「いつか壁は信念が突き破る」ライド・ライク・ア・ガール Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
いつか壁は信念が突き破る
個人的に競馬も割と好きだし
予告で面白そうだったので観賞
感想としては
昨今の風潮であるフェミニンな造りかと思っていたら
全然そんなことなく情熱と信念が壁を破る見応えある
ものでした
オーストラリアは実は競馬大国で
サラブレッドの生産頭数はアメリカに次いで2位
日本と同じくらい競馬場が存在しています
その中でも11月にフレミントン競馬場3200mで行われる
「メルボルンカップ」はオーストラリアの競馬関係者
全てが勝利を夢見る大レースで
当日が学校も休みになる国民的行事となっています
日本からもたびたび挑戦する馬がおり
2006年にはデルタブルース号とポップロック号が
1-2フィニッシュを決める偉業を達成しました
この映画の主人公ミシェル・ペインは
2015年に155年の歴史で初めてこの大レースを
女性で制覇した騎手で
その半生をたどる物語です
競馬の騎手はいつ何時落馬で命を落とすかわからない
男性がやるにしても危険な仕事であり
競馬サークルは言うまでもなく男系社会となっています
ただ女性が参加してはいけないという規則があるわけでは
ありません
ミシェルの生まれたペイン家は牧場を営むホースマン一家
ミシェルは末っ子で母は交通事故で幼少期に亡くしており
10人家族の大所帯
上の騎手になっていく兄姉たちにミシェルや
弟のスティーヴィーも憧れます
そしてミシェルは成長するごとに騎手への夢を膨らませ
父も指導していくようになりついには見習い騎手になり
早々に初勝利も挙げた矢先騎手の姉が落馬で命を落としてしまいます
これで父は一気に弱気になってしまいミシェルが騎手を続けていく
事に反対しますが反発し家を飛び出します
チャンスを求めて朝の調教に顔を出しますがやはり女性の見習い騎手には
声がかかりません
そんなミシェルにこっそり父は親戚にマネージャーを頼むなど
密かに支援していき
ミシェルはわずかなチャンスを生かしグレードレースに
乗るチャンスを得ていった矢先レース後の落馬で頭蓋骨骨折の重傷を追います
再び後悔する父
ミシェルはまともな生活もわからない状態から執念で復帰を果たしますが
結婚して騎手をやめた姉たちは当然騎手はやめるよう促しますが
本人は諦めません
そんな時能力はありながら故障続きで結果を出せない
プリンスオブペンザンスという馬に出会いミシェルは管理調教師に
かけ合いお手馬としてメルボルンカップの舞台まで共に歩んでいきます
競馬は馬主が調教師に持ち馬の管理を任せ
誰を乗せるかどこに使うかを協議して決めていきますが
当然女性が制した前例が無いメルボルンカップでミシェルを乗せる事に
馬主は否定的だったりしました
これは実際の競馬でもよくあり若手が連勝街道に乗せ大レースに
出られるようになった段階で武豊など名手に替わられるというものです
このあたりは男性女性関係なくあることです
ですからミシェルと調教師の勢いに根負けして起用を決めた
馬主も結果的に偉業達成を援助してくれたことになります
そしてミシェルは2015年メルボルンカップを制します
単勝はなんと101倍でしたが「自分でオッズをつけた」ミシェルの
賭けも大勝利に終わります
ちなみにこのレース日本からもフェイムゲーム号と
ホッコーブレーヴ号が出走しておりフェイムゲーム号は
なんと一番人気だったんですが力を出せず
馬群に沈んでしまいましたw
担当厩務員をしていたスティーヴィー・ペインは
こんなうまい役者どこで見つけてきたんだと思いましたが
なんとまさかの本人でした
自分が観た回はレイトショーで貸し切り状態でしたが
それが信じられないくらい良い映画だと思います
昔はこういう映画ならJRAが支援して宣伝してくれたもんですが
今回はそうでもないみたいですね
イオン系でなくとも公開してる映画館はあるようだし
チャンスがあったらオススメしたいです