恋する寄生虫のレビュー・感想・評価
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思っていた以上にかなり好みの映画でした
最初からすごく斬新でアートだった。
映像が良い!CG入ったかと思えばフランス映画のよう。
激しい内容なのかと思ったけど、美しい風景と美しい音楽の中、ただただ無垢で純粋で美しい2人が不器用に恋していく過程に引き込まれていった。
とにかく主演の2人の演技が素晴らしく、演出でさらにそれを引き立てていたと思う。
マイノリティである意味と何が自分にとっての幸せなのかを考えさせられる。
場面場面は画面がキレイだっただけに、繋げたらテーマがブレた印象。恋...
場面場面は画面がキレイだっただけに、繋げたらテーマがブレた印象。恋愛なのに、主人公がヒロインを好きになる過程が伝わらなかった。どこで好きになったんだろう?
映像・音楽と脚本のバランスが悪い
予告編を見た時は映像や音楽が自分の好みな感じだったので、本作品は結構期待していたのですが実際は自分の好みの内容ではありませんでした。
自分なりの理由を色々と考えてみたのですが、おそらく寄生虫に関するセリフは抽象的・文学的なんだけど寄生虫をヴィジュアル化しているので寄生虫の扱いが中途半端になってしまったからだと感じました。
和泉が乗る車、ストーリー的には普通の車でいいのになぜ昭和の旧車なのかもよく分かりませんでした。
映像・音楽を追求した結果、脚本とのバランスがおかしくなってしまった典型的な作品。
公開初日なのに観客数もかなり少なめで大コケ必至な予感です。
音楽が心地よくて、撮り方が美しくて、役者がいい
登場人物がほぼ2人で余計な情報が入ってこないので、アレコレ考えずに素直に映像を眺めていると2人の感情にすぐにのめり込めた。
原作と違うと言われても原案だと言ってるから、それはそれとして見た方がいいと思う。
映像で表現するには難しい設定を林遣都さんと小松菜奈さんが、上手くバランスをとって表現していて、どこか愛おしいキャラクターにもなっていた
映像的にリアルな表現を、無理と感じるかは個人差かな。私は痛々しいのとか、気持ち悪いのとか、得意な方ではないけど、これは許容範囲内。それ以上に美しい映像に目を奪われた。
音も映像も演技も、余韻が心地いい
ファンタジーと恋愛モノの中間地点みたいな物語を実力派俳優達が彩る作品
最近の邦画のダメダメなところですが、予告編でストーリーの大半を語ってしまってるのはどうしてでしょうかね…あれ、ホントもったいないです。
この作品もそうですが、ストーリーが風変わりな分、ネタバレとも言うべきラストを予告編でバラすのはマジで無いと思います。ああ、どうせあのオチよねって思われながら、機械的にストーリーを追われるのはどうなんだろう。みんなその話知ってるわけじゃないんだぞ?
そんなこんなで結構楽しみにしてました、この映画。
結論を申し上げますと、個人的にはなかなか面白かったです。寄生虫が宿主である人間の感情を左右させるという、一見ホラーな展開を恋愛モノに昇華させるとか。なかなかパッと思いつかんです。虫の話なのに切ない。どういうことだ。
あと、キャストさんが絶妙でしたね。最近は爽やかお父さん役ばかりやっている井浦新さんが、久々にクセのある二面性のある役をやられてました。いいぞもっとやれ。
メインキャストの小松菜奈さんと林遣都さん。ビジュアルと演技力を兼ね備える実力派のお二人ですが、この二人の掛け合いが実に素晴らしく純粋で可愛らしかったです。汚れた己の心が浄化されるようでした。
登場人物がほぼメインキャストの4人のみで展開される珍しい作品なので、大人数でわちゃわちゃするような作品が好きな方には受け付けないかと思います。
ただ、映像美を堪能したい方や一風変わったストーリーを楽しみたい方、小松菜奈さんクラスタの方には全力で推せる作品です。
猫狂い?…喜んで!
