護られなかった者たちへのレビュー・感想・評価
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浅い?
震災と行政の問題。
どちらかだけでも2時間では足りないでしょう。
それを交互に時間を進めたり戻したり。
ちょっと進むのが遅くも感じて、どんどん内容が薄まっていく気がしてしまった。
避難所での3人。
利根の立ち位置や幹ちゃんとの関係など、よくわからないままスタートしたので、戸惑う。
震災前からの生い立ちはだんだんわかるのだけど、最初が少し唐突な感じ。
避難所での幹ちゃんを守るためのトラブル?も、よくわからなかったのは自分だけ?
最初にけいさんを申請のために連れて行った時。利根は最初から職員を睨んでたが、それまでに何かあったの?
そこも謎。最初からケンカを売ってる感じ。単なるガン飛ばし?
子どもの頃の幹ちゃんの演技が…ちょっと、だった。(すみません)
殺された2人とて、申請を取り下げるように強制したとか、不正を働いたとかではなさそうだし。まぁ、いい感じはしなかったし、餓死してしまったのは明確なんだけど。
死んでいい人なんていない。それはそうだけど、作品を見て、こいつは死んでもいいくらい憎たらしい!と思えないと、共感しづらいな。
そこまでの描写がなかった気がする。
原作の書評が素晴らしく、興味を持った作品だったが、うーん、映像にするとなかなか難しい部分もあるなと。
みなさんすごい役者さんばかりなのだけどね。
モネのポカーン顔が苦手で、朝ドラを観るのをやめてしまった、というのは関係ないと思うけどね〜。あ。
あと、個人的に阿部ちゃんのセリフが聞き取りづらいのがつらい。年のせいか?
それと、林くん。やや甲高い声で阿部ちゃんの後ろを常に走って追いかけるのが、犬みたいで。「犬部!」だからかな(笑)
油断してたらまんまとしてやられた。
うわあ、そうきますか。そして、ふすまの伝言はズルい。ちょっと忘れかけてたのに、ここでこれ出してくるなんて卑怯にも程がある。こんなの…。
スタンガンで無力化しているし、幸い(?)みんな痩せ形だし、誰もいない/人が来ないことを知っているなら、ある程度時間がかかっても構わないし、音や気配をそこまで気にせずに運べる上に、憎悪と使命感に裏打ちされた強固な意思が有れば…遂行可能だと捉えている。
ちょい役だったけど原日出子さんが素敵。この人に育てられたのならいい子だろうにと思えた。それでもこれからも支え続けていくんだろうな。
何が正しくて何が間違っているのか、正しいことって何なのか、そもそも正しいことなんてあるのか、等色々考えさせられた、と口先だけならいくらでも言えるが。
そして延期などで溜まっていたせいもあるのだろうが、今年の清原果耶は一体どうなっているのか? もうある種の貫禄というか風格さえ漂う。
おかえり果耶
「いぎででよかった」
2021年映画館鑑賞96作品目
11月7日(日)イオンシネマ石巻
原作未読
原作は『さよならドビュッシー』の中山七里
例外に漏れず原作とはだいぶ違うらしいがそんなことは全くどうでもいいこと
監督は『64』『楽園』『糸』『悪党』の瀬々敬久
脚本は『藁の楯』『永遠の0』『予告犯』『空飛ぶタイヤ』『糸』『太陽は動かない』の林民夫
豪華キャスト陣
東日本大震災の宮城県仙台市
利根泰久と円山幹子(カンちゃん)が本当の母親のように慕っていた老婆遠島けいが極貧なのに生活保護が貰えず自宅で餓死
区の対応に不満を持つ泰久は区役所に放火し逮捕され服役
出所後遠島けいの生活保護申請に関わった役場職員が次々に殺される事件が発生
死因は餓死
守られなかったではなく護られなかったってのがミソ
生活保護をめぐる復讐劇
利根泰久は赤ん坊の頃に臍の緒がついたままトイレに捨てられ孤児院で育つ
震災で職場とアパートが流される
カンちゃんの母は津波に飲まれ亡くなる
配役の妙が凄い
殺されるのが永山瑛太と緒形直人
殺されそうになるのが吉岡秀隆
そして真犯人はカンちゃん役の清原果耶
『おかえりモネ』では人の話をボーっと聞いてニヤニヤしてばかりいるような印象で勿体無いとNHKに対して地団駄を踏んでいた
