「たとえるならば」劇場版 アーヤと魔女 callさんの映画レビュー(感想・評価)
たとえるならば
トルメキアの攻めてこないナウシカ。
メイが迷子にならないトトロ。
銭婆のところへ行かない千と千尋。
空の島にたどり着けないラピュタ。
なるほど、原作の都合だったのですね。
……と、言いたいところなのですが、物足りません。ヤマがないからです。
雰囲気はとても良いものがあります。
これまでジブリにいなかった性格の主人公が活躍し、
ジブリにたっぷりいそうな性格の魔女と繰り広げる新生活スタイルは楽しいです。
施設の雰囲気、魔女の家の雰囲気、世界観。キャラクターの性格。とても良い。
音楽も素晴らしいものがありました。
CGについては好みによるかと思いますが、少なくとも私は好きです(エンディングのジブリ絵のほうが好きですが)
私も含め、低評価の方々はこの作品の世界が楽しそうだと思ったからこその感想ではないでしょうか。
ものすごくおいしい前菜を食べてスープを飲んで、さあおいしい料理を食べるぞと思ったらそこでおしまいと言われたような感覚。
これは失敗作ではありません。未完成作品です。
未完成なものを原作通りだからと未完成なまま紹介して、そっから先は我関せずと言っているように見えます。
この作品が前後編の前編、あるいは三部作の一回目であれば、と思わずにはいられません。
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