劇場公開日 2021年5月21日

「広瀬姉妹を一日で見ることが出来たんデス!!」いのちの停車場 サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0広瀬姉妹を一日で見ることが出来たんデス!!

2021年5月23日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

単純

寝られる

ワンデーフリーパスポート、ラストは今作です。
はっきり言いますと全くもって期待してない映画です。予告からして面白くなさそうだし、そもそも私は医療物が苦手です。そんな訳で見ようかどうか迷っていましたが、ワンデーフリーパスポートが再登場するということで見ることに。

あ、思っていたより良かったです。
ストーリーというよりも役者が素晴らしかった。
あまり堅苦しすぎないのも個人的は良かった。

救命救急医として大学病院で働いていた白石咲和子(吉永小百合)は、とある事情で仙川(西田敏行)が院長を務める在宅医療を行う「まほろば診療所」で働くことになった。

贅沢な役者たち。
数々の名優が揃う中で今回は3人を紹介。

まず、広瀬すず。姉の方はヤンキーOLのカリスマを同時に演じていましたけど、こちらは優しくちょっと雑な訪問看護師役。と言いましても彼女、およそ1年前には親父が大っ嫌いでデスメタルをしている反抗期娘でした。そんな野にある畑とは打って変わって、今回もまたいい演技をしてました。別れるシーン、涙を必死に抑えて笑おうとしている姿は泣きそうになりました。

次に、松坂桃李。この映画が始まる寸前に「口ごたえしようもんは全員、豚箱叩き込んじゃる」って言ってましたけど、今作の彼は真逆です。患者想いで不器用だけど良い奴です。タバコなんて吸いません。本当に今回の桃李はいい味出していて、彼いなかったらどうしようって感じです。正直豚箱桃李のほうが好きですけど、今回も今回でかなりいい。

最後に、田中泯。大活躍ですね。
なんと今作のために10キロも減量したらしいです。
その甲斐あってか凄く寂しさと苦しさが伝わってきました。名俳優過ぎますって。HOKUSAIも楽しみにしてます

と、役者紹介はここまで。
後は雰囲気がすごく良かったです。
石田ゆり子と吉永小百合が歩くシーンは趣深くて綺麗だったし、雪景色も悲しく美しかった。居心地も良かったので医療物が苦手な私でも好めました。

と言うが医療物では無いのかも。
生きることと死ぬことをテーマにしていて医者が主人公なだけで、最初のシーン以外は治療シーンはありません。患者とその患者を向き合う人の話。私的には良かったです。

ただ、そういうこともあってか軽い。
重いテーマを重く扱うのは難しいが、堅苦しくないとは言っても同じ生きると死ぬをテーマにした「お終活」とは全く違うテイストなので、軽く扱うのはどうかと思う。安楽死に関してもかなり適当。

軽いと共通するがこの映画、浅すぎる。
原因としては患者の数が多いということ。
映画なので患者を二、三人にして一人一人の想いや苦しみを伝えた方が感動するし向いていると思う。今作のようだと映画である必要はゼロ。完全にドラマ向き。
どうしても役者を使いたかったんだろうなという感じで、かなり偏りがあるしあっさりしている。
あと、田中泯と吉永小百合が親子はさすがに無理ありすぎますし。

ラストはかなり退屈で意味がわからなかった。
なんなのその終わり方?それで言いわけ?
全くもって感動しないし、あれを美しいとは思えない。確かに終わり方難しいとは思うが、これは無いな。

思っていたよりも良かったが、やはり微妙。
上記3人がとても素晴らしかったので良しとしますか。

サプライズ