「何なんだ、この人」本気のしるし 劇場版 nakadakanさんの映画レビュー(感想・評価)
何なんだ、この人
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深田晃司監督作品は「淵に立つ」「よこがお」を観ており、この作品も観てみようと思ったものです。
原作漫画は未読です。
とにかく、ヒロインの浮世の言動が、何なんだこの人!?という感じで気になり、物語に引き込まれてしまいます。
何事にも情熱を持てない様子の一路との、噛み合わないようなのに距離が近づいてゆくような奇妙な交流も、これからどうなるのかと気になります。
淡々として不穏な雰囲気が付きまとう映像や、それぞれの人物像にあった役者たちの演技も、良かったと思います。
細川先輩が目覚めたときに部屋の壁に×のように見える影がかかっている場面や、峰内がベッドで横たわると窓に打ち上げ花火が映っている場面など、相手に去られた時の孤独を強調させるような映像も印象的です。
隙のある女性が良くないという意見に、隙をついて利用してくる男性がいるのだという反論も、同感です。
やはり、悪意や下心を持って隙をついてくる人間の方が悪いと思います。
浮世の夫の身勝手なつけ込みぶりは、やはり醜悪だと感じます。
世間では浮世のような女性が悪女なのでしょうか。
振られた腹いせに仕事で嫌がらせをする美奈子が一番悪いように感じましたが。
というか、一路が落ちぶれたのは、浮世のせいではなく美奈子のせいのような気がしますが。
ラストは、浮世が自分で選んだ道を歩む希望を感じるもので、良かったです。
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