いのちの停車場のレビュー・感想・評価
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日本の終末医療のあり方を問う感動映画ですね🈵
まず、なんといっても、吉永小百合、広瀬すず、西田敏行の出演する映画ですから、それだけでも十分見応えがありますよね🙆
日本の終末医療のあり方については、個人的にもずっと問題意識をもってましたから、殺風景な病院の中で、チューブまみれにされている姿は、人間として本来あるべき姿とは程遠いし、誰も望んでいるとは到底思えない💢
願わくば、在宅医療か人間らしく生きられる温泉旅館のような施設で最後を迎えたいものです😊
この映画は、そういった終末医療、尊厳死について考えさせられるすばらしい内容で、俳優陣はもとより、ストーリー、テンポ、結末もすべて良かったです💮
映画1作では描ききれてない(かな?)
途中で席を立つ。
吉永小百合というジャンル映画
「吉永小百合を定期的に愛でる」ということを目的とした映画のジャンルが現在の日本には存在するのだ、ということを、エンドロールと明るくなった館内の客層を見ながら理解した。
吉永小百合はどちらかと言えば好きだし尊敬もしているが、そういった趣味の無い私のような人間は、鑑賞する映画の選択を誤った自身の愚かさを責めるべきで、決して映画の出来がどうとか細かい所にグダグダとケチをつけてはならない。
このジャンルの存在と嗜み方をようやく自身も知ったわけだが、出来れば「寅さん」のような分かりやすい記号をタイトルに入れておいてもらえれば、事故に巻き込まれる人も少しは減ると思うので、今後製作側には一考いただきたいところである。
結論、このジャンルが好きな人でなければ特に見所の無い映画です。
どのような最期を臨むかを考えました。
冒頭、交通事故による救急救命医療の現場から始まり壮絶な状況を真っ向から観ることは出来ませんでした。ひょんなことから咲和子は父親が住む故郷に帰り在宅医療のまほろば診療所に勤めることになりました。一転、救命医療センターの仕事とは違いそこは終末期医療の患者を抱える比較的ゆっくりした患者と向き合う医療でした。
咲和子の名声により徐々に患者も増えますが、それぞれ患者さんには当然一人一人違った事情によって咲和子と医療を通じて繋がりを持ちます。
それぞれ自分の最期をどのように過ごすのか、どのように医療行為とかかわるかを決めることを余儀なくされます。それは医療行為を続けるなかで自分には回復の可能性はないのだと悟った時に自分自身がどのようにその時を迎えるのか?
私も個人的に膀胱癌による治療を約2年続けて来ました。外科手術から抗がん剤治療、キイトルーダの治療から放射線治療まで基本治療は行いました。しかし残念ながらアイツは進行しております。現在は患部の疼痛に悩まされています。
作品内で出たケースそれぞれに身につまさせる内容で、重たく感じましたが不意にその時を迎える人もいれば、充分に時間をかけてその時を迎えるのか?
私は悲観的にならずに好きな映画を楽しみながらその時を迎えたいと思います。
本当に良い映画を作っていただき感謝致しております!
またコロナ禍の緊急事態宣言下での全国上映ですが幸い私の福岡県ではこうして映画館で観ることが出来ました。出演者や関係者の方々本当に良い映画をありがとうございました!
