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デスカムトゥルー : 特集

2020年6月22日更新

また面白い作品見つけた!MX4D&4DXとも異なる新感覚、体験したくない?
これは映画か、ゲームか…物語の主人公は、本郷奏多と“あなた”!

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この作品の登場は“事件”だ。本郷奏多が主演した「デスカムトゥルー」(Twitterアカウント @DeathComeTrue)は、実写の映像とゲームのギミックを融合させた“インタラクティブコンテンツ”である。

今やおなじみとなったMX4Dや4DXは、映像と座席を連動させることで“作品への没入感”を喚起していた。一方で本作は、異なるアプローチで観客/プレイヤーを物語の世界に引き込む。類似作品にNetflixの「ブラック・ミラー バンダースナッチ」があるが、それともまた少し違う新感覚だ。

本特集では「作品概要」、「映画.com編集部員が実際に体験してみたレビュー」、そして「他作品とどこが違うのか」を記述していこう。

※6月25日にスマートフォン(iOS、Android)版、Nintendo Switch版が発売。価格は映画鑑賞とほぼ同額の1960円(税込み)。今後はPS4、PCでもリリースされる予定。

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【どんな作品?】世界的にも希少な“インタラクティブ・コンテンツ”!
観客に迫られる決断… あなたの選択が、物語の展開を変える!

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[システム] 観客の選択で物語がいくつも分岐…映画では得られない体験

鑑賞/プレイを始めると、実写の物語が進行していく。映像を見ている最中、画面に突然、主人公の「次の行動」を決める選択肢がいくつか表示される。どれかを選ぶと場面が先へ進む。別の行動を選ぶと、また別の展開が待っている――。

物語を動かすのは、ほかでもない“あなた”である。後述のレビューで詳しく説明するが、そのことが「映画を見ているだけでは得られない体験」をもたらすことになる。

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[物語] しかもタイムループもの! 死ぬたびに同じ朝を迎える連続殺人犯

舞台は、スタンリー・キューブリック監督作「シャイニング」を彷彿させる瀟洒なホテル。主人公は、連続殺人事件の犯人として指名手配された記憶喪失のカラキマコト(本郷)。「死ぬと、死んだ日の朝に戻る」現象にとらわれた主人公が、何者かに追われながらも“選択”と“死”を繰り返し、ある真実を目指す姿を描いた。

ゲーム「ダンガンロンパ」シリーズの小高和剛がシナリオ&ディレクターを務めた本作、ジャンルはいわゆる“タイムループもの”だ。

ビル・マーレイ主演の傑作「恋はデジャ・ブ」や、日本のSF小説をトム・クルーズ主演で実写化した「オール・ユー・ニード・イズ・キル」、女子大生が“自分が殺される誕生日”を繰り返す様子を描いた「ハッピー・デス・デイ」など、多くの名作を生み出したキャッチーな設定でもある。

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[実際の映像] 映画を見ながら、ゲームをしている感覚に

作品の概要をより具体的にイメージしてもらうべく、映像を用意してもらった。約2分の短い映像だが、その独自性がより深く伝わると思う。


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【実際にやってみた】 映画ファンが体験すると…
“主人公の気持ち”が心からわかった…!MX4D&4DXとも異なる未知の感動

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● 鑑賞中、唐突に出現する初体験の“衝撃”と“快感”

映画.com編集部員が、実際にスマートフォン版を鑑賞/プレイしてみた。スマホのホーム画面に並ぶ本作アプリをタップすると、黒い画面にイザナギゲームズのロゴが浮かび上がる。本郷がネタバレ防止を呼びかける映像が続き、最後にタイトルメニューが現れた。

今から僕は、映画を見るのか、それともゲームをプレイするのか。どちらともつかない不思議な感覚を抱きながら「START」を押した。ちなみに前情報をまったく入れずに鑑賞/プレイしているので、これから起こることは何も知らない。

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主人公カラキマコトは、ホテルの一室で目を覚ます。頭が痛む。自分が誰なのか思い出せない。テレビはつけっぱなしになっていて、ふざけたニュースキャスターが顔写真とともに「連続殺人犯カラキマコトが逃走した」と報じている。

自分が連続殺人犯? 記憶がまったくない……。主人公が戸惑いながら部屋を探索すると、バスルームには手足を縛られた女性(刑事のようだ)が倒れていた。「ドンドン! ドンドンドン!」。いきなり、部屋のドアが勢いよくノックされた。のぞき穴を見ると、そこには警察官が立っていた。

