「共学はいいなぁ~青春とはブルーハーツだ!」君が世界のはじまり YAS!さんの映画レビュー(感想・評価)
共学はいいなぁ~青春とはブルーハーツだ!
女子3人に対しては、初めから何とか見分けができたが、男子については
中盤以降まで、見分けがつかずに、最初は裏表ある、不思議な男子1名に3人の女の子がアプローチする映画だと思っていました。
しかしでも、どう考えても、男子が2人居るような気になり、
終盤の”スーパーで大雨を凌ぐ”シーンの段階になり、ようやく
やっぱり、2人なんだ。。。。と確信できました。
でも主人公・琴子はどこに? 主人公が重要シーンで出てこない?
ちょっと前にデートが上手くいかず、ゆかり嬢とギクシャクしている事は理解していたが、2女子が喧嘩するまでのシーンはなかったし。。。
そして3人目男子がカップルで登場! でやっと、この映画が”男女6人の青春群像劇”であることが理解できた。
50過ぎのおじさんである僕が、
若い人に置いて行かれる事必然。
でも、登場人物達が並んで青春を語るシーンは往年の山田太一さんのドラマの様でもあり、嬉しかった。
やっと紐が解けて、主人公が誰で、どうして副題がついたかも
映画の冒頭シーンの役割も
男子の”被りキャラ”自体がこの映画のテーマにも繋がるという
キャスティングセンスの素晴らしさ。
帰宅して、監督を調べたら、まだ29歳
数ある音楽の中から、ザ・ブルーハーツを選んだことも凄いし
劇中の各描写と表現力には脱帽
繊細なハイティーンの心の不安定さまで、よく表現できているのは、監督が小説家でもあるからなのか。。。
早い話、完璧な映画だという事
この映画は日本の青春映画の新たな指針を示したと思う。
”ふくだももこ”さんという名前は小説家として、映画監督として必ず覚えておく必要があるだろう。
この映画は僕的には☆4.8なので、書き込みを5にするか4.5にするか悩みました。
減点ポイントをあげると、今の高校生に「ザ・ブルーハーツ」は知らないだろうと思うからです。
例え、6人の中で音楽好きな1名が知っていても、他の5人が歌えることはないと思いました。
この映画の設定を2000年位にすれば、まだいいが
スーパーに「2019年 クリスマス」と大きく垂れ幕があったので。。。
映画の業平さんに出会った”使っていない別建物の教室”にホコリとかがなく、綺麗だった事は気に成りました。
これだけ、細かなことまで詰めていた映画なのに。。。
今は少子化だから、同建物でも、音楽準備室とか、ほとんど人が来ない部屋はあったのに。。。
無理やり、欠点を探しても、この2点のみが減点ポイント
脚本もいいし、撮影もいい
ライティングも好感度カメラをあえて使わず、影をうまく出しており、スーパーの照明もこれでいい。各所に映画の雰囲気をよく出していた。
BGMの選曲も編曲もこの映画との相性は抜群。
演者も皆、上手いし、その演出も完璧
ちょっとだけ、服の肩をずらすだけでも、ゆかり譲が恋に落ちた事が伝わった。
最後に、29歳の監督ということで、☆5
今後が楽しみだ。
大雨で、スーパーで雨宿りするシーンを観て「台風クラブ」が頭に浮かんだ。
これからは日本の青春映画として、台風クラブに変わり、この映画がいつも頭に浮かぶと思う。
(一晩考えました)
リアルに2019年12月大阪の片田舎で、高校2年生が深夜はじけて歌うなら
きっと違う歌でしょう。
僕ら大人には判らない、紅白にも出てこない違う歌。
しかし、それを聞く、僕も監督にも
聞こえてくるのは「人にやさしく(ブルーハーツ)」なのだと思います。
リアルドキュメントではなく、映画なのですから、それが演出というもの
「なりひら」さんの名前が出た段階で、監督の素性が解った気がしましたが、
関西弁を上手に劇中で活かし、毎食の練り物愛がよく伝わりました。
監督はとても素敵だと思います。これからは応援し、期待します!