清原果耶は有能
若いのになかなかの迫力
やっぱり俳優清原果耶は映画が真骨頂
ただ女子1人の体力であの犯行は可能だろうか
いくらスタンガンがあっても
火事場の馬鹿力っていうのもあるし絶対に無理だと断言できないがどうしても引っかかる
犯人役にも格が必要
警視庁捜査一課長みたいに上島竜兵や磯野貴理子じゃダメなんだ
なんだよそれってがっかりさせてはいけない
佐藤健が顔半分を水溜りに押しつけられるシーン好き
笘篠刑事を演じた阿部寛が「汚名返上」というべきところを「汚名挽回」と言っていた
監督は気づかなかったのだろうか
そのうち「風の噂(本当は風の便り)」みたいになるのかな
賠償姉妹の妹の方もずいぶん歳をとったなあ
自分もおじさんになるわけだ
国に面倒みてもらうのは恥だと思う高齢者の心理はよくわからない
だけど反自民反政府なのに一律給付金を強くおねだりするヤフコメ民や爆サイ民は少しは見習うべきだと思う
あと若葉区ってなんだよ
若林区とか青葉区ならあるけど
そりゃ大人の事情ってやつだろうけど
それなら全部架空にすればいいじゃん
宮手県とかS市とか
この映画に護られた。
ありがたいことに、映画.com 独占試写会で9月初旬に一足先に観させて頂いておりました。
松竹試写室で、初めて見た時苦しくて苦しくて映画一本でここまで感情が爆発する体験は初めてでした。
真っ先に思ったのはこの作品に出会えて生きててよかったなということです。
私は震災ではなく、リーマンショックで身内が実際に護られず亡くなりました。
リーマンショックが起きた2008年頃、社会全体が困窮し雇い止めや非正規雇用が当たり前になり貧困層は更に苦しみました。
溢れ落ちる層は、翌年の自殺率に反映されています。
「死んだらおしまい」残された環境、境遇にもよると思いますが利根が劇中で言ってたように【その人の生きる理由に値しなかった】と感じてしまうことはよくあります。
けいさんには、本当に利根君とかんちゃんのために2人だけのために生きて欲しかった。
3人のうどんを食べる時間が永遠に続いて欲しかった。
利根が、笑う瞬間•行ってきます、ただいまと言える瞬間全てが愛おしくて涙が出た。
【扶養照会】
私はこんなもの憎くてしょうがないです。
映画でもよく取り上げて下さったなあと心が締め付けられました。
全員が全員、血の繋がりによって助け合えるわけじゃない。なのに原理原則はそんな事情は考慮してくれない。
血の繋がる娘に知られる背徳感の様なものから逃げたい気持ちも痛いほど分かりました。
生活保護に辿り着く時点で、親類を頼れない親類と何らかのわだかまりがあるはず。
自殺者も、ほとんどの人が何か病名の診断のつく状態であると聞いたことがあります。
福祉という行政を最後の砦にせざるを得なかった人に扶養照会という壁は高すぎます。
けいさんのように、良くない方向に導いてしまう可能性になりやすいし壁を乗り越える気力を削がれてしまう。
どうか、最初で最後の砦というセーフティーネットをもっと頑丈に。何重構造でも足りない現状がコロナ禍で広がっているのをひしひしと感じる。
個人的な感情は入っているが、絶対にどんな人にとっても他人の話ではない。
日本という先進国に生まれながら、人間らしく死ねないのは悲しい。
かんちゃんの、メッセージを日本中が受け取って欲しい。衆議院選挙で選挙カーの中という安全地帯にいた議員候補の方達にも是非鑑賞して本当に必要で必ず行き届く政治をしてほしい。
1番良かった点。
私は、途中でこれは声をあげてねというメッセージのこもった映画だと悟ったが最後の最後で面食らった。それが一番私がこの映画をオススメする理由である。
声を上げてください。
わかる。
でも、それだけじゃなかった。
飛び越えて
原理原則を破って
命を救って
ここらへんでもう号泣してしまって苦しかった。
極め付けの、最後の一声で私は座席で苦しくて苦しくて声を必死に抑えた。
【もう一度、いや何度でも
もっと大きく、図太く】
福祉にはあらゆる救済措置があるが、書類が何枚も必要で手書きが多くまずそこにつまづく申請者は多い。