極度の潔癖症の27歳男性が極度の視線恐怖症のJKの面倒をみることになり打ち解けあって行く話。
バスの中で気分が悪くなり下車して倒れた男性に遭遇したJKが、彼を自宅の病院に搬送したことが切っ掛けで巻き起こっていくストーリー。
一瞬だけど違うSF作品観に来ちゃった?と思わせる始まりから、それぞれの症状と出会い、そして再会と展開していくけれど、頭の中に虫ですか?
脅迫されつつも彼ならば2ヵ月25万なら御の字でしょう。なお仕事を通して交流していく様は、症状こそ違えども、同じコンプレックスを抱える2人だからこそだし、初めて出会えた理解しあえる人だし、お互い外観のスペックもねぇw
トキソプラズマの話は聞いたことがあったけど、だとしたら潔癖症なり視線恐怖症なりの症状がもうちょい軽そうな…と思いつつもやっぱり虫ですか?比喩的表現じゃなく本当に虫がいる体ということか?…本当にそういう体だ。
実在の寄生虫をネタにちょっと変わった、というか現実ではあり得ない、感染症を題材にした恋愛物語という面白さはあったけど、山場での熱い吐露に???
100%寄生虫の影響だけか?排除しても気持ちが残る可能性だってあるんじゃ?という疑問も浮かんだりもしたけれど、虫のせいにした恋愛劇という変化球がなかなか面白かった。
数年後とかいう展開があるならまだしも、小松菜奈でJK期のみというのはちょっと厳しい気が…小松菜奈自体は素晴らしいんだけどね。
他の役者さんにするかJK設定無くすかした方が良かったんじゃないかな。
映画は映画監督に撮らせてほしい
映像作家らしい斬新で面白い映像と音楽。これがMVか何かだったら絶賛していたと思う。
だがこれは映画なのだ。
原作の「マイノリティな二人の切ないラブストーリーが、中盤の唐突な寄生虫カミングアウトによって世界が崩れ去る」衝撃は映画にはなかった。
映像に注力しすぎるが故に、いろいろと芸達者な役者たちに丸投げしすぎたどころか、過剰な映像演出がふたりの表現を妨げていたような気もした。
スターダストは最近映像作家とのコラボが多い気がするが、餅は餅屋である。映画は映画監督に撮らせてほしい。
原作の、設定が矛盾だらけの鬱エンドが回避されたのはよかったが、「サイレントナイト」によるすれ違い演出は残してほしかった。
ハッピーエンドなのは良いが、ドリフターズのコントの終わりのようでポカーンだった。
映像美と音楽で魅せる異色なラブストーリー
良くも悪くもミュージックビデオのような映画。数々のMVやCMを手がけてきた柿本ケンサク監督らしいカメラワークや色づかいと、音楽とのセッションがとてもクールだ。
特に冒頭の主演ふたりが登場するシーンは引き込まれる。想像していた恋愛映画の印象とは異なり意表をつかれた。監督曰くそういったいろいろな角度から観られることを伝えたかったらしい。
音楽は総勢13組に作ってもらっているようだがそれぞれかっこよく、かと言ってバラバラではなく統一感もあって、ラストAwichの主題歌がしっかり締めてくれる。
英語の曲から最後だけ日本語の曲となって、観ている人に寄り添っていく演出をしたとのこと。
ただ(原作は読んでないが)ストーリーは薄く、なんでいきなりそうなるという唐突感は否めない。感情移入はできなかった。
寄生虫を表現するから仕方がないが、寄生獣的なCGがたまに入ってきてちょっと世界観を崩していた。なくても想像のなかだけで成立したのではないか。
マイノリティー(弱者)に手を差し伸べる映画のはずだがあまりメッセージも伝わってこなかった。
映像クリエイターとして新しい映画スタイルへの挑戦は素晴らしく次回作に期待したい。
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