アナザーラウンドのレビュー・感想・評価
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人生に乾杯!
お酒は好き?
好き。
毎日飲む呑兵衛ではないけど、仕事終わって夜ご飯に飲みたい時は飲むし、友人らとの飲み会はやっぱり楽しい。
飲む量は適度に抑えて飲んでいる。好きなのは、缶チューハイ1~2杯か、梅酒1~2杯か、生ビール1~2杯。その時の気分に応じて。
まあ勿論、二日酔いになったり、リバースしたり、過剰な飲食が原因で身体を壊した事もあったけど、適度に飲めばウキウキ楽しいし、いい気分。
お酒は飲んでも飲まれるな。
さて本作は、そんなお酒に纏わるユニークなデンマーク映画。
昨年度のアカデミー国際長編映画賞受賞作。
(この場を借りてだけど、『ドライブ・マイ・カー』、本年度アカデミー国際長編映画賞受賞、おめでとうございます!!)
冴えない高校教師のマーティン。授業内容はつまらなく生徒から不人気で、保護者からも槍玉にあげられるほど。
家庭でも妻子とすれ違い。
これらを改善出来る何かいい方法はないものか…?
ある時、友人らとの飲み会で面白い話を聞く。
それを友人らと実験。…いや、“実飲”。
ノルウェー人哲学者の理論で、
“血中アルコール濃度を常に0.05%に保てば、仕事の効率が上がり、人生が楽しくなる”。
…って、本当??
要は、ほろ酔い気分のまま仕事するって事でしょ…?
私の職場じゃ絶対NG。必ずアルコールチェックをするので。反応あれば、その日の業務は出来ない。強制的に。
と言うか、全ての仕事が基本そうだけど。
0.05%というのは劇中の説明では、ワイングラス1~2杯。でも、お酒の種類(アルコール度数)によっては当てにならないと思うけど…。
しらふで仕事なんかやってられるか!…とよく言うけれど。(言うか…?)
一応ルールは決めて。飲むのは仕事中だけ。18時以降と週末は飲まない。
でもねぇ…。
しかし、実際やってみたら、あら不思議!
つまらなかったマーティンの授業が、ほろ酔いのお陰か面白く評判となり、人気に。
家族との関係も円滑良好に。
活気や活力が出て、お酒様々!
嘘みたいに実験成功。
監督トマス・ヴィンターベアは、世界の歴史で酔った人が偉大な功績を残した事実に興味があり、本作の起点になったという。
人とお酒の仲は大昔から。言わばお酒は、人の運気を上向きにする友。
…でも、いい事ばかりじゃない。その“友”に溺れてしまったら…?
アル中。
いつぞや日本の大臣が世界が見る中で、へべれけ醜態を晒した事あったっけ。
飲酒運転が起こす悲しい事故。
お酒の飲み過ぎで、自分の身も心も、周囲も崩壊させる。
お酒を飲む人なら誰だって分かる筈。
お酒を飲み過ぎると、ついもっと飲んでしまう。
実験は成功。すると、ついついお酒の量が増えていってしまう。
歯止めが効かなくなる。0.05%までだったのが、いつの間にか0.1%を超え、さらに…。
目に見えて酔った状態。ふらふら、呂律も回らない。
校内で酒瓶が見つかってしまう。
デンマークでは飲酒の年齢制限が無い故、学校で生徒たちの飲酒が問題視されているという。一昔前の不良ならまだしも、日本じゃ考えられん…。
生徒の飲酒とされたが、まさか飲んでたのが先生…!
過度の飲み過ぎが遂に家族にバレ、思わぬ事態に…。
飲酒で上向きだった仕事や人生が一転、下り坂に…。
お酒は人の“友”ではなく、人を惑わす“麻薬”…?
名作『偽りなき者』のヴィンターベア監督と主演マッツ・ミケルセンの再タッグ。クオリティーはお墨付き。
ユーモア、シリアス、悲哀、しみじみを織り交ぜて、風変わりな題材や登場人物らの悲喜こもごもを見つめたヴィンターベア監督の演出が絶妙。
抑えた演技に“酔いどれ演技”…ミケルセンの名演も言うまでもない。お酒を飲む姿や仕草だけでも絵になる。
失敗事を、お酒のせいにすればいい…と何かで聞いた事があるが、そうは思わない。
お酒を飲むのは、自分自身。
失敗も成功も、自分の責任、自分の賜物。
本作は何も、お酒を飲み過ぎちゃった中年愚者たちの哀れさを咎めたものではない。
監督は、お酒云々ではなく、人生を前向きに生き生きと過ごす事がどんなに素敵な事かを描きたかったという。
ラストのダンスはその表れ。人生に喜びを見出だして。(元プロダンサーというミケルセンの華麗なステップにも注目!)