そんな事情を汲み取ってくれた台詞だと感じた。
私自身、生活保護ではないがある申請をした申請者の立場であった。1回目、書類不備で突き返された。
しかし、2回目は付き添ってくれたケースワーカーさんのおかげで受理された。
職員の方達は一生懸命寄り添おうとしてくれてるのは分かるし、かんちゃんような職員に救われた事も事実。
しかし、複雑な手書きの書類
本人の意思
原理原則が時代とニーズに絶対的にあっていなく、足枷となっている事がこの映画を通じて世に伝わって欲しいし伝わる力を持っていると感じた。
私はこの作品に出会えて、護られた1人です。
この映画が、今まさに劇中のように苦しんでいる人たちに今じゃなくても数ヶ月後、数年後に観て生きてて良かったなと思える日が訪れる日本になって欲しい。
心が重くなりました
佐藤健くんのファンなので内容を二の次で見に行きましたが心が重くなる内容でした。
役の上で倍賞美津子さんは生活困窮にも関わらず頑として生活保護は受けず亡くなってしまいますが、現実でも真面目に働いていても楽な暮らしにならなず老後も少ない年金で死ぬまで質素に暮らしてる方がたくさんいます。また宵越しの金を持たない生活をし老後は生活保護でちゃっかり暮らしてる方もいます。中には年金より生活保護費に方が多くなってる場合もありますからね、楽しく生きて最後は生活保護ってなんだかねと思います。映画の倍賞さんようなお年寄りは無理せず生活保護受けて頂きたいです。そして生活は貧しくても心優しいお年寄りを演じられた倍賞美津子さんの演技に引き込まれました
立場、立場による言い分、
佐藤健の役者としての光った作品だった、瑛太、緒方直人の立場に立った言い分も理解出来る演技やそれを掘り起こして行く阿部寛の演技もやはり目を引く物があった、邦画が久しぶりに社会を深く掘り起こした問題を投げかける作品でした。
政治のにおいがした
円山さんがカンちゃんと分かってからは、カンちゃんが犯人でそれを悟った佐藤健がかばうというストーリーが見え透いてしまい、それ以上なかったのが凄い残念。
3人の愛情にはものすごい感動したからこそ、ストーリーに不満がある。
何もしてないのに公務執行妨害で逮捕されるのかわいそうだし、公務執行妨害で逮捕したのに、傷害未遂罪で逮捕と報道されるし、そもそも傷害未遂なんて罪あるの?ってつっこみどころがちらほら。
女性にあの犯行は無理でしょ!3.11関係あるの?法改正の話いる?と言いたい。
黄色いジャンパーの伏線はよく分からない。阿部寛が息子とカンちゃんを重てて、それを護ろうとした佐藤健の構図なんだろうけど、最後に佐藤健が黄色いジャンパーの少年を救えなかった話をするのも唐突で、無理矢理過ぎる。
阿部寛、佐藤健、倍賞さんの演技は半端じゃなかった。
あと、政治のにおいがした。
テーマは良し
原作未読。
ミステリかと思わせておいて、生活保護制度への問題提起、ひいては現行政権への不信感をテーマとした作品だった。震災を絡めてくるあたりはちょっとズルいかなとも思うが、まさに今の問題をテーマとするその意気は良しと感じた。今作は良い方の瀬々だったかな。
あと、ベテランの役者に混じって、清原果耶の演技が見事だった。表情、とくにその目力。言葉で語らずとも伝わる感情に圧倒されてしまった。
色々と不自然な点が
まず良かった点は大どんでん返し。
犯人が違うのは何となく伏線があったが、
まさかあの子だとは予想外だった。
悪い点としては
・汚名挽回(誤用表現)という言葉があった
・ミスリードを誘うため伏線として佐藤健に「そっちこほ辞めた方がいいよ」と幹ちゃんが言うが、犯人が幹ちゃんだと話の辻褄が合わない
・幹ちゃんが吉岡秀隆を殺すまでのシーンが長い、
中々殺さない。阿部寛も捕まえずずっと待ってる
・そもそも女一人であのガタイのいい男たちの殺人は無理やろ
などなど。
色々矛盾点はありましたが
楽しめました。
事前にあらすじを把握してないと理解し辛い
全体的には良い映画だと思う。
出演俳優の演技力の高さと華やかなルックスによって悲痛な出来事ながら映画自体に華があり、非常に惹きつけられた。