どうする主人公、君、連続殺人犯なんだろ。僕が物語に没入し、行く末を注視していると、映像がピタッと止まり「ケイサツを入れる」という文字が画面に表示された。

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うおお、なんか出た! 選択肢かな? しかも視点はGoogleのストリートビューみたいにグリグリ動かせる。衝撃を覚えつつ、とりあえず「ケイサツを入れる」を選んでみる。すると主人公と警察官がもみ合いになり、銃が暴発。主人公はあっけなく死んでしまった。

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えっ……? 「あなたは死にました」という文字が画面いっぱいに広がり、その下に「続ける」「終了する」の選択肢が現れた。「続ける」をタップする。時間が巻き戻り「ケイサツを入れる」の画面に舞い戻ってきた。

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警察官をなかに入れると、結果はさっきと同じなのでは? ほかに手はないかと、画面を右にスワイプさせると「クローゼットに隠れる」が表示された。選択できる行動が追加されている! 今度は「クローゼットに隠れる」を選んでみる。すると、警察官をやり過ごすことができた。

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そういうことか、と合点がいった。と同時に、自分の選択が作品世界に影響を与えることの“快感”が、全身に流れ込んできた。なんて楽しいんだ……! 鑑賞/プレイ開始からものの10分ほどで、もう本作の虜だった。


● 映画の主人公はこんな心境だったのか もはや僕は、座席で傍観する観客ではない

体験していて何より強く感じたのは、ほかの映像作品にはない“特殊な没入感”だ。劇中、本郷扮する主人公と、栗山千明演じる刑事(縄で手を縛られている)が初めて会話する場面。

刑事は主人公を逮捕するためやってきたが、ホテル内に潜んでいた“正体不明の大男”に襲われ大ピンチに。窮地を脱するまで、2人は休戦することになる。

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そこで刑事は、ほほ笑みながら「この縄をほどいてくれる?」と語りかける。まるで画面越しの僕に、話しかけているみたいだった。僕は「信じて大丈夫? 映画のお約束パターン『ほどいたら騙し討ち』されるのでは」とハラハラした。すると、2つの選択肢が表示された。

「縄をほどく」「縄をほどかない」

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よくできてる……! 思わずスマホを強く握り、唸ってしまった。この刑事はなぜか、信じてみたくなる。しかし、もしも縄をほどいて騙し討ちされたら目も当てられない。どうする、どっちが正しい選択なんだ?

「物語の主人公になった気分」を、これほど強く感じたのは初めてかもしれない。映画でよく見る「信じる or 信じない」の場面、主人公たちはこのような感情に囚われていたのか……。決断を迫る局面が、本作には数多く登場する。

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そのことが、本作の観客/プレイヤーに、MX4Dや4DXとは異なる没入感をもたらしてくれる。この作品を体験する僕たちは、スクリーンを隔てた観客席で、物語の行方を見守る傍観者ではない。物語のなかに生き、自分の行動により未来を切り開く主人公なのだ。製作陣からの、そんなアツいメッセージをビンビン感じながら、一気にエンディングまで突き進んでしまった。

ちなみに「ほどく」「ほどかない」の先の展開はどうなるか? 申し訳ないが、それはぜひ、自身の目で確かめてみてほしい。なお、エンディングは複数存在する。

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【これまでの作品と何が違う?】あまりに豪華なキャスト、静止画ではない映像…
どれも“ハイレベルな邦画”並みの品質

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[キャスト]各世代でトップクラスの実力派が集結 特典要素も充実

実写を盛り込んだゲームはこれまでに数多くあるが、本作はそれらとどこが違うのか。まず思い当たるのが、キャストの豪華さと密度だ。

「キングダム」の本郷奏多を筆頭に、「キル・ビル」の栗山千明、「レディ・プレイヤー1」の森崎ウィン、「ウルトラマンジード」の山本千尋、「銀魂」の佐藤二朗、「進撃の巨人」などの人気声優・梶裕貴が出演し、芝居でぶつかり合っている。

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さらに、ゲームならではのコレクション要素も充実。劇中で“デスメダル”をゲットすると、撮影のメイキング映像やオフショットを見ることができるようになる。映画作品であればBlu-rayなどに収録されるような特典が、ふんだんに盛り込まれており、ファンの心をくすぐる。

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[映像]どこを見ても一線級のクオリティ “実在感”が半端じゃない

ほぼ全編が「静止画ではない映像」で構成されている点にも注目。カメラワーク、音楽、照明、衣装、録音、音響、演出、脚本など、どれをとっても一線級、大作邦画並みのクオリティである。このことが、他のコンテンツと異なる最大のポイントと言える。

そうしたリッチな映像が、観客/プレイヤーが“物語の世界”に実在している感覚を強くする。そんな感覚を味わえるのは、後にも先にも、この「デスカムトゥルー」だけなのではないだろうか。

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