「高校生による青春と、世間にぶつける アンチテーゼ」君が世界のはじまり かわちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
高校生による青春と、世間にぶつける アンチテーゼ
いささか、綺麗ごとを映したような、青春群像劇に仕上がっているのかと思っていたが、まったく違う。大人になれない高校生の、ガキみたいな足掻きと、爆発寸前な心たち。ヒリヒリするような、賞味期限付きの青春。
学校でも異彩を放つ、特別な女の子、琴子にくっつく縁。この二人を中心に、恋、家族、未来、希望…退屈なものすべてを見下しながら、大人を演じようとする。爆発しそうな何かを持ちながら。沸点にまで達し、爆発しそうなその瞬間。高校生が「ガキ」になるあの感覚は痺れた。
言葉にすることが難しいムズムズした感情を残していって、とても苦しい。濃密でイタイ彼女たちの青春は、ブルーハーツが、唯一の救いであり、讃美歌。世間に対しての、小さなアンチテーゼに感じた。
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