Summer of 85のレビュー・感想・評価
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かの名曲との相性がもはや神がかり的
この映画について話すと、よく「オゾン作品の中でいちばん好き」という声が聞かれる。かく言う私も同意見で、いちばんかどうかは別としても、本当に幅広い人に愛される映画なのだなと実感する。オゾン自身が17歳の頃に出会い、大いに感化されたエイダン・チェンバーズの原作小説をもとにしつつ、本作にもう一つの魂を与えたのは明らかにザ・キュアーの名曲の存在だろう。イントロがもたらす颯爽としたイメージと高揚感は今聴いても神がかり的だが、ここで謳われる歌詞がジャストではなくとも映画の主人公たちの別れや破局の心境をいささか代弁しているかのようにも聞こえるのは本当に不思議だ。80年代の空気と潮風の香りにどっぷりと浸かり、生涯忘れえぬ瑞々しいひと夏の恋が繰り広げられ、唐突に訪れる試練の渦中でいつしか「書く」ことの重要性に目覚める主人公。その姿がまた感動的。どれだけ時代が変わろうとも、この物語の尊さと普遍性は変わらない。
文学的であり、現代的な85年
1985年の夏。
冒頭から不穏な様子がうかがえるが、事情が詳らかになると、思ってたよりも深刻じゃなくてちょっと肩透かし。
18歳と16歳の少年が驚くべきほど開放的に恋を堪能していくが、その関係が非常に「普通」に描かれていることに驚く。
2人の関係はほとんどLGBTとして描かれていない。
映画館でべったりくっつき、クラブでは踊りながらキスをする。
調べたところ、フランスでは同性愛行為の非処罰化が成されたのが1983年なので、ここまでの理解は社会には広まっていないと思われる。
そういう意味ではBLっぽいファンタジーさがある一方でダヴィドからは耽美さを感じさせるもののどこか俗っぽさもあり、それがクライマックスに繋がる。
アレックスの初恋が理想を投影したダヴィドに向けられたものであることや、対話よりも感情を優先していることなど、
これに似た苦い思い出が口の中に広がる感じがあった。
私の思うダヴィドは、アレックスを追わなかったと思う。
利己的な選択への自責や罪悪感を感じながらも、自分の欲求に従う故にアレックスとの寄りを戻そうとは考えていない。
やり場のない感情を危険な運転に込めて、事故は起こるべくして起こったのだろうと思った。
しっくりこないけど
いくら思春期とはいえ、あんなに突然、男が男を好きになるものだろうか?
ダヴィドの母親の言動や態度もいちいち腑に落ちない
特に息子が亡くなってからの残酷さは異様
よりによってあんな誓いを好きな相手に立てさせる意味は?
狂おしいまでに相手を好きになるということの
脆さ・怖さ・儚さ・危うさ・美しさ・切なさ・醜さ・未熟さ・純粋さ・嫉妬・狂気・残酷さ・ドキドキ・幸せ・そして輝きetc
全てが詰まった甘酸っぱい青春ラブストーリーです
特に挿入歌が心に残ります
そしてそのSailingの曲に合わせて墓で踊るダンスシーンは圧巻!! 格好良過ぎる
観たかった度◎鑑賞後の満足度◎ この歳(62歳)になるとアレクシの想いもダビットの気持ちもよくわかる。だから余計切ない。“Sailing”にこんなにも心を揺さぶられるとは。感涙😢
①よく練られて描き込まれた脚本。その脚本を計算された技法と映像で立体化させる中に、初恋の甘さと危うさ、青春の持つ爽快さと危うさとを滲ませる演出。映画の中で生きる少年・若者達。巧みな編集と映像に寄り添い高揚させる音楽・曲。これらが渾然一体となって映画による詩とも言えるものを作り上げている。
②常識的には確かに冒涜と捉えられても仕方はないけれども、アレクシがRod Stewartの“Sailing”にあわせてダビットの墓の上で狂ったように踊るシーンは瞼の裏に焼き付いて離れない名シーン。
同性愛だけはついていけません
好きな監督フランシスオゾン
なんだけど生理的にLGBTはついていけません。
ただ青い空青い海は空気を爽やかにしてくれる。
清涼感がこの映画を不思議な空間に連れてきてくれました。
50点
MOVIX京都 20210826
何とも言えない作品
