「【”オンリー・ユー”仏蘭西女性が露西亜男性との恋に溺れる日々を赤裸々に描く。それにしても仏蘭西現代文学を代表するアニー・エルノー氏は恋多き、情熱的で、自分の心に素直な女性なんだね。】」シンプルな情熱 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”オンリー・ユー”仏蘭西女性が露西亜男性との恋に溺れる日々を赤裸々に描く。それにしても仏蘭西現代文学を代表するアニー・エルノー氏は恋多き、情熱的で、自分の心に素直な女性なんだね。】
ー 今作は、仏蘭西現代文学を代表するアニー・エルノー自身の実体験を描いたベストセラー小説が原作だそうである。少し前に観た「あのこと」も同様である。
仏蘭西の性に対する可なり寛容な考え方に民族性の違いを感じる。(と思ったら、昨年ノーベル文学賞を受賞したんだよねえ、凄いなあ。)-
■大学教授のエレーヌ(レティシア・ドッシュ:”若い女”以来かな。)は、ロシア大使館に勤める年下で妻帯者のアレクサンドル(セルゲイ・ポルーニン)と恋に落ちる。
逢瀬を重ねるたびに、彼との抱擁がもたらす陶酔にのめり込んでいくエレーヌ。
彼女は気まぐれなアレクサンドルからの電話をひたすら待ち続ける日々を送っていたが、徐々に生活や体調に不調を来す。
息子を車で轢きかけたり、大学の講義も身が入らない。
◆感想
・5-6割程度が二人のセックスシーンである。
ー R18+も納得である。但し、猥雑感は一切ない。-
・印象的なのは、アレクサンドルを演じたセルゲイ・ポルーニンの引き締まった身体である。
ご存じの通り、ロシア出身の天才、且つ異端のバレー・ダンサーであり、近年は映画にも多数、出演している。
彼の身体全体を覆うタトゥは本物である。
「ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣」という彼のドキュメンタリーを鑑賞すると、彼のバレーを踊る中での飛翔の高さに驚愕する筈である。
■エレーヌが、アレクサンドルの魅力に嵌り、情緒不安定になり待ち行く男を”アレクサンドル!”と言いながら追う姿が印象的である。
恋に嵌るというのは、あのような心理になるのだろうか・・。
(経験なし・・。嘘である。昔、何度かあった。)
<アレクサンドルが八ヵ月、ロシアに帰っていた際にエレーヌは通常の生活に戻る。そして、彼が久しぶりに戻ってきた時に、且つての彼への情熱が消えている事に気付くのである。恋の熱病なのだろうか。
それにしても、仏蘭西現代文学を代表するアニー・エルノー自身の性的実体験を描いた小説が高く評価されている仏蘭西の性文化の許容度には驚く・・、と思ったら昨年、ノーベル文学賞を受賞したんだよねえ。凄いなあ。
日本で言えば、故、瀬戸内寂聴さんのようなパッションを持った方なのかなあ・・。>