ハーフ・オブ・イット 面白いのはこれからのレビュー・感想・評価
全30件中、21~30件目を表示
【心優しき”チャイニーズ・ガール”が書いた”数々”の手紙が齎したモノ】
プラトンの「饗宴」の言葉から始まるオープニング。
そして、”古代、人間には4本の手足と2つの顔があった・・”という言葉と共に描かれる”アニメーション”を見て、
ー”この作品、面白いぞ・・”と期待高まる。ー
・エリー・チュウさんは5歳の時、中国徐州からアメリカの田舎町に父と二人で来た女学生。
周囲から”代筆”を頼まれて、家の収入に当てている。
(お父さんはイロイロあって、無職・・)
頑張っているのだが、周囲からは”少し軽く”見られている。”チュウチュウポッポー”
・ポール・マンスキー君は文才がないが、気も体格も良い男子学生。
・アスター・フロレスさんは美人で、聡明で、本が好きな女学生。
ー今作はこの三人が、繰り広げる素敵な”ラブ・ストーリー”である。ー
■印象的な場面は数多いが、
・エリーのお父さんは、英語が苦手で、毎日映画を観る日々。
ー序盤はエリーと2人で映画を観る所からポールが真ん中に入り、3人で観るシーンの流れ・・。ー
・ポールとアスターの”噛み合わない”デートを心配して、エリーが携帯メールで店の外からサポートするシーンの面白き事!。
・エリーが学芸会で、美しい声でアコースティック・ギターを弾きながら歌う姿。そして、拍手喝采の中、級友たちに受け容れられていく姿。
・エリーとアスターが温泉に入るシーン。
ーこのシーンは、特に良いなあ。ー
・エリーの無口な父が、エリーとポールに語る言葉・・。
ーそして、教会での皆の前での”3人の告解”シーン。-
<とてもセンスの良い、”ガール・ミーツ・ガール&ボーイ”ムービーである。
”新たな世界”に旅立つエリーとその姿に懸命にエールを送るポールの姿も素晴らしい作品である。
鑑賞中、鑑賞後、じんわりと幸せな気持ちになれます・・。>
「恋愛映画」ではない。「愛についての映画」だ。観た後「愛とは何か?」について考えよ。
「愛」とは何か?
「愛」という言葉はただの記号に過ぎない。「愛」は定義不可能。「愛」の正体は、よくわからないけど心の中で内発的に沸き起こる感情。それが「愛」なんだろうな。
偉大な哲学者の「愛」をいくら勉強したところで、永遠に「愛」を知ることはできない。なぜなら、机上の「愛」には体験が伴っていないからだ。各々の体験を経た上で各々の「愛」の形が得られる。個々は様々に異なる。故に、様々な体験がある。だから、「愛」にも様々な形がある。
無論、人参ぶら下げてコントロールできるような、外発的な人間の振る舞いは「愛」ではない。助け合ったり、欲しい物を互いに交換することで「愛」は醸成されない。この映画の主人公エリーとポールの間の関係は、互いに助け合うことで良い感じになっていくように見えるんだけど、それは「愛」ではないんだよね。互いの利益を最大化することは「愛」ではない。
しかし・・・長く時間を共にすることで、互い生活を体験する。そこに共感がある。この「共感」も「愛」らしき感情なんだよな。これは外発的な人間の振る舞いによるものだ。
愛って何なんだ。わからん。
人間の成長プロセスがリアルに描かれていたなぁ。これも面白かった。
エリーは頭が良いんだ。知識は豊富。器用になんでもこなす。偉大な哲学者や思想の残した「愛」についての詩も知っている。しかし彼女には体験がない。そんな彼女が「愛」を体験していくんだよね。映画のラストで、彼女は「愛」が厄介なものだと身に染みて分かったことと思う。そして、彼女は詩を残す(温泉のシーンね♨️)。
知識を得て、それによって体験を得て、そこからまた新たな知識を得る。
知識などたいした意味はねー。これは道具に過ぎない。知識という道具を使って体験を得る。その体験から創作される知識には意味がある。机上の知識だけでグダグダ公爵垂れてる奴は死ねばいい(自分に言ってるつもりなので悪しからず)。いくら本を読んでも何も新しいことを知ることはできねーんだ。なぜなら、知識など後付けに過ぎねぇからだ。体験の後に、知識があるんだよ。机上の空論ゴミ野郎は無視無視。
面倒臭いこと色々抜きにして、なんと言ってもこの映画、笑えるんです。めっちゃ面白い。コメディの撮り方が絶妙。画面の隅々まで愛に溢れてる笑。
他の人のこの映画の感想を見ると・・・「LGBTは良い」「キリスト教は怖い」「人種問題は良くない」・・・てさ・・・どうでも良くね?
