「赤 VS 黒」ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
赤 VS 黒
マーベルのダーク・ヒーロー再び登場。最近、マーベル作品においても、単なる勧善懲悪的なヒーローものではなく、本作のヴェノムやデッド・プールなど、残虐性や凶暴性の強いヒーローの活躍を描いていますね。こうした流れも、多様な価値観の産物なのか…?98分の作品である為、マーベル作品にしては、上映時間が短く感じ、こじんまりとまとまってしまった感はある。
「悪い奴しか食わない」という制約のもとに、エディーの体に寄生するようになったヴェノム。それなりに、凸凹コンビで巧くやっていたが、次第に、ヴェノムが食に対する欲求不満から諍いが絶えなくなる。そして、一度は互いに、嫌気を示して決別をする。
そんな折、サイコキラーで死刑囚のクレタスがエディーに興味を示して、再会したエディー。そこで、クレスタがエディーに噛みついたことから、クレスタが赤いヴェノムの凄まじい力を宿し、カーネイジへと変貌を遂げる。そして、黒のヴェノムと赤のカーネイジとの戦闘が幕を開ける。
本作の面白さは、もちろんヴェノムの激しい戦闘シーンにあるが、決してグロさはなく、テンポよい迫力ある映像シーンにある。そして、エディーに寄生するヴェノムとの心の会話により、口は悪いが、本当は互いを必要としている親友めいた関係性を描いているところにもある。ガキの喧嘩の様なコミカルな会話に、思わずクスッと笑ってしまう。また、元恋人だったアンとの切ない関係性も、本作の重要な役割となっている。
エディー役のトム・ハーディーは、落ちぶれたジャーナリスト役には、ピッタリの配役。また、悪役クレスタを演じたウッディ・ハレルソンは、スキンヘッドのイメージが強いのだが、今回はかなり痩せて、髪もあり、サイコパスらいしい異常な様相を醸し出していた。007に出演していたナオミ・ハリスも出演しており、超能力を有する彼女は、同じくマーベル作品の『Xメン』との関連性を想起させる役所だった。
エンドロールでは、マーベルお決まりの、オマケつき。アベンジャーズの一員のあのヒーローが登場する中、そう言えば、ヴェノムが独り立ちする前の原点を思い出した。次は、どんな展開になるのだろうと期待させるエンディングである。