劇場公開日 2021年8月27日

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「謎の魔王・魔女バンド。」劇場版 アーヤと魔女 ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5謎の魔王・魔女バンド。

2021年9月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

先日公開されたディズニーの「クルエラ」の主人公を思い出させるような、たくましいヒロインに共感する。アーヤはいつも自分の中に「幸せ」の価値基準を持っている。孤児院では裕福な家庭に引き取られることが幸せだと誰もが考えるが、アーヤは孤児院の中で自分の思い通りに過ごすことが幸せだと感じる。魔女に引き取られてこき使われることに嫌気がさすと、不気味な魔王や使い魔の猫を味方にし、魔法を覚えて魔女をこらしめたりする。周りに従うのではなく、自分が自分らしく生きられることが幸せだと生まれた時から知っているようだ。3DCGも美しくてリアリティがあってとても良かったと思う。
しかし鑑賞の主な対象となる子供たちにどれほどメッセージが伝わるかは疑問である。主人公の心情に深く迫ることがないので、ストーリーがあまりにあっさりと流れていく。原作を知っていれば、この場面は主人公のこういう気持ちを表現しているのだと推測できるのだろうが、画面だけでは表現が弱くて伝わりきらないと思う。魅力的なはずのアーヤにあまり感情移入できずに不満を残すのではないかといらぬ心配をする。

ガバチョ