というのも、確かにこの映画のモチーフに「LGBT」「キリスト教」「人種」はあると思う。でも、それはメインテーマではないような気がしたんだよね。
「愛」という「記号(机上だけの知識)」だけ理解しても、体験を経ていなければ、それは理解したことにはならないんだぜ!。正にこの映画の主張がそれだと思うんだよな。
「LGBT、宗教、人種問題」。多分、ほとんどの人間が、体験を経ずに、記号だけでグダグダ書いてるんだろうな。そんな知識何の意味もない。
感想に「LGBT映画としてダメ」「人種問題を扱った映画としては甘い」とか書くのやめて欲しいな。この映画に関しては、その辺は、どうでも良いんだよ。
良くも悪くもあっさり。
映画で描くには、一つ一つのテーマが深くできるからこそ内容としては浅かったかなと思います。
魅せ方は好きですが、LGBTを扱うならもっと繊細に描くべきですし、音楽を混ぜるならそちらの描写が足りません。除け者が認められるには、除け者らしくないですし、将来への不安、田舎の特性を描くには舞台設定に説明がなさすぎますし、恋愛を描くなら伝わるような工夫が必要かと思います。
だからこそ、1時間45分で足りないところを小説なら補える。傑作の予感がします。代筆のアイデアや、関係性の作り方はとても面白いですからね!
アイデアも素晴らしいですが、私が思う良いところは良くも悪くもあっさりしてるところです。まず、見ていて心地がいいですね。視覚的にも美しい描写が多いので、それだけでも楽しめます。青春映画として、私はもう一度みてもいいなと思う内容でした。
ネット検索したらロマンティックコメディとありましたが、それは流石にないでしょう…
この監督の作品は今後も注目したいです
地味だがどんな青春映画よりも胸にささる傑作
これはわたしの青春時代だからだ。
今作を観て改めて、共感性がどれだけわたしと映画にとって大切かを感じた。
ストーリーのはじまりはすごくロマンチックでドキドキするものだった。
身分を隠して、好きな人と文通をする。
だがこれはエイミーにとっては、もうひとつの意味を持つ。
彼女はポールの姿を代理に、恋愛を楽しんでいるのだった。
結局、触れることは叶わないのだけど、そのときのエイミーにとっては、
最高のシチュエーションだっただろう。
今作はいかにもありがちなラブコメではない。
よくあるのは、手紙の代筆をすきな人に頼まれたとかね。
それ以上に切ないシチュエーションをこの映画では見事に描いている。
また、ポールが全然嫌なやつじゃないのもミソだよね。
本当に憎めないいいやつで、だからこそ、より物語がカオスになるのだけれど。
彼が最初は美人だからってだけで相手を選んでいたのが、
内面に変わっていくのも見どころだよね。
彼もしっかり成長している。
あとエイミーのお父さんの存在もよかったー
「私みたいになるな。」って、父親としてどうかと思ってたけど、
今思うと、こんな勇気ある父が欲しかったなあ。
アスターを見ていると学生時代のある人を思い出してしまって、
余計にエイミーに感情移入してしまったよ…
正直、ほんと出だしからうるうるきていたのだけど、
この映画コメディ要素もしっかり笑えるから、
絶望的な気持ちにはならないのよね。
最初はエイミーを抱きしめたくて仕方なかったけれど、
もうラストにはそんなこと思う必要が一切なかったね。
それほどに強くなってた。
彼女自身の”大胆な愛“のおかげだね。
複雑だが、ピュアな三人が愛おしくて、
ああ、本当に出会い方さえ違ければなあ、と思った。
でもああいう形で全力でぶつかってっていう日々を送りたかったなあ。
(ウォールフラワーや17歳の肖像を思い出したりしました。)
若いうちに本作に出会えていればと心底思った。
こういう映画が作られることに本当に感謝している。
こんなにもゲイがあっさりと描かれて、チャイニーズが
当たり前のように主演して、恋をして、
そんな映画が作られるようになったのか。
今の若者の背中を押す一作。
苦しんでいる人にこそ見てほしい。
(学生時代のわたしにも見せたい一本。)
アリス・ウー監督、絶妙なバランス!