ですが、泰久兄ちゃん、カンちゃん、ケイさんの3人の関係が映画だけ観てても分からない事と、字幕で時期を表示する様な説明もないまま、シーンの移り変わりが激しく、時系列もわかり辛いのが難点だと感じたが、俳優陣の演技力の高さには目を見張るものがあり、心に響く作品の一つになった。
少し残念なのは、若い女性ひとりで成人男性の体の自由を奪って餓死させると言うのが、現実的ではないのと、そこに至るまでの犯行の一部始終は描かれておらず、空き家に連れ込むまでの一連の流れが部分的にでも描かれていればなおリアリティがあって良かったと思う。
泰久さんが配給のパンを巡ってカンちゃんの為に憤り、一般市民に取り押さえられ、水溜まりの中に顔を押し付けられるシーンは本来なら目を覆いたくなる様な痛々しい有り様だけど、震災で一瞬にして日常を奪われた人の心の荒みがよく描かれていると感じた。
不正受給がまかり通る人がいる中、本当に必要としてる人には辞退申請に持ち込もうとする役所の人間による入れ知恵があり、どこの社会でも弱者は侮られる現実に、生物の本能とでも言うべきか、弱肉強食の法則に無意識に従う言動をとってる本人が気付いてない所に人間の真の恐ろしさとは無意識に行われる事の中にあると感じた。
あらすじを把握した広い視界の観点で観ると、回数を重ねるほど心に沁みる映画だと思う。
声をあげて生きて欲しい
関東に住み仕事がある自分の生活は311でほぼ変わらなかったけれども、かんちゃんや泰久の様に311により人生が大きく変わった人達が日本には沢山いるんですよね。いや待て、自分の生活が変わらなかったと思っている私は、相当鈍感な人間なのではないか?沢山の人達の人生が変わったのだから、私の生活が変わらないわけがない。日本が変わらないわけがない。
けいさんは、健康で文化的な最低限の生活を保障している日本国憲法の下で暮らしているにもかかわらず、制度により困窮を余儀なくされた国民の象徴として描かれていました。生活保護制度を「使わない」「使えない」のは、同調圧力に弱い控えめな国民性ということもありますが、餓死者を出す一番の原因は、国民性よりも国をあげての生活保護受給者ネガティブキャンペーンにあると思います。厚労省から自治体にかけられる圧力からも、国家権力の悪意を感じとりました。税金とは?
だからこそ監督は、権力の圧力が強い中でも、どんなに辛い事があったとしても、皆が声をあげてあきらめないで生きて欲しいというメッセージを作品に込めたのだと思います。
そして、かんちゃんは、今最も貧困化が進んでいる若い女性の怒りを表しているようでした。よほどのことがない限り、女性はあんな殺し方はしません。フィクションとはいえ、学費や生活費の為にパパ活をしたり風俗で働く若い女性やご飯も食べられないシングルマザーと、まともな雇用を破壊し貧困を招いた権力のことを考えずにはいられませんでした。
フェリーニもケン・ローチもポン・ジュノも山田洋次も、不器用でずる賢くてだらしない貧乏人の視点から社会を描いてきました。村上春樹は壁を権力に卵を庶民に例えて、壁がどんなに正しかろうとも卵がどんなに間違っていようとも、自分は常に卵の側に立つというスピーチをしました。本作に出てきた人物は皆真面目に生きていましたが、本来真面目じゃなくてもいい加減でも、誰でも生きられる保障が権利なんですよね。映画の醍醐味は、真面目でも不真面目でも庶民に対する愛情を描いているところだと思います。
時系列が分かりにくいですが
震災よりも生活保護について、ということは漏れ聞いていたので、そこをどう表現するのだろうか、と思って見ていました。
佐藤健さん演じる青年の心情表現が、キャラクター的に口数が少なくて、彼への感情移入が少ししづらく、また避難所で少女(カンちゃん)から配給のパンが奪われてしまった時、彼女のためにパンを!と言えばいいのにただがむしゃらに列を無視して取りに行くことで周りから迷惑者扱いされてしまう演出が釈然としませんでした。ちゃんと並んでいた女の子にもパンを!と正当な主張をすればいいのに、何故彼がこういう性格なのか、説明が無く、
