護られなかった者たちへのレビュー・感想・評価
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立場、立場による言い分、
佐藤健の役者としての光った作品だった、瑛太、緒方直人の立場に立った言い分も理解出来る演技やそれを掘り起こして行く阿部寛の演技もやはり目を引く物があった、邦画が久しぶりに社会を深く掘り起こした問題を投げかける作品でした。
政治のにおいがした
円山さんがカンちゃんと分かってからは、カンちゃんが犯人でそれを悟った佐藤健がかばうというストーリーが見え透いてしまい、それ以上なかったのが凄い残念。
3人の愛情にはものすごい感動したからこそ、ストーリーに不満がある。
何もしてないのに公務執行妨害で逮捕されるのかわいそうだし、公務執行妨害で逮捕したのに、傷害未遂罪で逮捕と報道されるし、そもそも傷害未遂なんて罪あるの?ってつっこみどころがちらほら。
女性にあの犯行は無理でしょ!3.11関係あるの?法改正の話いる?と言いたい。
黄色いジャンパーの伏線はよく分からない。阿部寛が息子とカンちゃんを重てて、それを護ろうとした佐藤健の構図なんだろうけど、最後に佐藤健が黄色いジャンパーの少年を救えなかった話をするのも唐突で、無理矢理過ぎる。
阿部寛、佐藤健、倍賞さんの演技は半端じゃなかった。
あと、政治のにおいがした。
テーマは良し
原作未読。
ミステリかと思わせておいて、生活保護制度への問題提起、ひいては現行政権への不信感をテーマとした作品だった。震災を絡めてくるあたりはちょっとズルいかなとも思うが、まさに今の問題をテーマとするその意気は良しと感じた。今作は良い方の瀬々だったかな。
あと、ベテランの役者に混じって、清原果耶の演技が見事だった。表情、とくにその目力。言葉で語らずとも伝わる感情に圧倒されてしまった。
色々と不自然な点が
まず良かった点は大どんでん返し。
犯人が違うのは何となく伏線があったが、
まさかあの子だとは予想外だった。
悪い点としては
・汚名挽回(誤用表現)という言葉があった
・ミスリードを誘うため伏線として佐藤健に「そっちこほ辞めた方がいいよ」と幹ちゃんが言うが、犯人が幹ちゃんだと話の辻褄が合わない
・幹ちゃんが吉岡秀隆を殺すまでのシーンが長い、
中々殺さない。阿部寛も捕まえずずっと待ってる
・そもそも女一人であのガタイのいい男たちの殺人は無理やろ
などなど。
色々矛盾点はありましたが
楽しめました。
事前にあらすじを把握してないと理解し辛い
全体的には良い映画だと思う。
出演俳優の演技力の高さと華やかなルックスによって悲痛な出来事ながら映画自体に華があり、非常に惹きつけられた。
ですが、泰久兄ちゃん、カンちゃん、ケイさんの3人の関係が映画だけ観てても分からない事と、字幕で時期を表示する様な説明もないまま、シーンの移り変わりが激しく、時系列もわかり辛いのが難点だと感じたが、俳優陣の演技力の高さには目を見張るものがあり、心に響く作品の一つになった。
少し残念なのは、若い女性ひとりで成人男性の体の自由を奪って餓死させると言うのが、現実的ではないのと、そこに至るまでの犯行の一部始終は描かれておらず、空き家に連れ込むまでの一連の流れが部分的にでも描かれていればなおリアリティがあって良かったと思う。
泰久さんが配給のパンを巡ってカンちゃんの為に憤り、一般市民に取り押さえられ、水溜まりの中に顔を押し付けられるシーンは本来なら目を覆いたくなる様な痛々しい有り様だけど、震災で一瞬にして日常を奪われた人の心の荒みがよく描かれていると感じた。
不正受給がまかり通る人がいる中、本当に必要としてる人には辞退申請に持ち込もうとする役所の人間による入れ知恵があり、どこの社会でも弱者は侮られる現実に、生物の本能とでも言うべきか、弱肉強食の法則に無意識に従う言動をとってる本人が気付いてない所に人間の真の恐ろしさとは無意識に行われる事の中にあると感じた。
あらすじを把握した広い視界の観点で観ると、回数を重ねるほど心に沁みる映画だと思う。
声をあげて生きて欲しい
関東に住み仕事がある自分の生活は311でほぼ変わらなかったけれども、かんちゃんや泰久の様に311により人生が大きく変わった人達が日本には沢山いるんですよね。いや待て、自分の生活が変わらなかったと思っている私は、相当鈍感な人間なのではないか?沢山の人達の人生が変わったのだから、私の生活が変わらないわけがない。日本が変わらないわけがない。
けいさんは、健康で文化的な最低限の生活を保障している日本国憲法の下で暮らしているにもかかわらず、制度により困窮を余儀なくされた国民の象徴として描かれていました。生活保護制度を「使わない」「使えない」のは、同調圧力に弱い控えめな国民性ということもありますが、餓死者を出す一番の原因は、国民性よりも国をあげての生活保護受給者ネガティブキャンペーンにあると思います。厚労省から自治体にかけられる圧力からも、国家権力の悪意を感じとりました。税金とは?
