過ぎてエロさを感じなかった。
はじめ刺青の多さにびっくり。彼自身、刺青多いらしい。
セルゲイ・ポルーニンだからこそ成り立つ映画でした
ロシアの外交官アレクサンドル役をセルゲイ・ポルーニンが演じると聞いただけで観たかった映画です。
セルゲイ・ポルーニンは英国ロイヤル・バレエ団の史上最年少プリンシパルに選ばれ、全身にタトゥを纏う異端のバレエダンサーで、バレエダンサーとしての才能と圧倒的な存在感は文句なしのスターですが、彼を知らない人にとっては無名のミステリアスな俳優にそこまでの色気と魅力を感じないのも致し方ないのかもしれません。
おそらくフランス語もロシア語もままならない彼に、フランス映画によくある、しゃべり倒すようなセリフは難しいかもしれない。だからこそそんなセリフは必要ない。
地位も名誉もあり、シングルながら愛する息子や気の合う女友達がいる主人公エレーヌ。
生活は充実して特段不満も無いような彼女だからこそ、ただひたすらに愛を求めることができたのかもしれない。
彼と会えると分かった瞬間、丁寧にメイクし、セクシーな下着を身につけ、何を着ようかあれこれ考えるのは、恋をしている女性なら誰でもすることで、きっと観ている女性は自分と重ね合わせたはず。
ただし相手はセルゲイ・ポルーニン演じる魅力的なアレクサンドル。もっと彼のことが知りたい、彼を独り占めしたい、と、いつしか2人の間に成り立つバランスを崩してしまう。
愛する息子や仕事を犠牲にしてまで堕ちていったエレーヌでしたが、最後にアレクサンドルと会って今までの2人とは違っていると感じ、自らこの愛に終止符が打てたことこそエレーヌが知的で自立した女性だった証です。
ホテルで彼の姿を追いながらも、ここまでと踵をかえしてホテルを去るシーンでかかる「Only you」。
歌詞と映画のシーン、これからのエレーヌがイメージされて絶妙でした。
女優さんが魅力的
こういうパーソナルな心理を扱う映画は登場人物に共感できるかが問題だけど、その際にキャストも左右すると思う。この映画は主演女優も笑顔がすごく素敵だし、好みではないにしても相手役の男優もオーラがあり主人公が惹かれるのもよく理解できる。
離婚して夫から譲渡された広い庭付きのお屋敷に息子と2人暮らしをしている大学で文学を教える女性が、ロシア大使館で働く年下の既婚男性と不倫関係になり、仕事や子供との関係にひびくまでに溺れてしまう。ただ彼に振り回されても決して奴隷になるようなことはなく、「ヒップの形がわかるようなそんなスカートを履くな」と束縛してくる彼を突き飛ばす。
あと20分で彼が来るとなった時のドレスアップや、別れた後の落ち込みといったところは、マチュアとは言えないかもしれないが、誰もが経験するもの。それでも最後の最後に彼を宿泊先に送って、ホテル内を歩いていく彼の姿を見送りつつ踏ん切るのは良かった。
「わたしの中のもう一人の私」も年下男性に溺れる大学教員だったが、女性の大学教員はどういう先入観を持たれているんだか?
性的ファンタジーを散りばめた映像と若干の疑問(これでR18なのか?)