「映画女優・吉永小百合」
吉永小百合さんを観賞する作品
予備情報なしですが、タイトルから命にまつわる話だと予想し、コロナ禍の今だからこそ見てみようと思って鑑賞してきました。命についていろいろと考えさせられる作品で、先日父を癌で亡くしたばかりの自分は何度も涙がこぼれてきました。
主演の吉永小百合さんは、何歳になられたのでしょうか。いくつになっても色褪せない魅力が、本作でも輝いていました。上品な立ち居振る舞い、凛とした佇まい、あふれんばかりの優しさと柔らかな笑顔、彼女が放つオーラが作品世界そのものを形作っていると言ってもいいほどで、彼女の魅力をたっぷりと堪能できる作品でした。
そんな吉永さん演じる、医師の白石咲和子が、在宅医療を通して次々と命を見送る展開がとにかく悲しかったです。脇を固める、松坂桃李くん、広瀬すずさん、西田敏行さん、田中泯さん、石田ゆり子さん、柳葉敏郎さんらの演技も相まって、いったい何度泣かされたことでしょう。
この在宅医療を通して、マンパワー不足、貧困、老老介護、高額な最先端医療、治験の危険性、安楽死等、医療にまつわるさまざまな問題が描かれます。明確な答えが見出せないこれらの問題を観客に提起しているところに、この作品のテーマがあるように感じます。
ただ、少々盛り込みすぎた印象は否めません。一つ一つが大切な問題なのに深く描ききれず、投げっぱなしな感じがして、やや物足りなかったです。特に安楽死に対しては、本作ならではの、あるいは白石医師ならではの考え方や向き合い方を示してほしかったところです。
あと、細かいことですが、カメラの揺れが気になってしかたなかったです。登場人物の不安定な心理を演出するためなのかもしれませんが、これだけ揺らされると目が回りそうで感情移入しづらかったです。
やっぱり泣きました
寿命は決められているのではないか
西田敏行さん演じる仙川院長が言っていた台詞。
「日本人の平均寿命があと20年長かったら、日本は飢え死にをしている」
これを聞いて、人の寿命は生まれた時から決められていて、それこそ飢え死にをしないように上手いこと入れ替わるようになっているのではないかと思った。
そう考えると医者の仕事は"命を救う“よりも"命をしまうお手伝い”の方がしっくり来るかな。
恥ずかしい話、安楽死が日本では違法であると知らなかった。
そもそも合法か違法かと考えたこと自体なかった。
死んだ方がマシなんて簡単に言う人がいるけれど、田中泯さんがもがき苦しみながら「殺してくれ!」と叫ぶシーンは居た堪れなくなった。
たしかにエピソードはどこかで見たことがあるようなモノばかりだったけれど、そのおかげでキャスト陣の圧倒的な演技力がより輝いていたので結果オーライ。
「地獄の花園」を見た後だったということも相まって、ジーンとしてしまった。
うーん、良い作品ではあると思うんだけど、ちょっと散らかってしまった...
金沢に行きたくなることだけは確か
吉永小百合さんはいつも通りの可愛らしい演技だが、広瀬すずは一作ごとに上手くなっていて、本作品では吉永さんを凌ぐような場面が度々あった。悲しい過去を抱えつつも元気一杯に振る舞う芯の強い看護婦を好演。松坂桃李が演じた野呂は、金銭的に恵まれた家庭に育つが、医師の国家資格試験に失敗し、失意のうちに医療事務員として大病院に勤める。その大病院は事務長が患者よりも病院を守ることが大事と言い放つ営利主義である。この大病院のスクエアな人々と戦う一方で患者とのふれあいを描くドラマなのかなと思いきや、舞台は一転して石川県の金沢へ。
成島出監督は「八日目の蝉」「山本五十六」「ソロモンの偽証」「ちょっと今から仕事やめてくる」など好きな作品が多いが、吉永小百合さんを主演に迎えた「ふしぎな岬の物語」はいまひとつピンとこなかった。脚本の不出来もあったが、どうも演出が吉永さんに遠慮しているみたいだった。
本作品も同じように、吉永さんに遠慮しているみたいな作品で、主人公白石咲和子の不幸はステレオタイプである。もっと悲惨な、陰惨な目に遭わせてもよかった気がする。理不尽な暴力を振るわれるとか、金がなくて食べ物に困るとか、見るに忍びないような大怪我をするとか、主人公を極限状況に追い込む場面があれば、作品に少しは緊張感が出ただろう。