だからこそ監督は、権力の圧力が強い中でも、どんなに辛い事があったとしても、皆が声をあげてあきらめないで生きて欲しいというメッセージを作品に込めたのだと思います。
そして、かんちゃんは、今最も貧困化が進んでいる若い女性の怒りを表しているようでした。よほどのことがない限り、女性はあんな殺し方はしません。フィクションとはいえ、学費や生活費の為にパパ活をしたり風俗で働く若い女性やご飯も食べられないシングルマザーと、まともな雇用を破壊し貧困を招いた権力のことを考えずにはいられませんでした。
フェリーニもケン・ローチもポン・ジュノも山田洋次も、不器用でずる賢くてだらしない貧乏人の視点から社会を描いてきました。村上春樹は壁を権力に卵を庶民に例えて、壁がどんなに正しかろうとも卵がどんなに間違っていようとも、自分は常に卵の側に立つというスピーチをしました。本作に出てきた人物は皆真面目に生きていましたが、本来真面目じゃなくてもいい加減でも、誰でも生きられる保障が権利なんですよね。映画の醍醐味は、真面目でも不真面目でも庶民に対する愛情を描いているところだと思います。
時系列が分かりにくいですが
震災よりも生活保護について、ということは漏れ聞いていたので、そこをどう表現するのだろうか、と思って見ていました。
佐藤健さん演じる青年の心情表現が、キャラクター的に口数が少なくて、彼への感情移入が少ししづらく、また避難所で少女(カンちゃん)から配給のパンが奪われてしまった時、彼女のためにパンを!と言えばいいのにただがむしゃらに列を無視して取りに行くことで周りから迷惑者扱いされてしまう演出が釈然としませんでした。ちゃんと並んでいた女の子にもパンを!と正当な主張をすればいいのに、何故彼がこういう性格なのか、説明が無く、
またなんとなく避難所でおばあさんとカンちゃんと主役の彼と、3人がいくら他に身寄りが無かったとはいえ、3人があっという間に「いつも一緒にいる人達」っぽくなっていて、展開の早さに付いていけませんでした。
そんなに急に、他人どうしですぐ、おかえりとかただいまって言えるものなのかな?と違和感。。
後から「救えなかった男の子と似た黄色い上着を着ていた女の子だから助けたかった」と、最後の最後で理由が語られますが、説明遅い。。という感じで。3人が一緒にうどんを食べるシーンも、多分感動的なのかもしれませんが、あまり伝わらず、演出や説明不足が残念でした。
あと時系列がとっ散らかっていて、映画として分かりにくかったです。
せっかく、生活保護の①不正受給阻止も、本当に困っていて財産なども無いなら②正当な支給も、うまく機能しなければならずとても難しい問題に斬り込んだ、考えさせられる題材を取り上げているのに、演出、見せ方、時系列の分かりにくさがもったいない、と思いました。
あと、一応彼女の犯罪の様子を再現してはいましたが、どう考えても大人の男の人を22〜3歳?くらいの女性1人がスタンガンのみでアパート2階に引きずって運ぶとか、生きたまま放置して餓死させるんだからまだ犯罪時点で男の人は生きてるわけで、拘束するまでの手順?簡単に同じ車に乗ってくれるものなのか?車中でスタンガン当てても、多少手を振り払われたら形成逆転しないのか?
と、別に格闘技も何も心得無さそうな女性1人で男の人を拘束出来たことがめちゃめちゃ疑問で。。毒殺とかじゃなく、物理的に生きたまま拘束するのが真実味が無くてちょっとあ然としました。
また佐藤健君が多分ガムテープかロープ?ナイフ?を買ってるシーンがあったけど、結局建物の入口に放火と、最後の議員には謝罪を要求するための脅し用ナイフを買っただけ?