予告編観てスルーしてしまってましたが、評判いいのでチェックしたらマッチ度98%でした。これ結構当てになるんです。
映画、文学、哲学、絵画、人種問題、LGBT、宗教...様々なエッセンスをまぶしてゴチャゴチャになりそうなのにコミカルな味付けまで施して、絶妙な仕上がり。それぞれのキャラの内面までしっかり描いてるのもお見事!
映画と三角関係は相性いいのです。自分も若い頃3人で遊ぶの好きだったな~、トリュフォーの影響か?(笑)
あとシャロン・ヴァン・エッテンのSVENTEENとか使ってるのも嬉しい🎶
監督・脚本アリス・ウー、確かな腕前なので是非御賞味あれ❗
観て良かったよ!サンキュー!
ガキンチョの恋愛もんかと
なかなか引き込まれた。
イライラもあったけど
見入ってしまった。
田舎町の高校生
エリーは、地味な中国人
ポールは、馬鹿面のアメフトの補欠
そんなポールは、町1番の美人アスターに
恋をし恋文の代筆をエリーに頼んで
話はややこしく!
エンディングのbreak tie rulesが楽しい曲だ!
言葉を大切にする映画
ここまで言葉を大切にした映画にはめったに出会えない。
エリーとアスターの手紙のやりとり、音楽がない言葉と言葉の間の静けさ。ひたすら言葉を、そしてそれに乗った登場人物たちの切実な気持ちを大切にしたからこそ作られた傑作だと思う。寂しさと、歓びを感じた。アリス・ウー監督の作品は今後も絶対見ると思う。
面白いのは、そう!ここから
ツイッターで話題になってて観てみた。
ハードルは少し上がってたと思う。
導入部、男にラブレターの代筆を頼まれて、
断るのだけど、お金が必要でやる事にする。
と言うのがとても自然で、期待させた。
ここから良いラブレターで、
全く可能性がない彼の事を好きになって、
好きになったのに代筆がバレて傷つけて、
彼女は彼を、彼は主人公を、主人公は彼女を好きになって、
面白くなるぞ!
と思ってたらドラマチックな題材の割に淡々と、
もっと盛り上がるはずのところが盛り上がらず、
ギターのシーンも、もっと盛り上がる演出があったはず、
これでは自分が客だったら寝てるか、
同情の拍手だったなと思った。
ただ、主人公の彼女を最初は地味な子だと思ってたけど、
どんどん可愛く見えて来て、
男の子の方が、顔とキャラが合っててとても可愛いかった。
馬鹿で鈍臭い感じがピッタリだった。
ラストの幕の閉じ方は綺麗で、
彼女と主人公のケジメのつけ方、
電車を追いかけてくる馬鹿、のフリから
ラストの男の子が追いかけて来るシーンはとても良かった。
絶対あれをやるはずだし、
そういう狙ってないけど可愛いところが彼の良いところだと
思った。
題名通り、まさに面白いのはここからだよな。
と思いました。
全30件中、21~30件目を表示