「海の近くのでっかい家に住む男と結婚する女は幸せになれない説。」哀愁しんでれら せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
海の近くのでっかい家に住む男と結婚する女は幸せになれない説。
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おじいちゃんが倒れた日に、家が家事になって、父親が職を失って、彼氏も職場の先輩と浮気してたことが発覚して人生どん底の小春が金持ちの医者と結婚するシンデレラストーリー。だけど、、って話。
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小春の母親は家を出ていってしまい、小春自身あんな母親にだけはなりたくないと思い、大吾の連れ子に至れり尽くせりするけど結局自分の母親と同じような行動を取ってしまうはめに。
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大吾も母親に叩かれたことから母親というものに無条件の愛情を注ぐべきという心情を抱いているけど、自分の子供を叩きそうになる。親の気持ちは親になってみないとわからないし、親は子供に無条件の愛情を与えるべきなんて幻想。
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母性神話という言葉があって、女の人は子供に無条件で愛情が与えられる能力が備わっているという幻想のこと。大吾が最後に描く絵はまさにそれを象徴してるなと思った。男も女も皆子供が生まれた瞬間から、徐々に親になっていくんだからちゃんと愛せなかったり失敗しちゃうもの。
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それ以前にこの子供は『エスター』だったけど(笑).
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あと色使いがすごく印象的で、小春が家庭に入ってからはおとぎ話だったら魔女を連想させる紫の服を着てる。一方で婚姻届を出すとき、家を飛び出す時、離婚すると告げた友達の服の色は黄色で、プリンセスだとベルのイメージなんだが、自分の意思で行動する時、本来の自分に戻るという象徴なのかな?.
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とにかく大吾の家が『スワロウ』の家とめっちゃ似てて、海の近くのでっかい家に住む男と結婚する女は幸せになれない説がまた1つ追加されました。
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