またなんとなく避難所でおばあさんとカンちゃんと主役の彼と、3人がいくら他に身寄りが無かったとはいえ、3人があっという間に「いつも一緒にいる人達」っぽくなっていて、展開の早さに付いていけませんでした。
そんなに急に、他人どうしですぐ、おかえりとかただいまって言えるものなのかな?と違和感。。
後から「救えなかった男の子と似た黄色い上着を着ていた女の子だから助けたかった」と、最後の最後で理由が語られますが、説明遅い。。という感じで。3人が一緒にうどんを食べるシーンも、多分感動的なのかもしれませんが、あまり伝わらず、演出や説明不足が残念でした。
あと時系列がとっ散らかっていて、映画として分かりにくかったです。
せっかく、生活保護の①不正受給阻止も、本当に困っていて財産なども無いなら②正当な支給も、うまく機能しなければならずとても難しい問題に斬り込んだ、考えさせられる題材を取り上げているのに、演出、見せ方、時系列の分かりにくさがもったいない、と思いました。
あと、一応彼女の犯罪の様子を再現してはいましたが、どう考えても大人の男の人を22〜3歳?くらいの女性1人がスタンガンのみでアパート2階に引きずって運ぶとか、生きたまま放置して餓死させるんだからまだ犯罪時点で男の人は生きてるわけで、拘束するまでの手順?簡単に同じ車に乗ってくれるものなのか?車中でスタンガン当てても、多少手を振り払われたら形成逆転しないのか?
と、別に格闘技も何も心得無さそうな女性1人で男の人を拘束出来たことがめちゃめちゃ疑問で。。毒殺とかじゃなく、物理的に生きたまま拘束するのが真実味が無くてちょっとあ然としました。
また佐藤健君が多分ガムテープかロープ?ナイフ?を買ってるシーンがあったけど、結局建物の入口に放火と、最後の議員には謝罪を要求するための脅し用ナイフを買っただけ?
おばあさんの生活保護をきちんと受給させてあげなかった職員達を恨むわりには「死んでいい人間なんていないんだ」と、職員達も擁護することになるセリフに違和感。このセリフは、生活に困窮している人達が誰ひとり見捨てられてはならない、の意味だと思うのですが、職員を餓死させたカンちゃんを諭しているなら職員を餓死という同じ目に合わせちゃ駄目だ、にも聞こえて。。それ自体は人としては正論ですが、あんなに職員達を恨んで無かった??と脚本が分かりにくかったです。
放火について新しい職場の面接で話す時、「あまりにも対応が酷くて火を付けました」と言っていたので、確かに建物の入口付近のコンクリートを燃やしただけっぽいけど、万一風が強い日で窓が開いていたりしたら、火の粉が建物内部に入り、万一残業している人がいたら被害を受けないとも限らない。それをした人が言うセリフとして説得力があまり無くて脚本が残念でした。
でも佐藤健君と阿部寛さんの眼光の鋭い演技は良かったです。
またこの物語とは関係無いですが、警察の上の方の役職にまた鶴見辰吾さんがいて、あー署長と緋村剣心がいる〜!と個人的に嬉しかったです。
一番最初の外の被災した様子、建物やその他の散乱した物の再現は凄かったので、脚本だけ惜しいな、と思いました。
心沁みる映画でした
護られなかった人はたくさんいる。震災、津波、生活保護、その中で死んではダメと言った人や、誰も見取られないまま死んでいく時代になったと言い放つ人。抗いつつも生きていこうとする力は、人に守られていると実感することなんだ。不正受給する怖い男に対し強気の態度に出る幹子のように。
おかえりなさい。その言葉に護られて。
最後の自分の息子を護れなかった阿部寛が救われた言葉。
心に残る物語。展開に少し難があるものの、登場人物一人一人が自分と重ね合わせて見るともう泣けて仕方ない。
期待し過ぎた
初めてこの映画のポスターを見た時から
面白そうだな、絶対見ようと思っていた作品。原作も読んで公開を待ってました。
結果は、、
うーん 原作の方がずっといい。
ミステリーとしてのハラハラや謎も薄れ、原作にあるどんでん返し部分も
早々に明かしてしまってあっさり。
ケイと二人の話に重点置いたのかと思いきやそっちもあっさり。涙なしでは見られないと謳ってたようだけど泣けなかったな。
ただ役者陣の演技はみんな良かった!
