「性的ファンタジーを散りばめた映像と若干の疑問(これでR18なのか?)」シンプルな情熱 Eiga_Graceさんの映画レビュー(感想・評価)
性的ファンタジーを散りばめた映像と若干の疑問(これでR18なのか?)
私の住む地域では8月上旬で終映とのこと、一応見に行っておこうと思い出かけました。
コロナ禍真っ只中のため、席数約110席だが観客は男女数名。
<気になったところ>
1.性愛の実相を伝える気はないようだが、だから?という疑問が沸いた。
俳優の全裸が2度ほど見えたが、欲望に振り回されている男の姿とは到底思えない。
これからスーパー銭湯へ入ろうとする客のようであった。そんな訳ない。
リアリティを追求する演技を俳優さんに求めるとしたら酷ですし、だったら映さないほうが。。。
女性もまるで子宮がん健診を受ける前のような下着の取り方。リアリティがなさすぎる。
その他セックスシーンの様々もわざとそういう撮り方をしたんだと解釈したが、寄りで撮る必要 があるのだろうか。人間そのものの人物像をもっとクローズアップしてもらいたかった。。
女性がいかに閉塞感あるしんどい前半生を送っていたのか、そのエピソードが少し弱かった。
2.フランス人のロシアファンタジー(神秘的で東洋的な、アジアかヨーロッパか分らない国)を強調するのはいいと思う。
しかし、全身の刺青について女が聞いても曖昧な返事しかできない。
ブリヤート族の唐突な話も脈絡が分からず、なんだか頭の悪さを感じる。
ストーリーの最後にヒロインは「彼によって世界が変わった。2つのものが1つになれることが分かった。彼に感謝」と独白していたが、
大学教員のインテリが、嫁が怖いのか体に飽きたのか、遠ざかって行った脳筋SPに感謝する必要はないんじゃないでしょうか。
3.振られかけ、精神的に不安定になった後にやっと会えることになり、いそいそと向かったホテルへ着ていった服は…。
「尻軽女に見えるから穿くな」と詰られ、腹立てて男を突き飛ばした時の、あの皮のスカート。
今ここで仕返しするか? 女性としては理解不能です。
その後(この前?)混乱のあまり息子ひき殺しそうになるんだっけ。そういう弱い人のすることではない。ハーレクインロマンスみたいな小説を読みながら「ひたすら男の連絡を待っている」とはこれも古風すぎる。
<良かったところ>
1.女ごころはよく描けていると感心しました。ネットで検索した男の隣に居たのは妻? 髪形の似た女性を気にして目で追うところ、逢瀬の前にドレスを必死で顔に当てて顔映りを気にするところもだが、雪の降りしきるモスクワまで行くところが個人的には一番良かった。
2.実相を敢えて伝えない手法は観客にはよく伝わったと思う。
決して見る人を性的に興奮させるための映画ではない。
これは女性監督だからできる技かもしれない。
3.主演の2人の体は綺麗でした。やっぱりブヨブヨでは絵になりません。