アングスト 不安のレビュー・感想・評価
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タイトルなし
上映開始が21時25分のレイトショーでしたがシネマート新宿に20代の若者が大勢観に来ていて、普段と違うシネマートの雰囲気にちょっとビックリ。 そしてシネマートさんの本作品への熱量が凄い。ロビーにアングストコーナが出来上がっていて、何故か“入れ歯”があり、??だったんですが、観終えて納得。最近こちらに行ったときは風呂まで出来ていて、劇中に登場するあのワンちゃんのTシャツまで販売してる🐶 コロナの影響を色々なアイディアでカバーしようとされているんだろうなぁ。(最近のシネコンでの韓国作品の上映権の絡みもあるのかな、、) 実際の殺人事件のお話しで、約40年も劇場公開を封印されていたという曰く付きの本作。 殺人犯を演じるアーウィン・レダーさんの演技というか表情が凄い。大きな目と大きな口元。不安を抱えながら、その不安を解消するためにおよぶ行為と表情が相まって狂気さを増す。。なんですが、行き当たりばったりで及ぶそのやり口は稚拙としか言いようがなくて、終演後の明るくなった劇場内で若い人達が話していた「シャワーくらい、あびろよ」の一言に集約されている気が、、 作品としては、撮影技術がとにかく凄く、主人公の狂った感覚を追体験するかのようなカメラワーク、引きからみせてゆく風景や俯瞰した映像にはひきつけられました。 個人的には、劇中で使用されていた事の起きる家に、池や地下みたいなところに通じる道も敷地内にあって、その構造にものすごく興味が沸きました。 噂ほどの衝撃はあまり無かったですけど、作品の雰囲気はキライではなかったです。。
触れ込みほどでは
カメラワークが真下や真上からなど空間を感じる表現が多かったと思います。 引きの構図、同じシーンの長回しが多く記録映画みたいでした。 ナレーション風の独白はありきたりな言い回しが多く、一般人には理解し得ない殺人者の狂気のようなものは感じませんでした。(翻訳の限界かもしれませんが...) 主人公があまりにも体力も計画性もないため現実の殺人の現場はこんなに泥臭いのかもしれないとも想像しました。 とはいえ悪魔の生け贄やハウスジャックビルトを押さえ、残酷なシリアルキラーものNo.1という評価はあまり腑に落ちないです。
見なければよかったと思った理由
映画が終わってまず思ったのは見なければよかったということだった。映画を見てそう思うこともなかなかない。なぜそう思ったのか考えてみた。 被害者をナイフでめった刺しにして、主人公も血まみれになるシーンはもちろん正視しにくいし、被害者の不気味に白い顔は何度も見たくない。 ほかにも水音、足音、不穏な音楽など、不快な要素は多いが、なにより不快なことの一つは、倫理的な葛藤を全く感じていない主人公が、異常な連続殺人を犯してしまう発想を理解できてしまうことであろう。 子供のころから置かれてきた環境が主人公の内にサディズムの種をまき、育ててしまった。自分を虐げ、自分の中に狂気を育てた者への復讐であり、その狂気の発露としての連続殺人である。 もう一つは、報われない連続殺人に主人公が必死で取り組んで、当然の帰結として報われないことである。 言うまでもなく殺人は報われるべきものでないが、主人公は血みどろになり汗だくになり右往左往して、おかしな表現であるが、一生懸命殺人に取り組んで、ほどなく捕まってしまう。その報われなさは我々の(私の)人生の報われなさを思わせる。 このように書いてみたが、しかし、感じたことを十分に書けた気がしない。よくまあどう思えばよいのかわからない映画を作ったものだと思う。
これは凄い。
まさに映画での表現にぴったりかな。 音声とカメラワークが凄い。 不快な感じの音声がずっと鳴らされて、カメラもずっと揺れてて、ドローンもない時代にあの撮影はすごい。こだわりを感じるね。 爽快感とか感動とかは全くないけど、凄い映画でした。
80年代に観たら衝撃を受けたかも
オーストリアで実際に起こった一家惨殺事件を1983年に映画化したものを日本初上映。37年前に作られたものであるということかポイント。 シリアルキラーの話はかなり映像化されているので、今観ると怖さやおぞましさを感じるわけでなく、目を背けたくなるような殺害シーンにもなってない。そりゃそうだ。 少し変わっているのが殺人者側の視点で語られるところ。計画を立てたとか絶対に捕まらないといいつつ、いきあたりばったりで緻密さのかけらもない殺しのシーンに苦笑してしまった。 唯一おっ!と思ったのがカメラアングル。冒頭から主人公の周りを撮影してるかのようなカメラワークだったり、ドローンがない時代にどう撮影したんだろ?と思うような俯瞰のアングルだったり。そんなのが印象に残るような映画だった。
ミニチュアダックスフンドの魅力
