劇場公開日 2021年2月5日

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「作家性とエンタメ性」哀愁しんでれら marさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0作家性とエンタメ性

2022年7月22日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

劇中でも似たことを言ってたけど、自分自身に
「こうあるべき」みたいな理想像を設定することの怖さを描いたスリラー。
画面に入ってくる光が印象的な前半パートと、
少女・ヒカリのダークサイドが見えてくる後半の暗さとか
画づくりの部分ですごく好感のもてる作品だった。

賛否の分かれる最後の展開も、そこまで突飛には感じなかったというか
「理想像」を追求するには他人を排除するしかないっていうか。

特にひとりの親としての葛藤にはやっぱり共感するところが多くって
子どもとすごく良い関係を築いていた人の
「なんでも子どもと一緒に楽しめばいいんだよ」ってアドバイスが
簡単なようでけっこう難しいっていうか、
なんでも子どもに合わせてたら俺の人格ってどうなるんだというか。

本作はフィクションの世界という意味で
すごく面白いデフォルメをしていたと思うし、真理にも迫ってたと思う。
作家性とエンタメ性の両立が素晴らしかった。

mar