「今年の日本映画を代表するシュールな傑作‼︎」本気のしるし 劇場版 エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
今年の日本映画を代表するシュールな傑作‼︎
2013年の「ほとりの朔子」で出会い「さようなら」「淵に立つ」「よこがお」の3作を公開年の日本映画ベストワンとした深田晃司監督。『評価高すぎない?』と突っ込まれそうだが好きだから仕方ない。
今年のベストワンは迷うことなく大林宣彦監督の「海辺の映画館 キネマの玉手箱」だと思っていたが、今作の登場で激しく迷うことになった。
名古屋だけか定かでないがメ〜テレ(名古屋テレビです)で深夜にやっていたテレビドラマを再編集したもの。会社の映画仲間から『テレビで観てたけど改めて映画館で観る価値あるの?』と聞かれ、『観るべき』とシンプルに答えた。
思えば映画史上のベストの一本として地位を確立したエミール・クストリッツァの「アンダーグラウンド」もテレビ放映されたものの編集版だった。この作品も劇場版が作られたことにより映画史に刻まれることとなる。
休憩時間を挟んでの4時間、登場人物たちの信じられない行動にひたすらイラつき翻弄され続ける。これが実にシュールで気持ち良い。実際何度『あり得んだろう』と突っ込んだことか。
普通の会社員・辻一路(森崎ウィン)が意味不明な女性・葉山浮世(土村芳)に振り回される。監督が言うようにグダグタなラブストーリーともとれるが、この快感はいったい?
辻くんと付き合っていた会社の先輩・石橋けいの生々しさが秀逸で、本年度のエロくそチキン助演女優賞に決定した。キネ旬も取ることになるかと。
ちなみにカンヌ国際映画祭ではオフィシャルセレクション2020に選出されたようだ。
今年の日本映画を代表する傑作であります。
やはりみられましたね。私は監督の挨拶の回にみました。監督からこの映画はハッピーエンド、バッドエンド、という監督から質問がありましたが、観客は半分半分でした。深田映画の最大の魅力はそこにあると思います。私も1位になりそうな予感がします。