加えて、主人公に隙がなさすぎる。精神的に安定しすぎているのだ。物語の内容からして咲和子は50歳くらいの設定だと思うが、まだ女としても枯れていないだろうし、自分勝手なシーンもあってよかった。泣いても喚いてもよかっただろう。成島出監督と吉永小百合さんは相性が悪いのかもしれない。
患者と向き合うシーンも底が浅い。同じ在宅医療を扱った映画「痛くない死に方」の生々しさが印象に残っているだけに、本作品の患者の苦しみ方は弱すぎる。いろいろな患者の在宅ケアのシーンは写真を並べたみたいに平板だった。
輝いたシーンはふたつ。ひとつは病院の廊下で咲和子が西田敏行演じる仙川院長に抱きついて、泣きながら「先生、わたし・・・」と言うシーンである。この「先生、わたし・・・」の台詞は万感の思いがこもっていて滅法よかった。もうひとつは松坂桃李の野呂がパンイチで海に入るシーンで、野呂の優しさが弾けていた。
本作品の目論見は、怪我や病気で死んでいく人の群像劇に、主人公が抱える安楽死の問題、病院経営の問題や最新医療と金銭の問題を並行させて盛り上げて行くつもりだったのかもしれない。しかし盛り込みすぎてテーマが散らかったままになってしまった。これでは物語が盛り上がるのは難しい。
ただ、四季を通じて様々な顔を見せる金沢の町のシーンは殊の外美しく、本作品を観たら金沢に行きたくなることだけは確かである。
サユリストの最後の希望
日本の高齢社会を象徴する、ストーリーとキャストで重厚とは言わないが、社会派映画の水準は獲得したかどうかという映画
先ずは吉永さんは医療の中では門外漢というわけで雰囲気はよき家庭のお母さん風で。あくまでも吉永小百合さんというスターなので、観客もそれは期待していないと思う。
これはこれで王道の行き方なんだとプラスにとらえた場合、ファンタジーとしての命が交差するという視点が表面的で、エンタメとしての映画としてもぬるい。
亡き岡田Pの小百合さんにヒューマンな大作をという視点からして思い入れが過ぎたと考えます。
最後が案の定大切なテーマなのに中途半端になってしまったのが、残念の極みです。周防監督の終の信託でも不満だったが、これは答えのないテーマでもある。
最後に吉永さんらしく引退される際は、映画の超娯楽作で華やかやな映画で締めくくって欲しいと要望します。お願いします。
萌の笛(杖)が壊れちゃった・・・パオ、パオ、パパパン
金沢駅から近江町市場の前を通り、犀川方面へ。桜橋を渡り、桜坂と新桜坂の間に位置する石伐坂(通称W坂)を上る。上りきった直後に見えるのが白石先生(吉永小百合)の自宅のようだ。ただし、タイトルにもなっている停車場は井原台(知らない。どこ?ネットで調べると栃木県のようです)。北陸中央バスも知らない。金沢の住民にとってはストーリーよりもロケ地が気になってしょうがない。本当にあった停車場は『ゼロの焦点』(1961)に出てるかも。
診療所近くにあるスタッフのたまり場“STATION”。みなみらんぼうがマスターをしているこの店は主計(かずえ)町の中ほど、久保市乙剣宮に通ずる五木寛之が命名した“暗がり坂”の片隅にあるようだ。その他東茶屋街、観音坂、武家屋敷、兼六園などなど、犀川と浅野川の数々の橋も効果的に使われていました。
珍しく、原作を先に読んでいたため、違いがかなりあることもわかり、死と向き合う患者や家族を優しく描いていた印象が残りました。これもプロローグである東京の城北医大救急センターの阿鼻叫喚ともいえる救急医療の戦場にも似たシーンと対照的だったこと。さらに、原作にあった白石がスケッチブックに書いた“死を迎えるにあたって”家族に説明する項目もカットされていて、今年観た『痛くない死に方』とは表現方法も異なる優しい映画となっていました。
ちなみに原作のゴミ屋敷に相当する部分は泉谷しげる・松金よね子夫婦にまとめられていて、芸妓役の小池栄子や女流棋士の石田ゆり子パートが追加になっている。石田ゆり子は好きな女優さんだけど、ちょっと余分だったかなぁ。そんなゴミ屋敷で驚いたのが、金沢市指定ごみ袋がそのまま使われていたこと!こだわりだ・・・
伊勢谷友介のエピソード。ガラス張りの建物は金沢パークビル。原作では富山の再生医療クリニックへ移送するときには江ノ原のラグビーチームの“ハカ”で見送るシーンがあり、期待していたのにカット・・・これは残念。入れるとしたら、どこかをカットしなければならないのかも。