おばあさんの生活保護をきちんと受給させてあげなかった職員達を恨むわりには「死んでいい人間なんていないんだ」と、職員達も擁護することになるセリフに違和感。このセリフは、生活に困窮している人達が誰ひとり見捨てられてはならない、の意味だと思うのですが、職員を餓死させたカンちゃんを諭しているなら職員を餓死という同じ目に合わせちゃ駄目だ、にも聞こえて。。それ自体は人としては正論ですが、あんなに職員達を恨んで無かった??と脚本が分かりにくかったです。
放火について新しい職場の面接で話す時、「あまりにも対応が酷くて火を付けました」と言っていたので、確かに建物の入口付近のコンクリートを燃やしただけっぽいけど、万一風が強い日で窓が開いていたりしたら、火の粉が建物内部に入り、万一残業している人がいたら被害を受けないとも限らない。それをした人が言うセリフとして説得力があまり無くて脚本が残念でした。
でも佐藤健君と阿部寛さんの眼光の鋭い演技は良かったです。
またこの物語とは関係無いですが、警察の上の方の役職にまた鶴見辰吾さんがいて、あー署長と緋村剣心がいる〜!と個人的に嬉しかったです。
一番最初の外の被災した様子、建物やその他の散乱した物の再現は凄かったので、脚本だけ惜しいな、と思いました。
心沁みる映画でした
護られなかった人はたくさんいる。震災、津波、生活保護、その中で死んではダメと言った人や、誰も見取られないまま死んでいく時代になったと言い放つ人。抗いつつも生きていこうとする力は、人に守られていると実感することなんだ。不正受給する怖い男に対し強気の態度に出る幹子のように。
おかえりなさい。その言葉に護られて。
最後の自分の息子を護れなかった阿部寛が救われた言葉。
心に残る物語。展開に少し難があるものの、登場人物一人一人が自分と重ね合わせて見るともう泣けて仕方ない。
期待し過ぎた
初めてこの映画のポスターを見た時から
面白そうだな、絶対見ようと思っていた作品。原作も読んで公開を待ってました。
結果は、、
うーん 原作の方がずっといい。
ミステリーとしてのハラハラや謎も薄れ、原作にあるどんでん返し部分も
早々に明かしてしまってあっさり。
ケイと二人の話に重点置いたのかと思いきやそっちもあっさり。涙なしでは見られないと謳ってたようだけど泣けなかったな。
ただ役者陣の演技はみんな良かった!
佐藤健が泥水に顔をつけているシーン
素晴らしい作品でした。
気になる点が2つ。
予告で流れてるいる佐藤健が『ふざけるなーー』と叫びながら泥水に顔をつけているシーン。予告で楽しみにしていたシーンはてっきり警察官に取り抑えられてると思いきや、配給の割り込みをして震災の避難所の一般市民に抑えられてるという点。いやいやそこまで一般市民が抑えつけないでしょ。やり過ぎですよ。
永山瑛太と緒形直人が生活保護の権利や法律、建前のことで佐藤健に役場前で大声で煽るシーン。公務員の人で煽る人も探せばいるかも知れないけど、少し現実的ではないかなと。もう少し公務員を描くならリアリティが欲しかったです、あのシーンは脚色しすぎです。
清原果耶は演技も良かったです。可愛いです。
やり切れない想いの果てにあるもの
全ての希望も喜びも一瞬で流された弱きものたちの一縷の望みにすがる想いが踏み躙られ、そのことが与えるどうしようもない憎悪、その吐口すらないままま生きる人の行動。
許されないことを自覚しつつも、その衝動に突き動かされる哀しみにどうしようもなく心を奪われました。
そして捕まり死を自覚したものたちがおもう想いとはどんなものだったのだろうか。
それぞれの哀しみを誰が背負い分かち合う事が出来るのだろう。もしそのことが出来なくても寄り添い生きることの重要性を謳ってる様に思いました。
最後の言葉と倍賞美津子さんの姿がとても印象的でした。
悪い意味で裏切られた
原作に感動し映画を楽しみにしていましたが出来栄えは残念の一言。
まず、キャスト。良かったのは佐藤健君と倍賞美津子さん。2点はこのふたりへ。
脚本家と監督によるものと思いますが至る所が原作とは異なりそれも改悪です。
主な変更点は、
・3人の出会い
・カンちゃんの性別
・カンちゃんの母親
・カンちゃんに対するいじめ
・利根の刑務所仲間(五代)
・利根の女装
・けいの身寄り
・けいの生活保護辞退(ではない)
・上崎の人柄
・けいの最後のメッセージ
細かい点はもっとあります。
なぜこれほどまでの変更が必要だったのか。
原作者(中山千里)は本当に認めたのでしょうか。
残念でなりません。
原作をお読みでない方、ご一読を推奨します。
面白かったとは思うが、私に合わなかった
