劇場公開日 2021年5月21日

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「久しぶりに映画館で映画を見ました(10年ぶり)」いのちの停車場 じゅんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0久しぶりに映画館で映画を見ました(10年ぶり)

2021年6月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

死を見つめる映画。
自身肉親の死に今まであまり縁がなく、
死や死に向かう過程、残された人々の感情や過ごし方について
深く考えることがありませんでした。
自分は今56歳になります。
2カ月前に病院で同居の父親を亡くしたばかりです。
幸運なことに母と自分で父の最後を看取ることが出来ました。
死の実際はそんなにドラマチックなことではなく、
日常の延長でした。
コロナ禍で肉親の死を看取れない方たちも多く、
この映画はそういう意味でもタイムリーな映画だと思います。
吉永小百合さんの演技は初めて拝見させてもらいました。
自分は映画にはうるさいほうで、特に演技派の方たちが好みです。
洋画ならジョディフォスター、インサイドマン最高でした。
フランシス・マクドーマンド、良いですねえ。
観終わった後思うのですが、素直に面白い映画だったと思います。
脚本や役者の演技が特に良かった印象はありませんでしたが、
(田中さんは凄かったです。またSTASIONは家の近くにあれば
いいなと思いました)
現実もそんなもんです。大泣きすることもなければ、
ドラマのように話が進行することもありません。
誰が悪く、誰が正解かなんてこともありません。
ただ日常がそこにあるだけです。
肉親を亡くし傷ついている人たちがそこにいるだけです。
そういう意味でこの映画が100点じゃなくてもいいと思います。
悲しんでいる人、傷ついている人に寄り添う映画。
観て良かったです。ちなみに母親も誘って一緒に観ました。
父が亡くなって価値観が少し変わってしまいました。
クオリティの高い映画よりも、シンプルでストレートな映画、
例えば「ティファニーで朝食を」とかの方が良くなりました。
オードリーヘプバーンとフレッドアステアの「ムーン・リバー」
のダンス最高です。

じゅん