撮影中に不幸に見舞われた監督の心情も込められている気がした。
ミケルセンの娘役で監督の実娘が出演する筈だったが、交通事故で死去。
どんな気持ちだったろう。本当は撮影など手にも付かないほどだろう。
が、気心知れた盟友たちの支えで、作品を作り上げた。
何かを失っても、穴を埋めてくれる何かが人生には必ずある。
人生には様々な味のお酒がある。失敗、悲しみ…苦い味。成功、喜び…この上ない美酒。
それらへ込めた人生讃歌。
人生に乾杯!
どこの国も酔っ払いに甘い
高校教師が授業に行き詰まり、ある論文をもとに、常に血中アルコールを0.05%に保つことにする。
授業が面白くなり、生徒の評判も良くなり、更にアルコール濃度を上げることに。
そのうちアル中になるのが怖くなり・・・。
アルコールと麻薬はどう違うのだろう。
酒は飲んでも、呑まれちゃダメよ
お酒を飲むことで、力と気力がみなぎるかどうか」同僚と実証し合う。
最初はどれだけ、と決めていたのに。だんだん上限がなくなっていき。
その末路やいかに、という。
「ヘミングウェイは、夜8時以降と週末は飲まなかった」
「チャーチルは、“朝食前には飲まなかった」云々。
屁理屈三昧。でそれを真似する=仕事中に飲む・・・。
もう開いた口が塞がらない。むしろ「どうやらかす」か目が離せなかった。
WOWOW座・小山薫堂さん曰く「酔っ払ってくれる仲間がいたんだね」。
同僚との酒をめぐる友情みたいなものは、全編にありました。
私お酒は好きじゃない、飲めないわけじゃないんです。飲まないだけ。
ワープの中にいるような感覚のまま、食事の後片付けするのが嫌だし。
第一、空き缶・空き瓶誰が始末するんですかという←そこw。
「最近ちょっと家呑みしすぎちゃってるんだよねえ」な方。
この作品で学んでください。多分減らせられるかと。
#16 デンマーク映画は劇場で観たい
ただの個人的趣味と思うけど、本作は映画館で見逃してて、3月にはWOWOWで放送されるから、その前に絶対映画館で観たかったんですよ〜。
結果、多分テレビだったら観なかったかもしれないけど、やっぱデンマーク映画は独特で良いですね。
もちろん主演のマッツ・ミケルセンあっての日本公開だと思うけど、酒好きで酒の効能が語られているところは若干嬉しい。
でも飲み過ぎは絶対身体に良いわけないからこの落ち。
この落ちがデンマークっぽい。
映画館じゃないとこのこの感じ、味わえないでしょ。
ウチのテレビじゃ無理でしょ。
スケールとか音声とか関係なく、映画に集中できる映画館で観て欲しい作品。
お酒はほどほどに💃
素敵な4人組だった。
4人がお酒をのみ、話をして、踊って、子どものようにはしゃいでいる姿がなんだか素敵だった。
世界各国の"偉い人"が飲酒をしている様子・酔っ払っている描写がなんか笑えた。
実験をしている時、部屋で音楽をかけながらみんなで踊っている描写は見ている自分まで楽しくなってきたし、思わずお酒を飲みたくなった。
やはりお酒は飲みすぎると良くない、気を付けないと家族も友達も命も失うことになる可能性がある。(お酒自体はなんにも悪くない)
個人的に「世の中は期待通りにならない」「失敗したら、自分の不完全さを認めること」「小さなことが大きな違いを生む」「待つことに耐えられなかった」「誰が何と言おうと人生は最高」という言葉は響いた。
しょぼさの色香
タイトルなし(ネタバレ)
国民の意識の違いもあるのかなあ。
デンマークの国民性
アルコールによる良い面と悪い面、それぞれユーモアを交えながら描き、
主人公の心の葛藤も含めて
アルコールによる
人間の本質と
中年男は必見?
