「ミシェルのストイックさが、スティーヴィーといることで良いバランス感に」ライド・ライク・ア・ガール はなさんの映画レビュー(感想・評価)
ミシェルのストイックさが、スティーヴィーといることで良いバランス感に
競馬は全く詳しくないので、ミシェルのオッズ101についてもピンとこない自分の無知ぶりでしたが、、、
娘の命を案じる父、競馬に人生かけている娘
…父子が互いに折れない様、兄妹の思いやり、
頭蓋骨骨折からの奇跡的な回復ぶり、偏見やセクハラ野郎を黙らせ、ちゃんとドヤるところも痛快。
本気で生きている人には、神様がチャンスをくれるといわれていますが
人生も、レース運びも本当に忍耐強く頑張ってきたからこそ
チャンスが訪れた瞬間を捉えて、その波に乗っかって結果がついてくる。
女性の幸せ=家庭を持つみたいな価値観に囚われず、自分のやりたいことに全力を捧げているミシェルの生き方に感銘と勇気をもらいました。
私も、ちゃんと人間やろ!と思わせてくれる映画でした。感動のあまり、嗚咽がとまらなくて、こんなに素晴らしい映画だなんて思っていなかったので、不意打ちでした。
個人競技のようで、家族や仲間が一体となってサポートしている競馬って奥深いんですね。
いつか、メルボルンで競馬観戦したいな〜。
あまりの感動で2日連続で見てしまった結果
またまた違った感想が生まれてきました。
1.男女不平等の描写
女性騎手の控室、レースで優勝しても次の大きなレースの出場権が得られない現実
2.ダウン症はハンデではなく、個性と思わせてくれるスティーヴィーの存在感
自己肯定感、自由な心ゆえのラッキーボーイぶり、引き寄せ力が10点満点!
いつも両手に拳状態のミシェルがフラットでいられる安定剤
3.父の覚悟
足の負傷でブーツが履けない、レース出られないと諦めている兄に無理矢理ブーツを履かせて送り出すパパ像
ブリジットの落馬で同じ思いを2度としたくないという様子で攻めより守りに
大怪我をしたミシェルの回復過程を見守るなかで、ミシェルにとって騎手人生がすべてなんだと再認識し、諦め半分ではあっただろうけど全面的に応援体制に
みぎ麻痺でも乗馬するシーンが刺さった。
4.家族それぞれの絆が強い
父-兄・姉たち
父-スティーヴィー
父-ミシェル
ミシェル-スティーヴィーをはじめ、兄・姉
自分らしく生きる家族をサポートしていくメンバーの集まり
ミシェルが入院するあたりまでは、執着のような感情を強く感じられたが
父の入院、スティーヴィーとの枕トークなどから、そこで初めて自分の命が自分だけのものではないと気づいたように感じた。
それが、更なる強さのエッセンスとなったのだろうか、、、?
5.ミシェルの信念
運命:騎手人生を生きるために、この地に生まれてきたんだとホントに思った。
環境:父や兄姉の存在が教科書。遊びがレースごっこ。アイスにも目を暮れず兄たちのレース展開をリポート。
シスターたちと、馬券予想しながら鑑賞会 笑っ。
ブレない軸:父の教え 芝の表面を記憶していく作業、忍耐、ペース配分、神の声に耳を傾け隙間ができる瞬間を捉えることが染みついていて、最後まで諦めない姿勢と自信、使命感を感じた。
シーンやセリフの全て点から線に、面に、、、心に。
最初のレース出発のシーンと、最後のレース本番の映像が全然違う感覚で受け取れたり
女性初の優勝後に帰宅した時の父子の会話
『勝負に出るタイミングが早かったな』
『待てなくて』
反抗期全開な父子の壁を乗り越えて父と対等な関係性にたどり着いた〜とほっこり。
2頭しかいなかった厩舎からの、壮大な牧場スケールも、パパに拍手。
構成が良すぎて、ミシェルの人生の素晴らしさが感じられる映画でした。