「【人生は空模様のように、気まぐれに変わる。尚、今作は”実存主義を描いた失敗作”では、決してない。】」レイニーデイ・イン・ニューヨーク NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【人生は空模様のように、気まぐれに変わる。尚、今作は”実存主義を描いた失敗作”では、決してない。】
ー序盤、ギャツビー(ティモシー・シャラメ)の恋人アシュレー(エル・ファニング)が著名な映画監督ローランド・ポラード(リーブ・シュレイバー)に急遽インタビューするシーンで、監督が”君にはゴシップネタをあげよう・・。私はこの新作が気に入らないんだ!”と言ってから、試写室にアシュレーを連れ、映画を観ている途中で”吐き気がする。実存主義を描いた失敗作だ。”と吐き捨て、出ていくシーンがある。
嫌な予感がする・・。いつもの、ウディ・アレンの悪い癖が出なければ良いが・・。-
序盤は、ギャツビーが予定を立てたデートプランが、映画監督ローランドの気まぐれにより、アシュレーが引っ張りまわされ、更に人気スター”フランシスコ・ヴェガ”の一夜の恋人になる辺りまではガチャガチャしている。
ーが、若い二人が気まぐれな運命に翻弄される姿が可愛らしく、面白い。ー
約束をすっぽかされたギャツビーは且つての恋人の妹(セレーナ・ゴメス)にも振り回され、得意のポーカーで稼いだ金であることをする・・。
ーこの後、スノッブだと思って、敬遠していた母がギャツビーにある事実を告げるシーンは白眉だったなあ。-
<ウディ・アレン御大の作品の中では傑作ではないが、実存主義の視点から市井の人々の移ろいゆく心情を描いた佳品である。>
■蛇足 近年、ジュード・ロウが出演していても、直ぐに気付かないのは、私だけであろうか? オーラを消しているのかな?
ジュード・ロウを落ち目のスターとして起用するのも監督の小技ですね(笑)
となるとティモシー・シャラメも将来”落ち目カメオ・リスト”には登っているのかも。
でも監督の年齢からしてギリギリセーフでしょうか?