Summer of 85のレビュー・感想・評価
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しっくりこないけど
いくら思春期とはいえ、あんなに突然、男が男を好きになるものだろうか?
ダヴィドの母親の言動や態度もいちいち腑に落ちない
特に息子が亡くなってからの残酷さは異様
よりによってあんな誓いを好きな相手に立てさせる意味は?
狂おしいまでに相手を好きになるということの
脆さ・怖さ・儚さ・危うさ・美しさ・切なさ・醜さ・未熟さ・純粋さ・嫉妬・狂気・残酷さ・ドキドキ・幸せ・そして輝きetc
全てが詰まった甘酸っぱい青春ラブストーリーです
特に挿入歌が心に残ります
そしてそのSailingの曲に合わせて墓で踊るダンスシーンは圧巻!! 格好良過ぎる
観たかった度◎鑑賞後の満足度◎ この歳(62歳)になるとアレクシの想いもダビットの気持ちもよくわかる。だから余計切ない。“Sailing”にこんなにも心を揺さぶられるとは。感涙😢
①よく練られて描き込まれた脚本。その脚本を計算された技法と映像で立体化させる中に、初恋の甘さと危うさ、青春の持つ爽快さと危うさとを滲ませる演出。映画の中で生きる少年・若者達。巧みな編集と映像に寄り添い高揚させる音楽・曲。これらが渾然一体となって映画による詩とも言えるものを作り上げている。
②常識的には確かに冒涜と捉えられても仕方はないけれども、アレクシがRod Stewartの“Sailing”にあわせてダビットの墓の上で狂ったように踊るシーンは瞼の裏に焼き付いて離れない名シーン。
ジョナスを思い出した
こんなにハンサムで自信満々で向こう見ずな年上のお兄さんに誘われたら、そりゃひと夏の恋も盛り上がるわ。しかも関係が中途半端なところで終わり、そのまま死なれてしまったから、残された方はやるせない空しい気持ちでいっぱいになる。未練タラタラどころではない。
この主人公のえらいところは、墓の上でダンス という誓いを実行することで理想の恋人ダヴィドとの恋に自分なりのピリオドを打ち、ダヴィドのいない人生と向き合う決意をしたこと。そのために何度も吐いたり眠れない夜を過ごしたりと辛い思いもしたが、自暴自棄のあまりにケイトや先生など周りの人間たちとの関係性を投げ出したりもせずに、最後までひたむきであり続けた。
そのためエンディングも前向きで明るく、爽やかな余韻まである。
また主人公は、思春期にありがちな死への憧れを持ってきたが、きっとそれももうなくなったと思う。父親の死を経験したダヴィドが、主人公に諭したように。
ちなみに…
ジョナスというフランス映画があって、同じようにハンサムで自信満々で向こう見ずな年上のお兄さんとの短い恋の挙句に死なれてしまう話なのだけど、こちらの主人公は10年以上経っても彼を忘れられず、大人になってからも存在しないはずの理想の恋人を求めて苦しみ続ける。その様子が本当に苦しくて空しくて、あまりの喪失感と絶望感の大きさに圧倒される。
どちらが良い悪いではないけれど、本作品の鑑賞中どうしてもジョナスと対比せずにいられなかったのです。
とにかく文学的
夫婦で見ました。
演技、音楽、脚本、ハイクオリティな作品でした。
映像は特に印象に残ったシーンはなかったかなぁという感じです。
デビッドはきっと深い関係になり過ぎることを恐れて、相手を突き放すことを言ってしまったんだと思いました。キャラクター的なところあるかもしれません。だからこそ泣いていたしバイクで追いかけたんだろうと。
