「盗聴は犯罪です。」ホテルローヤル Bacchusさんの映画レビュー(感想・評価)
盗聴は犯罪です。
釧路の郊外にポツンと建つラブホテル「ローヤル」の終末期と、そこの娘で後を継いだ娘の話。
廃墟となったローヤルに、カメラマンとヌードモデルが撮影にやって来て、そこからホテルのその昔のお話しへと展開していく流れで、札幌の美大の受験に失敗し、将来に迷う主人公だったが、母親が業者の若い男と駆け落ちしたことから、ラブホテルのおかみとなっていく中、様々な客が現れて…というストーリー。
客としてみせるのは惰性感とどこか微笑ましさを感じる熟年夫婦と、最早ストーリのメインになりそうな、両親に捨てられた女子高生と不倫する嫁に何も言えない高校教師という殆ど2組。
そして、惰性と仕方なくで始めた仕事だけど、性格を映した几帳面さは感じる仕事っぷり。
だけど、心は感じられずという主人公。
伊藤沙莉と冨手麻妙は本日2作目じゃないかw
そして安田顕が出て来るとコミカルなことやりそうな感じだけど、今回はありません。
出来事としては、あらすじに書かれているところが殆どだけど、他の登場人物に主人公が共感し、という流れはなかなかユニーク。
少しコミカルでガチガチではないけれど、しっとりとアイデンティティを考え向き合うと共に、前を向く物語が、哀しく優しく力強く、なかなか面白かった。
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