変則時系列だけど、まったくストレスなく観られた。古っぽい画質はあえての演出なのかな。
否定はしないんだけど、同性愛的な作品は個人的には少し苦手。
ただ男同士でなかったら作品として成り立ちづらい気もする。
サラッと流して観るにはちょうど良かった。
評価:3.2
徹底的に80年代にこだわった創りが心に刺さる
のっけのテロップから、そしてフィルム的というのか少しざらついたその画質に至るまで、おー、まさに80年代風満載。
ダイアモンドヘッド的な岸壁やカラフルな海辺の小屋の棟々も、これでもかという程ノスタルジック。気に入ったシーンを挙げたらきりがない。重いシーンも少しコミカルに描かれていたのも好印象。
この時代バイクが好きだった私にとっては、ツーリング姿に心躍り「‘’スピードの彼方‘’は暴走とは違う」というセリフに陶酔した。
このテーマを題材にした作品は、とにかくきれいな映像で仕上げる傾向があるが、本作もご多分に漏れずとにかく何から何まできれいな作品だ。画だけでなく心情までも。
個人的には、「誓いの実行」がラストシーンで収まれば迷わず星5つをつけたが、伏線の回収を考えるとそうもできなかったか。
いずれにしてもヘッドフォンから流れる「Sailing」がどこまでも似合う良い作品だった。
ひたすら美しく切ない
フランスのビーチリゾートを舞台にロケーションも主演の2人もストーリーもとっても美しかったです
華やかに賑わうビーチリゾートじゃなくて、落ち着いたちょっと閑散とした感じもあるビーチリゾートがピッタリでした
キャストもとにかくストーリーにピッタリなんです
ただかっこいいイケメンボーイズというのじゃなくて、儚さを漂わせる2人が、ハッピーエンドじゃなくて破滅に向かっていく事を予感させる美しさでした
ダヴィドの本心は何なのか、父への想いの寂しさからか持っている幸せを自ら壊しているような
アレックスはどうなんだろうと思いましたが、「あなたが想うダヴィドはあなたが作った幻想」というケイトの言葉、これが本当なのではないかと
16才の濃すぎる初恋
余韻の残る良い作品でした
ジョナスを思い出した
こんなにハンサムで自信満々で向こう見ずな年上のお兄さんに誘われたら、そりゃひと夏の恋も盛り上がるわ。しかも関係が中途半端なところで終わり、そのまま死なれてしまったから、残された方はやるせない空しい気持ちでいっぱいになる。未練タラタラどころではない。
この主人公のえらいところは、墓の上でダンス という誓いを実行することで理想の恋人ダヴィドとの恋に自分なりのピリオドを打ち、ダヴィドのいない人生と向き合う決意をしたこと。そのために何度も吐いたり眠れない夜を過ごしたりと辛い思いもしたが、自暴自棄のあまりにケイトや先生など周りの人間たちとの関係性を投げ出したりもせずに、最後までひたむきであり続けた。
そのためエンディングも前向きで明るく、爽やかな余韻まである。
また主人公は、思春期にありがちな死への憧れを持ってきたが、きっとそれももうなくなったと思う。父親の死を経験したダヴィドが、主人公に諭したように。
ちなみに…
ジョナスというフランス映画があって、同じようにハンサムで自信満々で向こう見ずな年上のお兄さんとの短い恋の挙句に死なれてしまう話なのだけど、こちらの主人公は10年以上経っても彼を忘れられず、大人になってからも存在しないはずの理想の恋人を求めて苦しみ続ける。その様子が本当に苦しくて空しくて、あまりの喪失感と絶望感の大きさに圧倒される。
どちらが良い悪いではないけれど、本作品の鑑賞中どうしてもジョナスと対比せずにいられなかったのです。
Summer of 85
美しい少年2人が出会い、永遠の別れるまでの6週間の夏物語。ダヴィドの色気と突然どこかへ消えていってしまいそうな繊細さが印象的。色鮮やかな映像美も素晴らしかった。思春期の葛藤や危うさ、愛や死についても考えさせられる興味深い作品だった。
おれの墓で踊れ
寡聞にして知りませんでしたが原作「おれの墓で踊れ」はそこそこ有名な小説だそうで、オゾン監督も原作に惚れこんで映画化したとのこと。原作は主人公の手記(小説)として綴られているようですが、映像化でもとてもうまくそれが組み込まれていて、とても文学的で美しいお話でした。