終わり方としては、最後の最後に軽くなっちゃったなぁと思いました。
刹那的だからこそ
恋も命も一瞬だからこそ愛しく切ない。仮に人の寿命が1000歳になったとしたら、今よりも人生を深く考えますかね?私は考えなくなると思います。
本作はアレックスの初恋の話ではなく、ダヴィドとアレックスの初恋の話なのだと思いました。ダヴィドは恋の儚さ、刹那の恐怖から、アレックスに対して挑発的な態度を取ったのでしょう。
そうでなければ、ダヴィドはアレックスとの言い争いの時に涙なんか流さないですし、バイクで無茶な運転はしません。アレックスを失うのが怖くて愛しすぎたのかなと思いました。
命の儚さと恋の儚さが、オゾンらしく情緒豊かに美しく描かれています。
サガンやグァダニーノ好きなら好きかもしれないです。
久しぶりのオゾン満喫。
映画タイトルやエンドクレジットのオレンジ色に真夏の海のカクテルブルー。80年代ファッションや音楽。最後まで楽しめました。
一夏の恋、嫉妬、失恋して大泣き、、。ディスコ的なところで踊り狂う中、ウォークマンから静かに流れるロッドスチュアートのシーンは、最高。若さ、っていいな、と思って、静かに涙がこぼれました。
ダヴィドのママにパンツ下ろされるウサギちゃん、アレックスの女装、墓の上で踊るヘンテコダンス、切ないのにクスッと笑える場面も良かったです。
飽きたんだ。
ついていけないなぁとゆう感情に、恋愛映画で久々になりました。
燃えるようなスピードでダヴィデを愛した主人公の壮絶な喪失感はすごく共感できたし、いかに彼を愛していたかがよく見えました。にもかかわらず、小説にすることで軽くなって、彼との思い出は過去にして、新しい男の元へ行くってゆう明るい終わり方に、????となってしまった。
恋愛ってそんなものなのかもしれないから、この描き方が下手とかそうゆう風に捉えたわけではありませんが、わたしには理解が追いつきませんでした、、
一方で喧嘩のシーンは辛いくらい刺さりました。特に飽きた、楽しくなくなった、のセリフが胸に刺さりすぎて、初めて映画館で傷つきました、、笑笑
恋愛へのベクトルが変わってしまってこうなるのは至極当たり前のことなんだろうなと思うと、恋愛には絶望感しか抱けないし、主人公のダヴィデへの想いが単なる理想だったんだとしたら、恋愛ってなんなんでしょうかという気持ちで映画館を出ました、、
6週間もあれば、人生変わる!!!
アレックスが転覆してしまい、そこに救世主ダヴィッド登場。そんな九死に一生を得た的な所から
ダヴィドはビショ濡れのアレックスを自宅に招く。
そこから2人の物語が始まっていく。
ダヴィッドのママがアレックスの服を脱がせるシーン。
そんな馬鹿な………。はさておき。
どんどん惹かれ合う2人。
触れ合っていても不安を拭えない、虚しさが残るアレックス。それは好き過ぎるがゆえの感情何だと思う。
そして、ケイトとダヴィドの関係を知り
心乱れるアレックスとダヴィド。そんな時に冷静になれる程大人ではない。大人でも狼狽する。
ダヴィドはアレックスの想いが重いと言う。束縛しないでくれ!!と言う。
そして、アレックスに飽きたと言う!!
このシーン胸か苦しかった。
そしてお店を飛び出すアレックス。
それを追いかけるダヴィド。
そしてダヴィドは事故にあってしまう。
↑
追いかけると書いたか、追いかけたのかは分からない。
空想です。
16歳の夏。
人生が変わった夏………。
今日も素晴らしい作品に出会えて感謝致します。
1985年、夏のフランス、海に近い小さなとある町。 2年前にこの地...