私の住む地域では8月上旬で終映とのこと、一応見に行っておこうと思い出かけました。
コロナ禍真っ只中のため、席数約110席だが観客は男女数名。
<気になったところ>
1.性愛の実相を伝える気はないようだが、だから?という疑問が沸いた。
俳優の全裸が2度ほど見えたが、欲望に振り回されている男の姿とは到底思えない。
これからスーパー銭湯へ入ろうとする客のようであった。そんな訳ない。
リアリティを追求する演技を俳優さんに求めるとしたら酷ですし、だったら映さないほうが。。。
女性もまるで子宮がん健診を受ける前のような下着の取り方。リアリティがなさすぎる。
その他セックスシーンの様々もわざとそういう撮り方をしたんだと解釈したが、寄りで撮る必要 があるのだろうか。人間そのものの人物像をもっとクローズアップしてもらいたかった。。
女性がいかに閉塞感あるしんどい前半生を送っていたのか、そのエピソードが少し弱かった。
2.フランス人のロシアファンタジー(神秘的で東洋的な、アジアかヨーロッパか分らない国)を強調するのはいいと思う。
しかし、全身の刺青について女が聞いても曖昧な返事しかできない。
ブリヤート族の唐突な話も脈絡が分からず、なんだか頭の悪さを感じる。
ストーリーの最後にヒロインは「彼によって世界が変わった。2つのものが1つになれることが分かった。彼に感謝」と独白していたが、
大学教員のインテリが、嫁が怖いのか体に飽きたのか、遠ざかって行った脳筋SPに感謝する必要はないんじゃないでしょうか。
3.振られかけ、精神的に不安定になった後にやっと会えることになり、いそいそと向かったホテルへ着ていった服は…。
「尻軽女に見えるから穿くな」と詰られ、腹立てて男を突き飛ばした時の、あの皮のスカート。
今ここで仕返しするか? 女性としては理解不能です。
その後(この前?)混乱のあまり息子ひき殺しそうになるんだっけ。そういう弱い人のすることではない。ハーレクインロマンスみたいな小説を読みながら「ひたすら男の連絡を待っている」とはこれも古風すぎる。
<良かったところ>
1.女ごころはよく描けていると感心しました。ネットで検索した男の隣に居たのは妻? 髪形の似た女性を気にして目で追うところ、逢瀬の前にドレスを必死で顔に当てて顔映りを気にするところもだが、雪の降りしきるモスクワまで行くところが個人的には一番良かった。
2.実相を敢えて伝えない手法は観客にはよく伝わったと思う。
決して見る人を性的に興奮させるための映画ではない。
これは女性監督だからできる技かもしれない。
3.主演の2人の体は綺麗でした。やっぱりブヨブヨでは絵になりません。
美しさあり、醜さあり、終始溜め息
不倫の恋に溺れるシングルマザーが主人公です。
不倫の恋といっても、相手の男性には主人公への愛情や関心がほぼありません。
Passion simple(邦題 シンプルな情熱)という映画の作品タイトルのまま、シンプルです。
言い方を変えれば、〝そのこと〟ばかりです。
情事にひたすら溺れる男女。
性描写が多めの作品です。
主人公・エレーヌは、愛息との生活よりも年下の既婚男性との時間を待ち焦がれる日々。
母であることよりも女を優先します。
エレーヌに好意を寄せられる既婚者アレクサンドル。
容姿は申し分ないが、人でなし。
四六時中アレクサンドルを想い、彼都合での電話しか許されなくても、ただひたすらに連絡を待ち、急な連絡からの情事を重ねるというシチュエーションが序盤から終盤まで幾度も続きます。
エレーヌが彼に惹かれた理由などの描写があれば…少しの感情移入もできたかもしれませんが。
溜め息しか出ない。
不倫をテーマにした映画は多いですが、ある意味、初体験のジャンルでした。
中盤から、これはホラーではないかと…。
エレーヌが彼の名前をネット検索して、アレクサンドルの顔画像を見てるときに息子に見られてしまいます。
慌てふためくエレーヌですが、息子が去った後も再び画像を見て、拡大してアレクサンドルの口元に手を当てたときには、息子が居る家でよくできるな…と、気持ち悪さしかないシーンでした。
その結果、息子を学校に送ったときには、後ろにまだ息子が居ることを知らずに轢いてしまいそうになります。
女を優先した果てがこれかと、アレクサンドルよりもエレーヌへの怒りが上回りました。
不倫映画にただドキドキしたいママさんにはおすすめできません。