柳葉敏郎のエピソードは改変があるけど、これはこれで良かった。せん妄や下顎呼吸など、死を目前にした患者を上手く演じていました。
泣き所のメインとなる小児がんを患う萌ちゃん。母親は南野陽子で子役は佐々木みゆ。けっこう演技派で、『万引き家族』以来、いくつかの映画に出ているようです。原作では、車で海岸を走れる千里浜海岸が舞台となっているのですが、違ってました。どこなんでしょう?金沢近郊だとしたら内灘海岸だと思うのですが・・・
モンゴルのパオと食べてみたい饅頭パオ。人は最後には家に帰る。在宅医療、終末医療にとっても自然な形。延命措置は本当に必要か?国民皆保険を圧迫していないか?などなど、さまざまな医療問題が浮彫りにされる本作。白石先生の何がなんでも命を救う救命救急医の立場から、自然な形で看取っていく方針へと変化する様子や、野呂くんがもう一度国試にチャレンジする成長ぶりなど、人間模様も感動的。ただ、父親の安楽死に関しては原作のほうがよりシビアです。
南杏子の小説では、麻世は卯辰山(近所)の小さな旅館の娘だったので、広瀬すずが家の近所に来ていたのか?!などとショックを受けましたけど、改変されていたのでホッとしました。その他、俳優では南野陽子と柳葉敏郎の演技が最高、泣ける。
コロナ禍の中、大変なこともよくわかる。エンドロールではcovit19対策なんて項目もあり、これが現実なんだと改めて感じた。YouTubeで舞台挨拶の動画を見たけど、本編よりもこの動画に泣けてきた。吉永小百合と金沢といえば、『男はつらいよ柴又慕情』、そして122本目にして初の医師役。中途半端なサユリストとしても感動的でした。
最後に残念だったところ・・・金沢弁がまったくなかったこと。小説は金沢弁まるだしだったのに・・・治部煮がちょっと出てきただけ。あの店はあそこだろうなと想像できる。だけどラーメン屋は全然わからん!どこやいね。
吉永小百合ファン向け
松竹と思っていたら意外にも東映作品でした。調べたら数々の松竹の山田組の作品に携わっている平松恵美子が脚本を担当されているので松竹カラーに感じたのかも。
吉永小百合が主演。都会の救命医療の責任者が訳あって石川県の在宅医療を行う「まほろば診療所」の訪問医師になり
様々な患者たちと真摯に向き合う社会派ヒューマンドラマ。
命に係わるテーマなので重いシーンも多いです。特に実父を演じた田中泯の演技は素晴らしく命がけの生き様を見た気がしました。
吉永小百合と実際は同じ歳なのに親子を演じるのはかなり無理があると思いましたが、父親役の田中泯の演技は人が亡くなる前の苦しみや痛みを見ているものが感じる位凄まじかったです。
脇に広瀬すず、松坂桃李、西田敏行、石田ゆり子他、皆さん手堅い演技で安心して見れました。
ラストの問題定義が観客に投げかけて終わるのが微妙な気がしました。
最後の選択を吉永小百合医師に描いてほしかったです。松竹の山田洋次監督ファンにはお勧めします。
医療ドラマとして観ないこと
悪い予感的中
コロナ禍で荒みがちな心を癒やしてもらいたくて足を運んだ。
心に染み入るような感動、しばらく味わっていない。
但し、吉永小百合とはあまり相性が良くない。
何を演っても吉永小百合なのは構わないのだが、
それならばそれ相応の役だけにしてもらいたいと常々思っている。
これはご本人のせいというよりは周囲が良くないのだろうけれど・・・。
で、結果予感的中。
全編ほんわかした柔らかい空気が漂って、
医療現場の凜とした雰囲気は微塵も感じられなかった。
また、極端な若作りは(作っていないのかもしれないが)繊細な役を演じるにはいかがなものか。
田中泯との親子設定にはかなり無理があるし、
彼とのあまりにも大きな演技力の差は不自然すぎて吐息が漏れた。
また、脚本も凡庸に過ぎる。
いつものことながら原作未読だが、それ自体がこうなのか?
泣かせようという意欲が溢れすぎていて、逆に退く。
石田ゆり子のシーンでは脈絡が不自然で訳がわからず、
小池栄子や件の俳優のエピソードは全くの中途半端。
おそらく最も重いテーマであったはずの安楽死についても尻切れとんぼ。
盛りだくさんだがどれもが描き切れておらず、フラストレーションだけが溜まった。
死生観を優しく問いかける
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