1985年、夏のフランス、海に近い小さなとある町。
2年前にこの地に引っ越してきて両親と暮らす16歳の少年アレックス(フェリックス・ルフェーヴル)。
ある日、友人の小型ヨットを借りて沖に出た彼は、天候の急変で転覆してしまう。
幸い、近くを通りかかった18歳の少年ダヴィド(バンジャマン・ヴォワザン)のヨットに救助され、ふたりはその後意気投合し、やがてその関係は友情を越えたものになっていく・・・
といったところからはじまる物語で、フランソワ・オゾン監督によるストレートなボーイズラヴもの。
青春の儚い日々をいつくしむように全編フィルム撮りされた映像は瑞々しい。
80年代という空気感を表現するのに、このフィルム撮りは必須だったでしょう。
アレックスにとっては「初恋」と呼ぶにふさわしい、ダヴィドへの想い。
しかし、自由人であるダヴィドはアレックスだけでは飽き足らず、英国からやって来た21歳の女性ケイト(フィリッピーヌ・ヴェルジュ)とも関係をもってしまう。
「きみだけでは物足りない、そして、きみはぼくを束縛する、自由になりたかった」とダヴィドは言うが、本心のところでは、アレックスを試しているともいえる。
嫉妬に駆られたアレックスは激昂し、ダヴィドのもとを飛び出すが、バイクで後を追ったダヴィドはスピードの出しすぎで事故ってしまい、帰らぬ人となってしまう。
「どちらかが先に死んだら、残ったほうは、死んだほうの墓の上で踊ろう」との誓いどおり、アレックスは実行に移すが、その想いは周囲のひとびとには通じない・・・
1985年という時代は、周囲のひとびとは、アレックスの行為を常軌を逸したものと捉えており、まだまだ同性愛に対する理解は進んでいなかった。
そんな時代だった。
映画のラスト、アレックスは気を許せそうな新たな友をみつけるのだけれど、瑞々しい初恋がぶっ壊れたような感じで、個人的には余計な付け足しに感じられました。
このラストで大幅減点です。
アレックスを演じたフェリックス・ルフェーヴル、ダヴィドを演じたバンジャマン・ヴォワザン、どちらも意外と垢抜けない感じで、個人的にはいまひとつかなぁ。
海でヨットでバイクで最高なんだけど
フェリックス・ルフェーヴルかわいすぎ。80年代のお洋服似合いすぎ。恋のキラキラ感も最高。あと、男性同士にしろ女性同士にしろ、同性愛の映画だとなぜか性描写が克明(?)になりがちななか、そうではなかったところに好感を持った。
ただ、人ひとり死んだのに、“ひと夏の初恋が終わって少年は成長したのでした”的にまとめられてもなんか釈然としない。ケイトもかわいくて好きだけど、ゲイカップルの純愛ストーリーに(物語内の役割上)都合よく奉仕させられている感がある。BLの同人誌ならそれもアリだけど、商業映画にはもうちょっと丁寧な描写を求めたくなる。
綺麗すぎる数々のシーン。
16歳のアレックスがちょっとワルそうな匂いのするダヴィドと出会い初めての恋に落ちるが、突然事故でダヴィドを失ってしまい失意の中から再生する話。
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ストーリーは"あること"をして掴まってしまったアレックスが苦悩している現在と、過去のダヴィドとの甘い日々が混じりあって進んでいく。この過去のダヴィドとのシーンが綺麗すぎて笑っちゃうぐらい綺麗で、『君の名前で僕を呼んで』好きな人なら絶対好きだよ。
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でもこの綺麗すぎる描写は後にケイトが語るように、アレックスが初恋とダヴィドという存在を自分の中で美化しすぎてるから。なので、アレックスがダヴィドの死を受け入れなくて色々もがくシーンは急にコメディっぽくなる。
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ダヴィドが死んでから遺体安置所に女装して忍び込んで結局バレて逃げるシーンとか、アレックスがダヴィドの墓を掘り起こそうとして暴れて他の人(?)の墓石倒して逃走するシーンとかあれはさすがに笑っちゃうよ(笑)そりゃそんなことしてたら捕まるわ。
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でもこうやって恋をしてぐちゃぐちゃになって、もがきまくったこと全て含めて"あの夏"なんだろう。
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個人的にダヴィド、めちゃくちゃジェームズ・ディーンみを感じた。赤い服着てるし、事故死というところが。そうなるとアレックスはちょっとリヴァー・フェニックスっぽい。あの美しい顔と、下向き加減で苦悩してる感じ。
The cureがいいね。
ダビッドをあっさり失ったアレックスの言い表し難い感情表現の爆発が切ない。
ケイトと関係をもったダビッドを責め、ダビッドはダビッドで飽きた遊びと酷い言葉を浴びせ、本来ならそこから先も離れてくっついてを繰り返しながら別れるのか付き合うのかになるのだと思う。でも、その一度の争いで、二度会えなくなる。そりゃ、未練残りますよ。
追記
ダビットとアレックスの言い争いの場面、なぜダビットが涙を流していたのかが引っかかる。彼は手に入れた大好きな物(人)が無くなる(いなくなる)のが怖いんじゃないのかなぁと感じました(ベターだけど)。
男同士の恋愛だからこそ成立する、文学的な含蓄のある一本。
1985年のフランス🇫🇷を舞台に、16歳の少年アレックスが経験する初恋を描いたボーイズラブ・ストーリー。
監督/脚本は『スイミング・プール』『17歳』の、名匠フランソワ・オゾン。
ヘンタイ監督として名高いフランソワ・オゾン作品、初体験💕
オンライン試写会に当選したので、鑑賞致しました。
内容は正に「俺たちのイメージするフランス映画」という感じ。
因みに、『サマー・オブ・84』という非常に後味の悪いホラー映画がありましたが、それと本作は全くの無関係です。共通点は人が死ぬことくらい。
第一に、まず画面がオシャレ!