めちゃくちゃ気味悪いポスターに惹かれ、そして予告の「犬は無事です」バージョンを見て安心して(?)観に行きました。 シリアルキラー主観で展開される全くのいきあたりばったりに見られる犯行と「完璧な計画」「俺はついてる」「興奮する」とめちゃくちゃポジティブな思考のミスマッチさがまさに観ていてアングスト(不安)です。 検証映像の調書と本人の認識のズレも薄気味悪さがありますが。 とにかく犬がとてもかわいい。 ミニチュアダックスフンドにさほど興味ありませんでしたがこの映画を観てとても好きになりました。 ワングスト、おすすめです。
「37年前」では早過ぎたが、「37年後」は遅過ぎた……
話題になっていたのでいくつかのサイトで下調べをした上で鑑賞。 総じて「あまりハードルを上げないほうがいい」という評価が目に留まりやすかったのでそのつもりで見ました。 本当にその通りでした…… 一言で言うと、「"シリアルキラー""サイコパス"という言葉が知られた現代(の日本)だから公開できたが、それゆえに驚きがなかった」です。 まずこの映画の特徴の一つである主人公ヴェルナーの異常性。 確かに「理解できない行動をとる恐ろしい人間」ではあるのですが、彼が劇中ほとんど喋らない代わりにナレーションとモノローグで彼の異常性と心情……つまり「行動原理」を説明してしまいます。 しかも彼が行動を起こしたり次の場面に切り替わる前に全て説明し切ってしまう事も多く、彼の「異常性」「理解不能な行動」の持つ躍動感や緊迫感を著しく削いでいます。 (しかも長々と説明されるので、字幕で見ている事もあって余計に映像に集中できない) どちらかというとヴェルナーの「間抜けさ」「詰めの甘さ」が目立って見えるのですが、繰り返し「彼の綿密な計画は…」とか「今回は綿密に計画を立てて…」と説明してくるので非常にこの映画自体が滑稽に見えてしまいます。 そしてもう一つの特徴である「カメラワーク」。 コレにはいいところもありましたが、「良くないなぁ…」と思える所も少しありました。 基本的には「ヴェルナーの心情と言動、視点」を映し出すように撮影されていて、彼の興奮や不安を表現しているように感じました。 また、彼の性癖や異常性を際立たせるようなアングルも多く、物語にプラスに働いていた要素でしょう。 また、その他にも彼に狙われた人物が襲われるシーンなどでは、「被害者の主観視点⇄加害者の主観視点」の切り替えや、追いかけている・追われている時の顔のドアップなどは極限状態の心情が伝わって良かったです。 (本作の製作時点ではいざ知らず、40年近く経った今ではそのカメラワークがブラッシュアップされた作品がいくつもある、というのは度外視しています) ただ、「生々しさ」を伝える為か、あまり劇中内の時間が飛ばず、ヴェルナーが丸一日に体験した事の殆どを目の当たりにします。 彼の、そして物語のテンションがピークに達し、そこだけ一気に時間が飛んで、極端にトーンダウンした後の「事後処理」は前述のモノローグで全て説明する上に同じ事の繰り返しが多いので、特に遺体を運び出すシーンはとにかく退屈でした。 ここは「省略してもいいんじゃないか?」と考えてしまう要素がいくつかあって残念でした。 また演出や演技もチープな部分が目立ってしまいました。 主演のアーウィン・レダーさんはそこに「殺人鬼がいる」と思わせてくれる程際立っており、彼の間抜けにも思える凡ミスも「突然始まった」が故の高揚感と焦燥感の入り混じった心情描写に思えて鬼気迫るものがありました。 しかしその他の役者さん達の演技は日本のバラエティの再現VTRよりも酷いんじゃないかというほど表情の変わらない演技、そしてそれを写す顔のドアップ。 特に襲われた一家の人達の演技は「こ、殺される…!」という部分の直前まで無表情だったり棒立ちだったりと気の抜けたシーンになってる事が多かったです。 40年近くも前に撮られた映画にアレコレ言うのも野暮だとは思いますが、映画としての完成度は置いといて、せめてもう15年日本での公開が早ければ、文字通り「衝撃の話題作」になれたかもしれません。 現在の「多様性」という言葉と、そこに潜む危険性が認知された今では、「シリアルキラー」としても弱く、また「カメラワーク」も斬新ではなくなっているというのが、非常に惜しい作品なんじゃないでしょうか? (まあ、世の中がこの映画より前に進んでいることを実感できた、という意味では個人的に見て良かった作品だとは思いました)
○○の快楽と習慣性
作品の持つドライブ感が強烈。 文字通り、熱に浮かされたように殺戮に突き進む男とその顛末に唖然呆然。 緊張と緩和のバランスも絶妙で不謹慎極まる殺人コメディ。 「ジョーカー」も殺人者になるまでの憂鬱を描いて素晴らしく狂った映画でしたが、こちらのK君は完全にどうかしています。またその様子をシンプル且つストレートに観客に接続してくるのでタチが悪いです。 「ハウスジャックビルト」の水の滴る音はラースフォントリアーの良心だと感じる。 *観賞後の高揚感に注意「俺はついてるぜ!!」
評判通り個性爆発のカメラワーク。40年前と思えぬ俯瞰の使い方と、ど...
