劇場公開日 2020年5月22日

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「恐怖で疲れることなく映画「犬鳴村」ネタを仕入れたい人へ」映画「犬鳴村」恐怖回避ばーじょん 劇場版 ニコさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5恐怖で疲れることなく映画「犬鳴村」ネタを仕入れたい人へ

2020年6月3日
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 ガチホラーは何だかんだ驚かされたりドキドキしたりで鑑賞時の体調によっては疲れてしまう。この恐怖回避ばーじょんは、疲れずに映画「犬鳴村」のストーリーを把握出来ればそれでよいというおおらかな人にお勧めである(ニッチだ…)。なお作中の犬鳴村設定は、私の知る限りでの巷の伝説とは違う創作部分がある。

 東映のタイトルロゴで早くもケチャップが登場し、徹底的に恐怖から守ってもらえる心強さを感じる。その後も急に怖いものが出る時はカウントダウンしてくれたり、暗い恐怖シーンはピンクのキラキラでデコってくれたりと鉄壁のガードである。シュールなセルフツッコミもちょいちょい挟まれる。
 静かに話が進むシーンでは回避処理がでしゃばって来ない時間帯もあり、気が緩んで危うくツッコミ待ちの心構えを忘れそうになった。
 本バージョン(ホラーの方)であれば恐らく作品を鑑賞する上でキービジュアルになったであろうグロ(と思われる)シーンは、どれもでっかいいらすとや風の絵やモザイクで肝心の部分が全く見えない。いくらホラーが苦手でもこれは気になる。気になり過ぎて本バージョンを観る必要性に駆られる。

 ホラー苦手勢に免疫を付け本家に誘導する、それが本作の目論見なのだろう。恐怖回避処理を差し引いて考えれば平凡なB級映画ではあるが(グロビジュアルを見ないまま偉そうに言ってみる)。

 今、苦境に見舞われている映画館への支援であると思えば、お金を払って観る価値は十分にある。

ニコ