非常に評価が高かったため鑑賞してきました。
以前から映画館に行く度に予告編映像が流れていたので、「東日本大震災関連の映画なのかな」という程度の事前知識で鑑賞しました。
結論ですが、これ東日本大震災映画じゃなくて生活保護映画ですね。役者陣の演技もしっかりしているし物語としても面白いし社会問題に切り込んだ内容になっているので、一定以上のクオリティは保証されている映画だとは思いました。しかしながら、私には社会問題に切り込んだ作品の割にはどうしても中途半端に見えます。生活保護の不正受給などの問題は一昔前にテレビで散々取り沙汰されてましたし、正直そこまで深堀りされているようにも感じず、震災との関連付けも今一つ。「なんで今更生活保護を題材にしたんだろう」「結局国政批判に落ち着いてしまっているのはどうなんだろう」って感じてしまいました。
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東日本大震災から9年が経過して復興が進んでいる宮城県で、男性が縛られた状態で監禁されて餓死するという凄惨な連続殺人事件が発生した。犠牲者はいずれも役所で生活保護受給に関する仕事を行なっていた善人と呼ばれる人たち。過去にあったトラブルなどから、一人の男が捜査線上に浮かびあがる。それは過去に放火事件を起こしたことで服役していた利根(佐藤健)という男だった。
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「生活保護」というテーマ自体を否定するつもりは毛頭ないんですけど、数年前からテレビのワイドショーなどでも散々取り沙汰されてきた話題ですので、表面的な問題提起は見飽きている人も多いであろうテーマです。それ故に、劇中での描き方にもう一工夫欲しかったです。
例えば、以前鑑賞した『ヤクザと家族』という映画は暴対法の矛盾点を一般人ではなく暴力団の視点から描いたことで新鮮味があり、一見良さそうな「暴対法」という法律について考えさせられる構成になっていましたが、本作には新たな視点から法律や制度の矛盾点を突くような構成は無く、悪い意味で素直な構成になっていました。それ故に私には「生活保護という周知の社会問題について深い掘り下げも新たな視点も無く描いた説教臭い映画」にしか見えませんでした。
また、東日本大震災と関連付けて描いていることに対しても、必然性は今一つ感じることができませんでした。
本作で最も悲劇的に、センセーショナルに描かれていた倍賞美津子さん演じるけいさんの死。「生活保護を拒否されて餓死」というのは確かにショッキングでしたが、東日本大震災と関係づけて描かれてしまったせいで生活保護の問題としては薄い内容になってしまったように感じられます。実際に起こった事件で言えば、2007年には北九州市の男性が、2020年には大阪府の母子が生活保護を打ち切られて餓死するという事件が発生しています。生活保護受給拒否の問題は全国どこでも誰にでも起こりうる問題のはずですが、本作では東日本大震災を絡めたストーリーにしてしまったせいでそれが感じられず、被災地の問題のように観える描かれ方になっていたのは非常に不満です。
こういう震災とか社会問題とか社会的弱者(LGBTや生活困窮者や弱い立場の女性)について描いている映画って、批判的意見言いづらいんですよね。「弱者の盾」という言い方をするんですけど、本作を批判してしまうと生活保護受給者や震災の被災者を批判しているような構図になってしまうので、何となく批判しづらいし高評価しないといけない雰囲気ができあがってしまいます。一応弁明しておきますけど、私は生活保護受給者や被災者を批判するような意図は全くありません。単純に「この映画が」苦手なだけです。「震災」と「生活保護」という本来独立した問題を強引に関連付けなければもう少しシンプルに分かりやすく、更に社会問題に深く切り込んだ描写ができたのではないかと思います。
ただ先にも述べた通り、決してつまらなかったわけではありません。全体的なストーリーは普通に楽しめましたし、役者陣の演技も見事でした。主演の佐藤健さんや刑事役の阿部寛さん、心優しい被災女性のけいを演じた倍賞美津子さんなど、どの役者さんも素晴らしかった。特に、最近大活躍中の若手女優である清原果耶さん。先日鑑賞した『花束みたいな恋をした』にも出演していましたが、その時は映画終盤のほんの数分の出演だったのでしっかり演技を観るのは今回が初めてでしたが、本当に素晴らしかった。今後の映画業界をけん引する実力派女優さんだと思います。