評判通り個性爆発のカメラワーク。40年前と思えぬ俯瞰の使い方と、どうやってるかわからない浮遊カット。恐らく役者にカメラを固定してるんだろうけど大したもの。
過激な内容な為、上映中止でなく不評のため打ち切りでは?
ひたすらに冗長、冗長、冗長。 死体を運ぶシーンや、町や家を徘徊する場面がやたら多く、そのシーンに伏線や緊張感を高める効果もなくひたすら退屈。 無駄なシーンを徹底的に編集し、60分の短編映画にすれば、そこそこの作品になったと思う。とはいえ、過激で危険な作品を期待すると大きな肩透かしを喰らう。この映画はスプラッターにも、サイコスリラーにもなっていません。 良かった点は、クラウス・シュルツェの音楽、犬と若い女優が美しいことくらい。 90分の映画が、体感三時間に感じた希有な作品でした。 商業映画における、編集の重要性を教えてくれた本作に感謝!
上映禁止になったのも納得
内容はあえて触れないとして、音楽の入り方めちゃくちゃかっこいいし、カメラの目線とか揺れ方とか上手くて感情移入してしまうというか…自分では?って錯覚してしまいそうになるのが恐ろしい…
なんか、不器用
斬新にも感じる演出描写、カメラワーク含め当時は下手くそって思われていそうな、本作一本で消えた監督。 冷静に語る主人公のナルシシズム的な完璧主義者と思いきや、行動の鈍臭さがイライラさせられながらの可笑しみが薄らと、全くもって計画通りに進まない展開に、そりゃ何度も捕まるワァ!と説得力が?? 強引にも自分の理想通りと言わんばかりな負け惜しみとしか思えない衝撃的なラスト、いや失敗してるジャン!とツッ込まずにはいられない展開にマヌケさが。 ギャル二人と爺さん、ウェイトレスの婆さん、主人公よりも不気味に感じる不穏感、カメラの動きが奇妙で興味津々、侵入してからの家族三人がまた変態的でもあり、初めて観るような場面の嫌ぁな新鮮味。 とにかく主人公の行動全てに、観ているコッチが不安を感じてしまう感覚。
カメラワークに心酔。異常者の思考を追体験。
都内で唯一公開されている場所は一か所のみ。 そのせいか平日でもほとんど満席で、初めの回を確保することができず、その次の回を予約し鑑賞しました。 そこがまずは意外な部分でもあったが、本編が上映され、本作の主人公を中心に画面が歩くリズムに合わせて振動しながら本人を追う。 その時点で撮影技法に一気に心を奪われてしまった。 その後、話は進み、釈放されてからの一件が起きる。 それまでにも鑑賞してる者に先を読ませず、常に彼から離れずに突発な心情と行動を捉えるカメラワークに心酔。それのせいもあってか、犯人の心理にいちいち同情してしまう瞬間がある。非常に目の離せない作品でした。 ちなみに邦題の"不安" どう捉えるかは、人それぞれだ。ただ、"不安クフルト"というホットスナックを販売しているシネマートのネーミングセンスに乾杯。それを横目にジンジャエールの大きい方をつい購入してしまいました。 ある種、映画好きのための映画であり、空間であり、 作品を通して非常に上質なあり得ない体験ができたことを私は誇りに思う。
とても変で不快な作品ですが、それを狙ったのならある意味凄い作品です。
過去にVHSビデオソフトで発売され、その異様なカメラワークや内容で一部都市伝説的な作品が何故か今になって劇場公開されると聞けば、変な映画好きには興味が沸きw、ポスター画像の精神的に来る様な恐怖モノな感じで結構期待して観賞しました。
都内では「シネマート新宿」のみの上映で、この手のモノが大好きな「ヒューマントラストシネマ渋谷」でなかったのも興味がそそられましたw
自分が観賞した回は完売の満員御礼。
コロナのソーシャルディスタンスとは言え、この時期での満員はかなり凄い。
となれば否応にも期待は高まります。
で、感想はと言うと…えっ?と言う感じで一言で言うと変な映画。
不安と言うよりか、個人的な感想は不快な感じの作品です。
…でも、この不快で不安定な感じをあえて狙ったのであれば、凄い作品かも。
終始付きまとう「?」が頭から消えないんですよね。
シリアルキラー、サイコキラーの心情を描いていると思うんですが、どうにも理解出来ない。
