劇場公開日 2021年7月2日

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「ひとつになりたいと願うのは女の本質なんだろう。」シンプルな情熱 はるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ひとつになりたいと願うのは女の本質なんだろう。

2021年8月3日
PCから投稿

性愛に溺れるのは決して悪いことではないし、のめり込むほどに感じとれる愛もある。
結婚もして思春期の男の子もあって大学で教鞭を揮う中年女性。平穏に暮らそうと思えばそれはそれで十二分に幸せなのだが・・・しかし、残念ながらそううまく納めてくれないのが人生なのだ。
恋してしまったのだ。ファーストシーンからありふれたセックスシーンで始まって、終始男が主導権を握るままのこのシーンに男の身勝手さが鼻に付いてしまった。相手の感じる様子が自らの快感に投影できていないような気がしたからだ。早い話が思いやりが足りないのだ。しかし、女の感性は分からないものだ。女の方はそんなスタイルが感性に合っているようだ。身体の相性が良いということは恋するものにとっては最も大切なことだからだ。いつでもどこでも欲情できてしまうのは人間に与えられた特殊な能力だし、とても重いマンホールのふたでふたしまって仕合せをとりこぼすよりずーといいに決まっている。そんな真っ正直で素直な気分で過ごせる相手と巡り合えるのは奇跡なのだからだ。相手の男の性格の悪さなどお構いなしにこの映画は無防備に作られていて女にとって性愛がいかに貴重なものであるかを描いている。
男も女も恋すれば、生々しくひとつになりたいと願うのだ。
そう、「あなたの身体のなかに入ってしまいたい!」と叫んでしまう。
しかし、そんな相手はそう簡単に巡り合えない。

はる