しかし、フランス・ベルギー合作の映画ですので、キャスト,衣装,街並み,食器類など全てがお洒落です。
個人的には、エレーヌ役のレティシア・ドッシュは、美人すぎてこの役は合っていない。
派手さのない地味な顔立ちの女優さんの方が凋落ぶりが目立っただろうし、作品としてのエロティシズムも際立ったことだろう。
美肌でスタイル抜群の女優さんでもあるので、アレクサンドル役のセルゲイ・ポルーニンと共に存在そのものが芸術でしかなく、不倫というテーマを超えてうっとりすらしてしまう。
結末は予想通りでもありましたが、女性に危うさがある状態のままなので、アレクサンドルとの関係が終わっても、こういう女性はまた同じタイプの人を引き寄せてしまうのだろう。
だとしたら、不倫とは精神崩壊というホラーでしかない。
エレーヌに警告を発していたのは、
友人よりも、自分自身よりも、美容室で隣り合わせた女性客だったのかも知れない…。
全然すっきりとせず、脱力感で映画館を後にしました。
フランス映画は、最近だと『MISS ミス・フランスになりたい!』はよかったです。
情熱的
多分、感性の違いかな~。あんまり心揺さぶれられなかった。
女性の人生の開放に切り込んだ作品!みたいな説明書きを鑑賞前に見てしまったからだろうか。「尻軽でいい」と強がりを言いながら、ただ一人の男性を待ち続ける主人公。
若い男性に求められて舞い上がる気持ちも分かる。先の無い関係だと頭で割り切ってても、心で割り切れないのも分かる。
でも、要所要所で差し込まれるセックスシーンでモヤっとする。
いや、分からなくは無いんだけど!!!
二人とも美しい肢体の持ち主だしね。いやらしさだけではない、いつ関係が壊れるとも限らない儚さも感じとれるけど、、、うーーん。
結局は、”彼”と奥さんの事についてガンガン聞いていくし、”彼”に依存しすぎて職場に電話するようになるし、連絡取れなくなった後はめちゃくちゃ病んでるし。これが人生の開放か?!!って思っちゃった。ただ、主人公の友人が「普段フェミニストを気取ってたって、好きな男の前では可愛くあろうとする。(うろ覚え)」みたいな事言ってて、恋愛上の気持ちって日本も海外もあまり変わらないのかなと思えた。
理解できる部分もあったし、最後はキレイにお別れしたのは良いと思うけど、なんだかなぁ~という気持ちしか沸かない作品。
シンプルに情けない熱
主人公のエレーヌは大学の講師を勤めているシングルマザー。
知人とロシア人と日本人の恋愛映画を観た際に恋に恋する恋心に火が着きロシア大使館で護衛任務として働くアレクサンドルに恋する。
アレクサンドルは既婚者であり、エレーヌは育ち盛りな息子もいる。その危険な状況にもスリルを楽しむかのようにどんどん不倫愛に没頭していくエレーヌの姿を終始描いた作品である。
この作品の驚くのはこれでもかというくらいエレーヌとアレクサンドルのセックスシーンが映し出される。この辺りは性の美なんかも描いてるのかな。個人的にはそういった感性が乏しい為ちょっと理解は追いつかなかった。
序盤はさすがに驚くシーンもあったがここまでずっと描かれると中盤からは慣れてくる。
そして後半はしつこさを感じ、息子の育児を放ったらかしにしてまで、そして24時間彼のことが夢中で息子を車で轢きそうになったりと、恋愛、セックスに溺れるエレーヌに苛立ちを覚える。
いくつになってもどんな状況に置かれても恋をする事、恋に対する情熱は素晴らしい事であり美しい事である。
ただエレーヌのようにする恋する過程を大きく間違えるとそれは情熱では無く情けない熱にしか見えなくなってしまう。
まぁこれは恋愛に限らず情熱を注いで没頭した事が冷静になって振り返ると無駄に思える経験は大なり小なり誰しもが経験はあるんじゃないかな。
そういう無駄に思えてしまう場合はきまって情熱の注ぎ方の過程が悪かったりする。
エレーヌの様に何かを犠牲にしてまで、ましてや大切な人(息子)を犠牲にしてまで情熱を注ぐ過程はやはり過ちを感じざるを得なかった。
そんな過ちと情熱の注ぎ方の境界線を彷徨う彼女の姿を楽しむ作品であった。
結局立ち直るチャンスはあっても最後まで彼を忘れる事のできなかったエレーヌはこの先幸せになれるのか…最後まで彼女の境界線に生きる姿が描かれていて興味深かった。
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