北フランスのリゾート地として有名なノルマンディー地方が物語の舞台。
こんなところで青春を送ってみたい!と思える、青い海と白い建物。
ボートでのクルージングが放課後の遊びって凄いなぁ〜🚤✨
ラストシーンの崖と砂浜がモネとかクールベの描いた「エトルタの断崖」ぽいな〜、と思って調べたらエトルタもノルマンディー地方だということが判明。
映画に出てきたのは「エトルタの断崖」で描かれている崖ではないと思うんだけど、やっぱり同じ風土だと崖一つとっても似てくるんだなあ、と思いました。
第二に、役者さんが耽美的で美しい🌹✨
主人公のアレックスと、彼と一夏の青春を送る青年のダヴィドは、監督自身がオーディションで選んだという若手俳優が演じている。
この2人が、まるで絵画から抜け出してきたかのような美しさでうっとり…☺️
いかにも80'sなワンピースを着て女装をしても、ギャグっぽくならないのは凄い。
この2人が全力でイチャイチャするんだから、お姉様方は堪らないでしょうね〜♪
第三に、物語の深みが凄い!
本作は、端的に言ってしまえば一夏の恋と喪失の物語。
もしこのお話の主人公が女性だったとしたら、非常に陳腐なメロドラマになっていただろう。
たったの6週間の恋。弄ばれていたことに気づき喧嘩、そして別れ。恋人の死により追い詰められる精神と、その絶望からの脱出。
まぁありがちなラブ・ストーリーですわ。
しかし、美少年同士の同性愛により発生するエクストリーム感が本作の見所!
「どちらかが死んだら、残された方はその墓の上で踊る」という狂気的な誓いが2人を結びつけている。
この他者には理解出来ない結びつきと、同性愛というマイノリティな関係。この2点が互いに絡み合い、物語を予期できない方向へと導いていくところに本作の面白さがある。
しかし、男も女も、さらにはオジサンまでいけちゃう、まるで範馬勇次郎のような性欲の化身ダヴィド。
どんな人間もたった1日でオトすというコミュ力は見習いたいものである。
上記三つのポイントが本作の見所だと思う。
しかし、散りばめられた伏線の巧みさも味わい深い。
死体安置所という言葉がさりげなく登場していたり、ダヴィドが冗談でおすすめしてきたワンピースが後半のキーアイテムになってきたり…。
アレックスに文学的な才能があると言う設定が、後半のナラティブセラピーの展開に自然と繋がっていくのも気持ち良い。
また、アレックスとダヴィドが対比的に描かれ続けている点も考察の余地がある。
自転車で疾走するアレックスには若さと生命力を感じるが、バイクで疾走するダヴィドには死の影が常に付き纏っているような感覚がある。
また2人とも裸で寝そべる描写があるが、アレックスはお風呂(ダヴィドのお母さんにオチンチンが立派だと指摘されている。性=生が強調されている。)、ダヴィドは遺体安置所の金属製のベッドとこちらも対象的。
この2人の対象的な描写の積み重ねが、物語後半の展開に説得力を持たせており、物語的な厚みを増している。
近しい人間の死を乗り越えることによる、少年の成長を描いた作品。
個人的にはBLにそれほど関心がないため、退屈に感じるところもあった。しかし映画全体から伝わる瑞々しさと作劇の巧みさは見事。
とりあえず、観賞後にロッド・スチュワートの「セイリング」を聴きたくなることは間違いない。
※以下、鑑賞中に気になった点。
①カリプソ
カリプソ=カリュプソーとはギリシア神話に出てくる海の女神。
オデッセイ(長い放浪、冒険)の語源となった、英雄オデュッセウス(ユリシーズ)と愛を育むが、オデュッセウスは彼女の元から去ってしまう。
『オデュッセイア』において、オデュッセウスはカリュプソーの住む島へ漂着する。
これは、転覆したアレックスを助けるダヴィドという形で、本作で描きなおされている。
つまりアレックス=オデュッセウス、ダヴィド=カリュプソーなのである。
これはアレックスがダヴィドの元から巣立ち、精神的な放浪の旅からやがては家路につくという物語全体の暗示になっている。
②フランスの学校制度
16歳のアレックスが、就職か進学かという進路に悩んでいるというのは、日本の学校制度で考えると違和感がある。
フランスでは6〜16歳までが義務教育。11〜15歳までが「コレージュ」という前期中等教育で、それを修了すると15〜18歳まで「リセ」という後期中等教育に進む。
アレックスはリセの2年生である。リセには「職業リセ」というものがありこちらは2年制。望むものはさらに2年追加の計4年で行われる。
つまり、アレックスは「職業リセ」に通っており、卒業するかさらに2年学校に通うか、迷っているというわけである。なるほどなるほど。
→と思ったけど、違うかも。16歳まで義務教育ということは、2年制だろうが3年制だろうが、1年間は義務教育で通わないといけないということか?