多少の不満点はありましたが、今観るべき作品だったと思います。オススメです。
良作ではある
かなりメッセージ性の強い作品であり、現実を直視する視点が強調されているので、次回の日本アカデミー賞では作品賞候補の筆頭にあがるやも知れない。
ただ、女性が単独で抗う男性を餓死に至らしめるほど強固な拘束ができるだろうか…。
この作品が言わんとする事は充分に理解できるのだが、惜しむらくはリアリティーに難有りと言わざるを得ないラストになってしまったことである。
映画のこのあり方が好き。原理原則の日本人、いや全人類が観るべきもの。
いろんな社会系ミステリーを観てきて
この映画がツボに入ったように一番好きで感動した
原作者の構想、監督の腕と俳優たちの演技に感心
(とくに利根さん、かんちゃん、けいさんの三人の人間像がとても好きで思い出すだけで涙脆くなる)
主旨の「声をあげれば、誰かが応えてくれる」
本当にそうかな
映画では悪人誰一人いなかったが、実際の社会ではそうにはいかないと観る人みんな思うだろうし
「全ての人を助けられない」と感じることも同じく多いだろうから
けど、少なくてもこの映画はもがいた
映画の中の人々、もがいた
その意義が大きかった
震災から長く経った今更でなく、今こそだ
震災から立ち直るためでなく、震災から学ぶためだ
(そしてついにこの映画なら実際の社会をより良い方向へ導けるのでは
と感性的に期待を抱いちゃう)
何より
監督の呼び掛け方がうま過ぎる
過去ー共感
10年後ー思考
最後に両者がうまく融合できたのだ
最も好きなところ
利根がかんちゃんを止める時初めて、彼の本当の優しさが10年も経ってようやく分かった気がした
表現の仕方がリアルすぎる
震災避難所の暴力行為、事件でイラつく警察たち、口数の少なくいきなり過激な行動を振る舞う容疑者...
最初騒々しいシーンがひたすら切り替えられ
俳優がみんなイライラした性格の人物を演じたことからの違和感も結局貴重なリアリティーに感じたくらい
もう一回見たくなった
深いようで死ぬほど浅いクソ映画
原作読めば違うのかもしれないが、高評価の意味がわからない映画
3.11と生活保護という大変社会的な題材なので騙された
中身が無い
スッカスカ
だって俳優陣めちゃくちゃ喋るじゃん
いきなり国連とか出してきちゃって
しかもセリフが合ってない
今このシーンでそのセリフは意味が繋がらない
という代物ばかり
最後の囲み取材だって長い
映像で魅せる、感動させるということが苦手なのかこの監督は。
あとね、犯人の動機が不明
公務員が可哀想になる
みんなあくまで仕事ですからね?
犯人だって同じ課にいてわかるよね?大変なの
てか殺人事件と3.11を繋げるなよ
失礼だよ
みんな必死に生きてたのに
まぁ、それはさておき今年一のクソ映画でした
ほら観て皆さん!!3.11!生活保護!孤児!涙出るよね!?感動するよね!?
ていう感じがもう感動の押し付け
シラけた
何度もタイトルにしてますが、考えさせられました。
いやあ実に深い!そして重い!現代日本の問題点をえぐるような題材。
やはり『友罪』の瀬々監督らしい社会問題に食い込む切り口。
また『糸』で感じたやるせなさ、切なさをひしひしと感じる展開でした。
それにしてもいい役者さん揃いでしたね。
鬼気迫る佐藤健さんの見事な演技。ほとんど笑わない利根(佐藤健さん)に「笑いなさい」っていうケイ(倍賞美津子さん)のシーンは、『あん』で「美味しいときは笑うんですよ!」って永瀬正敏さんをたしなめる樹木希林さんを彷彿とさせました。
また阿部寛さんの刑事役(笘篠誠一郎)とバディの林遣都さん(蓮田)は『新参者』の加賀恭一郎と松宮(溝端淳平さん)を思い出しましたが、加賀さんよりさらに癖が強い、でも真実を追いかける強い執念を感じました。阿部さん、佐藤さんとも目力では日本でも5本指に入りそうですね。
この二人の主役はもちろんのこと、女優陣、倍賞美津子さん、清原果耶さんは(新旧と言っては失礼ですが)日本の映画界に欠かせないベテランと新進女優の代表にすら感じます。あと大切な脇役としての瑛太さん、緒形直人さん、吉岡秀隆さん、出番は少ないですが安定の演技の渡辺真起子さん、宇野祥平さん、井之脇海さんも、あと最近出まくってる感のある岩松了さん、皆さんいい味出してました。それから忘れちゃいけない子供時代のカンちゃん(石井心咲さん)もいい表情、演技してましたね!今後が楽しみです。
数々の代表作を持つ佐藤健さん、阿部寛さんですがこの映画も社会派映画として後世に残る作品になるのではないでしょうか。色々考えさせられましたし泣けました!
