「強い信念」ライド・ライク・ア・ガール KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
強い信念
競馬はものすごく詳しいわけではなく、ミシェル・ペインの事は人並みに知ってる程度で決して詳しいわけではないが、スポーツムービー、ヒューマンムービーとして非常に興奮し楽しむ事ができた。
ミシェルは末っ子で兄姉達には揶揄われる事も多く、ダウン症の兄と一緒に過ごす事が多かった幼少期の描写から始まる。
大人になっても姉達が騎手として活躍が厳しい現実、女性が活躍するのが厳しい現実を盾に思うように、そして好きなような道に中々進めない。
そんな中姉が落馬をし亡くなった事から父も閉鎖的になってしまい、ミシェルが騎手を目指すことに反対し亀裂が生じてしまう。
反対する父親に負けることなくミシェルは騎手の道を進み続ける。ここまで非常に反骨真の強さがとても魅力的に描かれている。
騎手として順調に成長していたミシェルだが、落馬事故を起こし騎手生命はおろか生命に関わる大怪我を負った。周囲が騎手を続ける事に反対する中ミシェルは諦めず、そこで初めて父親もミシェルが騎手である事を言葉にして応援する。
そこからも大怪我を負った事や女性である事を理由に壁に当たる事はあったが、それでも強い信念は折れる事なく、むしろ日に日に信念は強くなりメルボルンカップで最後は優勝した描写でこの作品は終わる。
スポーツムービーではありがちな反骨精神、強い信念を魅力的に描かれるよくある作品かもしれないが、このタイプの作品は個人的に大好きという事もあって、非常に楽しむ事ができた。
若干駆け足気味に半生を描くため所々事があっさり進むシーンもあるが、ミシェルの苦悩や強い信念は終始描かれている為常に作品に惹きつけられる。
スポーツや勝負事なんかは気持ちだけでなんとかなるほど甘いものではないが、トップレベルが争う場において、最後の最後に勝敗を分けるのは気持ちであり、運であると個人的には思ってる。
その運を味方につけるのも強い信念、執念だと思う。
その強い信念や執念から運を味方にするのは決してスポーツだけではない。人生あらゆる場でそういう場面に出くわす事は誰しもあるだろう。
だからこそこういうタイプの作品はなにか内なる思いを刺激されすごく勇気を貰い非常に興奮して楽しむ事ができる。
エンドロールではプリンス役の馬も今はテレビ等で活躍
して元気である説明があった。それを見てなんかほっこりした気持ちで最後は劇場を後にする事ができた。