アレックスはリセの1年生で、義務教育が終わるからそのまま学校に残るか就職するかを選ばなくてはいけない、ということかも。
フランス🇫🇷の学校教育制度に詳しい方、情報をお待ちしています🙇♂️
タイトルなし
18歳とはいえすでに社会に出てるだけあって、遊び慣れてるダヴィド。
アレックスはウブな16歳の高校生。
ダヴィドに流されつつ始まった恋。そこから惹き起こされる出来事は、ひと夏の経験にしては衝撃が大きすぎたと思う。
当時のフランスの未成年はこんなにませてたのかと、自分の青春時代と比べつつ鑑賞。
あとダヴィドのお母さんが早く風呂入れと服を脱がせるシーンは何だったのかずっとひきずってます。
熱くて淡い6週間の夏
横浜アバック座にて試写会鑑賞。
予告で描かれてる通り18歳の主人公アレックスとダヴィドの85年のひと夏の恋愛を描いたLGBT作品である。
LGBT作品といえど偶々男と男が恋に落ちただけでありLGBT特有のなにかを強く描いてるわけではない。これが男と女、女と女でもこの作品においては置き換えて見る事ができるためとても自然に鑑賞するとができる。
アレックスは高校卒業後の進路で非常に心に迷いがある。両親とも距離を置き思春期特有の苦しみを感じ取れる。
一方ダヴィドは高校を中退し早くに亡くした父の仕事を引き継ぎ母と生計を立てる。一見明るく元気に見えるが友達もおらずダヴィドもまた心に大きな傷を負っている事が垣間見られる。
そんな2人が出会いアレックスは当初は親友として接していくつもりだったがダヴィドのアプローチにより彼が喜ぶのであればと恋愛関係に発展していく。
中盤までは彼と幸せな時間を過ごすが後半はダヴィドが女性と関係を持ちアレックスに対して遊びだと酷い言葉を浴びせる。
怒ったアレックスをダヴィドは追いかける際にバイク事故に遭いそのまま命を落としてしまう。
アレックスとダヴィドのとても熱く濃厚な、そしてとても切ないひと夏の6週間の恋愛作品であり恋愛作品としてはそれなりに楽しむ事はできる。ただ冒頭からアレックスが警察に捕まってるシーンからはじまり、死に強い興味があるなどダヴィドの死を冒頭から告白シーンが描かれている。
そこで何か大きな展開を期待してしまうと少し肩透かしを食う可能性はある。
捕まった理由も生前のダヴィドと約束した死んだ場合は墓で踊ってほしいという事をアレックスは実行してまでだったり、ダヴィドの死を彼の母がアレックスを必要以上に責めるシーンだったりこの辺があまり感情を動かされる事が個人的にはできなかったかな。
恋愛においては自然で見やすさはあるが彼らの関係がLGBTという事を除けば特段新鮮味のある展開ではないため良くも悪くも特別な目で彼らの恋愛を見なければ面白味には少し欠けるかなというのが率直な感想であった。
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