「【”事実は小説より奇なり・・か?” ”ある事件”を調査する二人の男が、その事件の裏の更に大きな闇の組織の存在に気付き・・。グイグイと引き込まれていくドキュメンタリー映画。真偽や如何に・・。】」誰がハマーショルドを殺したか NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”事実は小説より奇なり・・か?” ”ある事件”を調査する二人の男が、その事件の裏の更に大きな闇の組織の存在に気付き・・。グイグイと引き込まれていくドキュメンタリー映画。真偽や如何に・・。】
ースウェーデン人のダグ・ハマーショルドは、1953年に歴代最年少(47歳)で第2代国連事務総長に選出させる。
理想主義者であった彼は、東西冷戦状態の時代の中、又黒人の人権が確立していない中、反植民地の考えの基にアフリカの人々を支配国から取り戻す動き<イスラエルとアラブ諸国の紛争調停、西洋諸国の植民地化から独立するアフリカの国々の調停>に出た。
当然、南アフリカや、西洋諸国からは敵視されることになった。
1961年9月18日、彼はコンゴ動乱における停戦調停のため、モイーズ・チョンべ大統領と会談するためにアフリカを訪問していたが、チャーター機が墜落し事故死する。
何故か、詳しい調査がされないまま、長らくこの事故は原因不明のままになっている。ー
■今作の監督、マッツ・ブリュガーと長年ハマーショルド事件を追うヨーランが事件の真相を追ううちに、その背後にあった謎の闇組織が存在していた事に気付き・・。
<謎の闇組織>
◆南アフリカ海洋研究所 サイマー
その最高責任者のマクスウェル(故人)及びサイマーの真実の姿が、二人の調査で徐々に明らかになって行く過程が実に面白い。
・サイマーは海洋研究などしてはおらず、傭兵養成所など複数の闇のミッションをこなす組織であった事
・マクスウェルについては、複雑な人物であったが、根本は白人至上主義者であった事。カリスマ性を備えていたという証言や、晩年は精神を病んでいたという証言、常に白づくめの衣装を身に着け、医者を自称していた事・・。
・サイマーの文書にハマーショルド暗殺計画が記されていた事。ハマーショルドの死体の襟元にあった”♠のA”の意味。
・ブリュガーとヨーランが、且つてサイマーに所属していた人々に連絡を取るが悉く断られるが、”何故か”アレクサンダー・ジョーンズだけが、インタビューに答える。そして、彼の口から述べられる驚愕の事柄の数々。
-黒人に予防接種と称して、HIVウイルスを注射していた・・etc.ー
<ハマーショルド事件の真相に迫るブリュガーとヨーランが辿り着く衝撃の<事実>。
だが、この事実は世界的に容認されているわけではなく、国連の長年の調査にも、南アフリカと英国のみが拒否しているというテロップが流れるラスト。
真偽や如何に・・。>
<2020年10月18日 刈谷日劇にて鑑賞>