劇場公開日 2021年5月21日

  • 予告編を見る

「田中泯76歳。吉永小百合76歳。父と娘です。」いのちの停車場 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5田中泯76歳。吉永小百合76歳。父と娘です。

2021年7月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

楽しい

2021年映画館鑑賞60作品目
7月5日(月)イオンシネマ石巻
原作未読

大病院の緊急医療に携わっていた医師がイレギュラーで金沢にある診療所に転職する話
患者は大病院の入院を拒否し在宅医療を選んだ末期癌や障害者など
主人公の父は病気の痛みに耐えかね安楽死を望む

悲しくて辛い映画
このての話となると条件反射で「感動ポルノ」などと詰る人には鑑賞は向いていない
自分はわりとこういう話が好きだ
だが条件がある
それは丁寧に作られていること
豪華キャスト陣なら尚良い
最低ノルマはクリアしている
泣けるポイントはたくさんある
親子に死が絡むと涙が溢れるのは加齢のせいか
一本の映画の尺に色々なエピソードが詰まっているので詰め込みすぎの感もなくはないが苦痛に感じるほどでもない

吉永小百合主演だからサユリストのために作ったのだろう
それならサユリスト以外が吉永小百合抜擢にケチをつけても意味がない
自分はサユリスト以外でも楽しめると確信している

田中泯の芝居が特に良かった
不思議とちゃんと親子にみえた

吉永小百合が年相応の役をやらないのはご愛嬌
逆に76歳に見えないんだから仕方がない
安達祐実もそうだろ
話はちょっと違うが杉村春子は晩年まで舞台で『欲望という名の電車』の主人公のブランチ・デュボアを務めた
役者とはそういうものだ

この作品の欠点はラスト
サワコの朝
父の安楽死を実行し警察に逮捕されるところで終わるのかと思ったらそうはいかない
吉永小百合が手錠を嵌められるシーンを撮りたくなかったのだろうか

あと全く似てない物真似を見せられる苦痛は堪え難い

野川新栄