アナザーラウンドって、飲み屋で「もう一杯!」という意味らしく、今度海外旅行に行ったら使ってみよう。いつのことになるか知らんけれど…
うだつの上がらない高校教師が酒の力を借りて生徒の支持も得て上手くいきだすが、もっと酒の血中濃度を上げたらどうなる?
そりゃ上手く行かないよねて感じなんだけれど、マッツ・ミケルセンのダンスが素晴らしいハッピーエンドがよくて、人生色々あるけれど、前向きに生きていくって大切だよなと元気をもらいました。
最後に説明があって知ったのですが、デンマークでは16歳から飲酒が認められているそうで、劇中にも呑んだくれが多いというセリフがあったから、アル中も多そうだけれど、飲んだら乗るな、酒は飲んでものまれるなを守って、上手に付き合っていきたいものですね。あー、酒が飲みたくなってきたなぁ。
北欧の至宝に酔う
酒飲みの言い訳が万国共通だと言うことが良く分かる一作。
マッツ・ミケルセンが「全く華のない」中年男性を演じた本作。酒飲みの言い訳は洋の東西を問わず同じ、ということを実感させてくれます。
しがない中年教師達が、「血中アルコール濃度を0.05%に保つと仕事もプライベートもうまくいく」という(かなり都合の良い)論理にすがって、実験(単なる職場飲酒)してみよう、となるのだが…、というあらすじから大体想像が付くような展開に。
ジャンルとしては「コメディ」とのことで、確かに単なる飲酒を、まるで科学的検証であるかのように言い合っているところは笑えるんだけど、飲酒の歯止めのきかなさ、そしてそれによって崩壊していく人間関係…、といったところまで至ると、もはや笑っていられなくなります。とはいえ終盤までは、大きな起伏もなく、笑いといたたまれなさを織り交ぜた人間関係が丁寧に描かれていきます。
終盤、ある事件が物語に大きな波紋を作り出し、そこで描かれる人間模様は感動的な部分もあるんだけど、これまでの経緯を考えると、これを「いい話」にして良いのか…、と、この部分だけちょっとひっかかりました。
インテリアはもちろん、食事も「ザ・北欧風」で、をお伴に舌鼓を打つ様子を見ていると、作品のメッセージとはまるで逆に、一杯引っかけたくなります。論文執筆に使うワープロソフトも、黒バックに白文字のみ、というこちらもみごとなミニマリストデザイン。使ってみたい…。
お酒は適量を
ほろ苦く 爽やかな余韻
アナザーラウンド 原題「Druk」
どういう意味か分からない。映画の内容と合っているか分からないけど、あまり良いタイトルではない気がする。もっと 他に気の利いたタイトルは無かったのだろうか?
先日 人生初のデンマーク映画「わたしの叔父さん」を観てたが、偶然にもまた同じデンマーク映画を観る機会を得た。
先ず、感じたのは、
これぞ、外国映画を観るって こういう文化的?価値観を知る事だ!ということ。
高校教師4人が、ある論文の検証をしようとするのだが、多分日本人には到底考えられない(笑)行動だろう。
立場が立場だし、飲酒して授業するなんて!!
しかも、デンマークでは16歳から飲酒(買うことも)認められているとは‼️
でも、そんな彼等が、飲酒に拠って、一時的にでも…精神的に軽やかに明るくなって生徒達にとって魅力ある先生になって行く姿は 頼もしく楽しかった。
でも…そんなには上手く事は済まされないのだ。
失敗も…悲しみも…当然起きて来る。
でも…彼等は飲む事を辞めない!