苦悩
1%の不埒者が何を指すのかはわからない。
不正受給をする者なのか、受給を阻む者なのか、それとも全く別の物なのか。
生活保護にまつわる話だった。
震災も絡めてあって、特殊と言えば特殊な状況ではあるけれど、語られるメッセージは、その状況には左右されないもので…非常に重く、先入観や固定観念に縛られてしまう対象者の多様な境遇に、対応の難しさを想像してしまう。
「セーフティネット」そのシステムがあるのは分かる。ただ、そのシステムの財源は湯水の如くは溢れてこない。だからこそ、厳格な取り決めがあるのだろうとは思うが、その厳格さ故に弾かれてしまう人もいる。
もしくは、行政に割振りがあって、これ以上は支給できないって事もあるのではと勘繰る。
善意だけで社会は成り立ちはしない。
いや、だとしても想像で断言するのは無礼極まりない事だ。困窮者に必死になって手を広げている人達をも殺してしまう事になりかねない。
作品は、そういう繊細なバランス感覚を必死に保ち続けてたような気がする。
たぶん間違いじゃない。
監督の絶叫なのか懇願なのか訴えなのかは分からんが、その意図に俳優陣はシンクロし心血を注いだかのような…台本を読むだけでは出てこない心情を垣間見たような気がする。俳優陣は皆様、最高の仕事だった。
「ふざけるんじゃねえ!」
泥水に顔半分浸かりながら吠える。
とあるシュチュエーションに向けられた台詞ではあるが、今となっては作品を代表する一言の様にも思える。
ケイさんが亡くなり三雲に詰め寄る利根。
それに放たれる緒方氏の一言とか。
リアリズムを纏うために行った膨大な準備が作品の隅々を埋め尽くしているようだった。
「死んでいい人なんかいない」
腑に落ちた台詞だった。
とあるメンタリストは、あの発言をする前にこの作品に出会えていたら、その発言に至らなかったかもしれない。
作品の最後に「原理原則を飛び越えて声を上げてほしい」とのメッセージがあった。
ソレが現場の総意ならばこんなに頼もしい事はない。今の原理原則を飛び越える事で広がる、新たな原理原則が生まれるのかもしれない。
ただの体面だけでない事を願いたい。
ラストに息子の死に際の話が出てきて、蛇足にしか思えなかったのだけど…「死んだら終わりじゃない」ってメッセージの一環とも捉えられはする。
必要以上に拘束された物言わぬ死体も、現状を訴えるに足るギミックだった。
慣習や世間体ってのは、ああも雁字搦めにされる要素なのだろう。
そういえばノーベル賞をとった日本人が日本に住みたくない理由に「誰もが他人の視線を気にしてる。自分がしたい事ではなく、した時にどう思われるかが行動する原理になってて生き辛い」みたいな事言ってたな。
映画館を出て新宿の街並みを歩き駅に向かう。
緊急事態宣言が解かれた人混みの喧騒は雑音のように耳障りで空虚で…ネオンがヤケに眩しかった。
過剰な供給。
資本主義と多数決の呪いに埋め尽くされているような…そんな錯覚を覚える。
良いんだけれど。。。
生活保護の制度の仕組みや問題点について考えさせられるお話。
それは良いんだけれど、
主人公が震災にあって妻と子供を亡くし遺体安置所で言葉を交わした少女が9年後の事件に絡み、もう一人の犯人と思われていた青年もまた主人公の子供が震災時に津波に沈むのを目撃していた。
物語の伏線回収としてはドラマチックではあるのだが、あまりにも偶然が過ぎて、ちょっと白けた気持ちになってしまった。
20代の女性が40~50歳の成人男性を拉致し監禁して餓死させるとか現実的に相当難しいし、リアリティは乏しい。
映画のフィクションの物語だから、そんなこと言っても仕方ないのだけど。
演者さんは、皆さん上手で素晴らしかったです。
全101件中、41~60件目を表示