「前作のノリを継承しつつも話に意外性は無く、少々粗め」ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ mokusin takataniさんの映画レビュー(感想・評価)
前作のノリを継承しつつも話に意外性は無く、少々粗め
本作の敵はカーネイジという赤いヴェノムみたいな奴との対決がメイン。
そこにバディもののお約束として、エディとヴェノムの仲違い要素が入ってくるが
この間に敵の大暴れ無双振りを入れて中だるみ具合を緩和、ついでに
カーネイジ打倒のカギとなるシーンも入れてるので、後半のヴェノムとの対決では
違和感なくその要素を受け入れられ、尺の短さもあって前作より飽きる所少なめ。
ただ、終始意外性もなく淡々と進むので、ポスターに銘打たれたカーネイジへの
危機感を感じる間もなく倒されてしまうのは少々物足りなさを感じた。
新?ヒロインに、カーネイジの意中の彼女が出るが、その存在はカーネイジ弱体化
要素の扱いに留まる。原作にいるかは知らんが、超音波めいたデカい声が武器な
うえ性格が好戦的で思考を働かせない動きをするので、必然的にカーネイジとの
不和が深まっていく、その間をとりなすのがカーネイジの宿主であるシリアルキラー
なのが笑える。覚醒した時は傍若無人な殺戮を楽しんでたのにいざ彼女と
合流してからは二人の間に挟まれて苦労人感が溢れ出て何だか哀れ。
ヒロインと言えば、前作から続投のエディの元カノの人格者ぶりが兎に角すごい。
エディへのフォローを心掛け、ヴェノムの自尊心をくすぐり仲違いの解消に文字通り
体張って(肉体を借す的意味で)貢献する姿は、ある意味敵サイドのヒロインとは
対照的な感じに見える。
新キャラで難聴刑事が出てるが、地味なうえ嫌味ったらしくて好きじゃない。
終盤、この刑事が闇落ちしたのか眼に不穏な光が走るが、エンドクレジット後を
見るにこの要素は捨て置かれるのだろうか、マーベルユニバースに合流するのか
それともただのサービスか…第三弾もあるそうだがどうなるのだろう。
ところでヴェノムが家出した後、宿主をとっかえひっかえするのだが、どう見ても
宿主サイドが死んでてびっくり。さらに細かい所を思い返すとなぜエディの血を
飲んだらカーネイジが誕生?なぜ相対した時ヴェノムが「赤はヤバい」といったのか
なぜ刑事が悪落ち?状態になったのかなぜユニバースに合流できたのか
なぜ、なぜ、なぜと粗を探すとキリがない内容なのは事実、下手すれば前作よりも
粗の多さは増加しているかも。