愛する人を事故で失うというあまりに厳しいイニシエーション。切ない青春のひと夏を綴った佳品です。
とにかく文学的
夫婦で見ました。
演技、音楽、脚本、ハイクオリティな作品でした。
映像は特に印象に残ったシーンはなかったかなぁという感じです。
デビッドはきっと深い関係になり過ぎることを恐れて、相手を突き放すことを言ってしまったんだと思いました。キャラクター的なところあるかもしれません。だからこそ泣いていたしバイクで追いかけたんだろうと。
終わり方としては、最後の最後に軽くなっちゃったなぁと思いました。
好きな人に飽きたって言われたら絶対傷つく
洋画っていうと大体イメージするのは英語圏が舞台の作品だろうけど、今回はフランスで、そのせいか英語を喋る人達の距離感とはまた違った距離感で恋愛映画を見ることができた。
アメリカの映画とかだと人とかすぐ仲良くなるイメージだけどそんな感じじゃなくてぎこちない時間とかイチャイチャの仕方とかもフランス独特の感じが見れて新鮮。
2人のシーンはすごく綺麗でやっぱ男女のカップルの物語を見てるより同姓同士の恋愛を見てる方が素敵だなって思うしキュンキュンする。男と女が当たり前な世の中だからその殻を破って普段恋する対象じゃない相手と恋をに落ちるのは何か禁断的なものが感じられるな。あとは少し腐が混じってんのかも笑笑
でも大体こういうLGBTの映画の人たちってゲイだから好きになるんじゃなくて「その人」だから好きになるんだよね。そこが普通の恋愛よりも特別で唯一無二で2度と同じ相手には会えない気がするから魅力的なのかもな。
映画の内容は感動したけど、ところどころん??ってなるところが多かった。デヴィトを最初見た時はなんで心優しくて社交的な人間なんだろう、アレックスとは正反対でそこが噛み合ってる!なんて思ったけど見ていくうちに性的な対象にはみんな自分から誘ってたり、結局船も口だけで片付けてくれてなかったり、最終的には喧嘩でも最低なこと連発してたし。なんで言った本人があそこで泣いてたのかはわかんない。アレックスの気持ちになったら悲しすぎて私まで傷ついた。私ならそこで病んじゃって引きこもりになってたかな。デヴィトのお母さんもどう考えてもデヴィトの死は息子の不注意でそこを無理矢理他人に結びつけて現実逃避をしてはいけないのに、アレックスにひどい言葉を連発、思いやりがないのはどっちだよっておもった。
前半でアレックス、デヴィト、デヴィトのお母さん、三人のすごく幸せで楽しそうな空間がいっぱいあったから、もしもあんな感じでrelationship が終わるなら私は耐えられないな。でも最後ケイトが「あなたが理想の彼を夢見てただけよ」って言われてなんかハッときたし、、、でも私は純愛でいて欲しかったな、なんて思う。ちなみにケイトの発言は芦田愛菜のスピーチを連想させるね。わんちゃん芦田愛菜もこの映画見たのかも笑笑笑笑
でも、2人の幸せな時間は見ててすごくよかった。やっぱ美少年2人っていいね。そこは最近見た映画で1番キュンキュンしたかも。
追記
結局davidはただのプレイボーイであっさり捨てられたアレックス。そのままもう2度とdavidには会えなくなる。そんな辛い現実があってもまだdavidに対しての気持ちが諦めきれなくてそれで死体に跨ったり墓荒らしたり、したのかなー。ずっとずーっと、davidの幻想を追っていたんじゃないかなー
ロッドの曲で覚醒
ストーリーは、最近のBL的な感じ?
フランスの海沿い。
バカンスあり、ラブありみたいな。
でも~大好きだったロッド・スチュワートのセイリングが、かかるなんて、予想外。
ほんとに、やられた~
それに、なんだろ。
未来のあるおわりかた、なんだな。
もう、キュンキュンしちゃう。
ひと夏の恋と割り切れなかったかぁ~
ポスターのダヴィド君がめちゃくちゃリヴァー・フェニックスに似ていて、それだけで見に来てしまった。
本当のところ、ダヴィドの気持ちと言葉は裏腹って事でいいですかね⁉️
うぅ~モヤモヤする。
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