「女性ジョッキーと心温まる家族の話」ライド・ライク・ア・ガール TOMOさんの映画レビュー(感想・評価)
女性ジョッキーと心温まる家族の話
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人生の全てを競馬界のトップ、メルボルンカップへの出場と優勝に掛け、7回もの落馬で全身に大怪我を負い、生死をさまよい満身創痍になりながらも不屈の精神で成し遂げようとする、主人公ミシェルの、その強い心の源は何なんだろう。レース中のジョッキー目線のリアリティある映像も、あのスピードの中で馬同士の距離も近く、とても怖かった。落馬の怪我からその恐怖にどう打ち勝ったのだろうか…
そんなストイック過ぎる女性ジョッキーの話しですが、ギスギスすることなく温かさを感じたのはミシェルを愛する父とたくさんの兄姉、取り巻く人達の存在でした。
そしてミシェルの偉業とともに驚いたのは、ダウン症の兄スティーヴィー(なんと本人出演!)が馬の扱い方を見染められ厩務員を任されたこと!いずれそれがきっかけとなり、ミシェルがその馬に出会い、共にメルボルンカップに出場するまでになるのですが、その厩務員を任せた調教師の方も本当に素晴らしいと思いました。ダウン症とかでなく、スティーヴィー個人の能力を認めて厩務員にしたのですから!
またラストシーンがとても素敵でした!あんな偉業を成し遂げた後、ミシェルがスティーヴィーと向かったのは、父の牧場。夕陽に向かう父と娘の幸せそうな後ろ姿。忘れられない美しい光景でした。ああ、これは家族の物語なんだなと強く感じました。
とても幸せになる作品でした。
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