鬼手のレビュー・感想・評価
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静の碁✕動のアクション、どちらも命懸け…
掛け碁、しかも掛けるのは己の命。碁の詳しいルール等知らずとも、クォン・サンウが相手を追い詰めていく早碁の応酬、バリエーションに富んだ対局は迫力があり、また鍛え抜かれた身体を駆使したアクションシーンは鬼気迫るものがあった。あまり台詞がないので、見ている側への説明が少なく、冒頭分かりにくいが、シーン毎の描写で分からせていく。碁とアクションが見事に融合していた。
あり得ないほど強い主人公
オープニングから暗い話なの。下衆野郎が姉さんを手篭めにして、それで姉さんは自殺してしまい、両親も亡くなっていたので、主人公は天涯孤独になるっていう。
それで賭け碁の世界に入ってくのね。そして何故か、賭け碁に強くなると、腕っぷしも強くなるの。すげえな碁の力。
それでかつて主人公および師匠を酷い目に合わせた奴らに復讐を開始し、ここで占い師との対決が良かったな。占い師が色んなことを見通せるから、それで心理戦仕掛けてくるんだけど、見事に勝つという。しかも、心理戦で勝ったわけでなく、とにかくメチャクチャ碁が強いから勝ったっていうのがいいね。
そこからも圧倒的な強さで碁に勝って、碁では勝てないから襲ってくる奴らもはじからアクションで倒して、もう無双。
ここで命乞いして仲間になる人よかったな。すごい悪い奴なんだけど、子供の頃の話をして人間味みせると『え、実はいい人?』みたいになるのいいね。そして、ちょっと茶目っ気出ると『仲間にしてもいいかな』って思うっていう。
ようやく下衆野郎にたどりついたぜってところで、過去の因縁の相手が来るんだけど、こいつはアクションでやっつけた。『え、碁でやっつけないの?』という不思議。バリエーションかな。
最後は棋士百人と多面指しで全勝するという離れ技。藤井聡太でも羽生善治でも百人相手に全勝って無理だよ。あり得ないぐらい強いというか、マンガ設定だろこれってくらい強い。
下衆野郎にも誘いの一手を出して勝ち、復讐を果たして、めでたしめでたし。
占い師がね「あいつを殺したときお前も死ぬ」って言ってたから、『主人公やばいんじゃないか』と思ってたんだけど……占い師なんだったんだ。
賭け碁の映画では前にトンデモ設定で面白い映画観たことあったんだよね。《神の一手》だった。この作品は《神の一手》のスピンオフなのかな。トンデモないことを考える人は、そうはいないってことで、ちょっと安心したよ。
『おにて』と云ってしまった私。
未だに自動販売機の無い、レトロな劇場の受付で、『おにて』と…『きしゅ』です、はい。
これぞ王道の韓国映画なのでは?
恨みを晴らす…しかも正当に。
伏線はものすごく判り易く、丁寧に描かれているので、満腹で無ければ眠くなることもないでしょう。所々、残忍なシーンがありますが、少し現実味に欠けているところがあるので、耐えられる範囲だと思う。塀に顔をスリスリなんて、もうギャグに近いし。
主人公の鍛え上げられた腹筋は見事。これだけで観る価値があります。
最後は一応、ハッピーエンド?ただ、囲碁しか出来ない主人公のその後が心配になりました。
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