今年の2月に観た「アントラム 史上最も呪われた映画」どころの騒ぎではない(アレはある意味狙った感じのコメディでもあると思うのでw)
サディスティックな殺人鬼が殺人行為に興奮し、自分が殺害した死体を見せて、恐れおののいた顔を見て悦に浸ると言う精神異常者の話であるんですが、そもそもシリアルキラーの気持ちを理解する事は出来ないし、そこに至るまでの幼少期の体験からの行動も理解し難い。
そもそも行き当たりばったりな感じの行動で犯罪(殺人)を犯していき、行き急ぐかの様に行うが、"なに、そんなに焦ってるねん"と言いたくなるばかりに焦ってる。
それがガススタンドのダイナーで食事する行動や車に乗り込むのに白の上着がドアに挟まれて、裾が車から出ているのにも現れている。
「早く殺人を犯したい!次の生け贄が驚く顔が見たい!」と言う気持ちの現れかも知れませんが"もうちょっと落ち着け"と言いたくなる。
"それがシリアルキラーの心境だ!"と言われればそうなんですがw
カメラワークは常に俯瞰で撮る感じで当時なら結構凄いかも?と思えたとしても、今ならドローンを使った撮影で大して珍しく感じない。
また、主人公に設置されたステディカメラでのカメラワークがどうにもバラエティの芸人さんのレポート映像みたいで、周囲が結構揺れるので観ていてなんか気持ち悪くなりますw
音楽も終始単調かつ不安を駆られる様な音楽がリピート的に流れて"なんだかなぁ~"的だし。
実在の殺人鬼による事件を題材としていて、反社会的な内容からオーストリアでは1週間で上映打ち切りとなり、ヨーロッパ各国で上映禁止。
イギリスとドイツではビデオの発売も禁止され、アメリカでもXXX指定がついたとの事ですが、XXX指定ってなんか凄そうな感じがするんですが、実際にはR18を表すモノで、アダルト作品なんかを指しているのと同じで、なんか過剰に過激な作品と言うのを煽っている感じでもあるんですよね。
正直に30年前なら結構キタとしても、今ならそうでも無い。そう感じない。
だからこそ"何故、今になって公開された?"と言うのが謎なんですよね~
精神的に来るかと言えば来ますし、終始不快な感じで理解出来ない(しづらい)のが展開されるから、シリアルキラーの気持ちが解らないと、この作品の伝えたい事が伝わらないと言う所が自分の中での着地点です。
ただ、それでも「何故こんな作品を作ろうとしたのか?と何故作ったのか?」は気になりますね。
「悪魔のいけにえ」の様に過激ではないし、「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクター博士の様に知的でもない。
その微妙で理解し難い気持ち悪さが絶妙と言えば絶妙w
主人公も絶妙な感じで不快感を醸し出してますが演じるアーウィン・レダーは「U・ボート」や「アンダーワールド」にも出ているのでそれなりに実力派ですが、なかなかな作品チョイスですw
今回の劇場公開ではダンテの「神曲 地獄篇」の一節「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」と言う言葉が飾られてますが、"そこまで言う程かぁ~"な感じでこの辺りもアントラム臭がするんですよねw
感じた事を狙って製作したのなら、確かに凄い作品ですが、ならば余計に"なんで今更の上映やねん。もうちょい早くせいよ!"と言いたくなるし、かと言って理解はし難い。
う~んアンニュイな作品ですなw
アングスト=不安と題名ですが、個人的には
不快=Discomfort、yucky
俯瞰=Bird's-eye view、Overlook
の方がしっくりくるかな。
いろんなシリアルキラー物の作品がありますが、個人的にはどれも割りと合わないし、しっくり来ない。でも、そのしっくり来ない部分を理解しようとして、その先を見ようと踏み込むとかなり危ない作品なのかも。その先にある触れてはいけない感性の部分で上映禁止となったなら頷けます。
密かに話題になってる作品ですが、個人的にはあんまりお勧めは出来ません。
でも、変な映画が好きな人には押さえておかなければいけない作品かと思いますw
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