デンマーク人は酔っ払いばかりと主人公の妻が言う 通りなんだろう。
この映画のテーマは なんだろう?よく分からないけど、ある意味カルチャーショック(笑)が 面白かった。
今年の米アカデミー賞の外国映画賞受賞作品。
日本人では考えられない内容だったし、日本の社会では、もしかして悪影響?を心配する(笑)方々がいて、広くは公開しにくいだろう。けど、知らない世界を観たような興味深い映画だった。
チャーミングで哀しく、でも…愛しき酔っ払い達よ!ほろ苦く、爽やかな香りがする、そんな映画だった…
デンマーク…もっと知りたくなった。
飲兵衛の生態
アルコールで仕事の能率を上げるという無謀な実験に挑んだ教師達が辿り着く景色がグッとくるデンマーク産トラジコメディ
高校で世界史を教えているマーティンは授業がつまらなすぎると受験が迫っている生徒達と保護者がクレームを受けてボコ凹み。マーティンと同じようなモヤモヤを抱えた3人の同僚はノルウェーの哲学者スコルドゥールが提唱している「血中のアルコール濃度を0.05%に保つと想像力が向上し仕事の能率が上がる」という説を自分達で実践することに。そうするとたちまち生徒達との関係も改善しどんどん仕事が楽しくなってくるが、当然ながらその実験は次第にエスカレートしていって・・・。
冒頭でさりげなく触れられている高校生までが手軽に飲酒できるデンマークのお国柄にまずはビックリしましたが、アルコールの摂取によってどんどんハメを外していく様は万国共通のもの、その目も当てられない悲惨さは自分も星の数ほど見てきた光景ですが、この映画のすごいところはたいていの酔っぱらい映画が描いてきた結末とは全く次元の異なるものを提示していること。アンデルセン作詞の『デンマークに生まれて』がグサッと胸に突き刺さる、これには下戸の私もグッときました。
オサケ好きには感じるものが必ずある
デンマーク愛
アカデミー賞の、授賞式でトマスビンターベア監督が話したスピーチがとても印象に残っており、公開されたら必ず観に行こうと決めていました。
公開期間にタイミングが合わなかったのですが、たまたま期間限定で上映されている映画館があったこともあり、無事スクリーンで見ることがでしました。
作品はドキュメンタリーのようなデンマークの日常を切り取った内容で、アクション系など刺激を求める方には物足りない所もあったのかなと思います。
しかし、平凡な教師を演じるマッツと、その教師仲間達の血中濃度を検証する実験は、見ているうちにどんどん惹き付けられるものがありました。
何気ない毎日の中で誰しもが抱える葛藤や悩み、その中で懸命に生きている人々。まさに人生とは、生きるとは?を考えさせられる作品でした。
リアルな日常を陰影効果を使いながら写し出している所や、登場人物の内面を表しているような音楽(ピアノ)の使い方が絶妙だと感じました。
そして、ラストのマッツのダンスにはこの作品に関わったすべての人とデンマークへの愛がとても感じられました。
母国を愛する力が一つの作品になり、明日への活力になる。当たり前だと思っていたことが制限され、新しい生活が求められる世の中だからこそ、何気ない日常へ目を向ける機会をもたらしてくれた、そんな映画だと実感しました。
ラストだけ最高だった(他はまあまあ面白い)
よく考えたらかなり笑えて、説得力のある映画だと思う。ザ・中年の危機といった感じの主人公が序盤で自己憐憫から涙を流すシーンが可笑しかったし、酔って顔面にケガして路上で寝て発見されるシーンも笑ってしまった。子どもでも飲酒するデンマーク社会を自嘲している印象も受けた。一方で、アルコール依存症の切実な描写もあり、ズドンと突き落とされたかと思うと、かっこ悪いけど大切な友達という存在に後押しされて、夫婦の危機を克服したり、若き心を解放してモダンジャズで踊り狂ったり…地味でしみったれた人間模様だけどなんとも普遍的な物語に思えた。
大人の男達の実験
体内の血中アルコール濃度を常に0.05%に保つと仕事などの効率が良くなるという論文があると、友人の誕生日を祝う飲み会でその仲間内の一人が言い出し、仕事や家庭内でなかなかうまくいってなかった主人公が、活路を見出すためにそれに取り組むことを決意して物語は進んでいきました。
最初はなかなかいい結果が出ていたのですが、次第にアルコールの摂取量が増えていくと思わぬ方向に行ってしまい…
デンマークでは16歳からお酒が飲めるというのは知りませんでした。主人公の妻が劇中で言うように、デンマークの多くの人たちは呑兵衛が多いとのことで、客観的に見ている限りは適度に楽しむ分には楽しそうだなと思いました。
キルケゴールの言葉が引用されたりしてましたが、失敗した後にいかにそれに向き合って再び進んでいくのかがとても重要なんだなとこの映画を見ていて思いました。実験しつつ、失敗したらそれを振り返って学んで、新たに歩んでいく。
今までデンマークの映画はあまり見たことはありませんでしたが、国の慣習や文化、法律の制度の違いなど新しいことを学べてとても面白かったです。また、主人公の家の中や家の周囲の景色などが美しくて良いなぁと思いました。
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