佐藤健が泥水に顔をつけているシーン
素晴らしい作品でした。
気になる点が2つ。
予告で流れてるいる佐藤健が『ふざけるなーー』と叫びながら泥水に顔をつけているシーン。予告で楽しみにしていたシーンはてっきり警察官に取り抑えられてると思いきや、配給の割り込みをして震災の避難所の一般市民に抑えられてるという点。いやいやそこまで一般市民が抑えつけないでしょ。やり過ぎですよ。
永山瑛太と緒形直人が生活保護の権利や法律、建前のことで佐藤健に役場前で大声で煽るシーン。公務員の人で煽る人も探せばいるかも知れないけど、少し現実的ではないかなと。もう少し公務員を描くならリアリティが欲しかったです、あのシーンは脚色しすぎです。
清原果耶は演技も良かったです。可愛いです。
やり切れない想いの果てにあるもの
全ての希望も喜びも一瞬で流された弱きものたちの一縷の望みにすがる想いが踏み躙られ、そのことが与えるどうしようもない憎悪、その吐口すらないままま生きる人の行動。
許されないことを自覚しつつも、その衝動に突き動かされる哀しみにどうしようもなく心を奪われました。
そして捕まり死を自覚したものたちがおもう想いとはどんなものだったのだろうか。
それぞれの哀しみを誰が背負い分かち合う事が出来るのだろう。もしそのことが出来なくても寄り添い生きることの重要性を謳ってる様に思いました。
最後の言葉と倍賞美津子さんの姿がとても印象的でした。
悪い意味で裏切られた
原作に感動し映画を楽しみにしていましたが出来栄えは残念の一言。
まず、キャスト。良かったのは佐藤健君と倍賞美津子さん。2点はこのふたりへ。
脚本家と監督によるものと思いますが至る所が原作とは異なりそれも改悪です。
主な変更点は、
・3人の出会い
・カンちゃんの性別
・カンちゃんの母親
・カンちゃんに対するいじめ
・利根の刑務所仲間(五代)
・利根の女装
・けいの身寄り
・けいの生活保護辞退(ではない)
・上崎の人柄
・けいの最後のメッセージ
細かい点はもっとあります。
なぜこれほどまでの変更が必要だったのか。
原作者(中山千里)は本当に認めたのでしょうか。
残念でなりません。
原作をお読みでない方、ご一読を推奨します。
面白かったとは思うが、私に合わなかった
非常に評価が高かったため鑑賞してきました。
以前から映画館に行く度に予告編映像が流れていたので、「東日本大震災関連の映画なのかな」という程度の事前知識で鑑賞しました。
結論ですが、これ東日本大震災映画じゃなくて生活保護映画ですね。役者陣の演技もしっかりしているし物語としても面白いし社会問題に切り込んだ内容になっているので、一定以上のクオリティは保証されている映画だとは思いました。しかしながら、私には社会問題に切り込んだ作品の割にはどうしても中途半端に見えます。生活保護の不正受給などの問題は一昔前にテレビで散々取り沙汰されてましたし、正直そこまで深堀りされているようにも感じず、震災との関連付けも今一つ。「なんで今更生活保護を題材にしたんだろう」「結局国政批判に落ち着いてしまっているのはどうなんだろう」って感じてしまいました。
・・・・・・・・・
東日本大震災から9年が経過して復興が進んでいる宮城県で、男性が縛られた状態で監禁されて餓死するという凄惨な連続殺人事件が発生した。犠牲者はいずれも役所で生活保護受給に関する仕事を行なっていた善人と呼ばれる人たち。過去にあったトラブルなどから、一人の男が捜査線上に浮かびあがる。それは過去に放火事件を起こしたことで服役していた利根(佐藤健)という男だった。
・・・・・・・・・
「生活保護」というテーマ自体を否定するつもりは毛頭ないんですけど、数年前からテレビのワイドショーなどでも散々取り沙汰されてきた話題ですので、表面的な問題提起は見飽きている人も多いであろうテーマです。それ故に、劇中での描き方にもう一工夫欲しかったです。
例えば、以前鑑賞した『ヤクザと家族』という映画は暴対法の矛盾点を一般人ではなく暴力団の視点から描いたことで新鮮味があり、一見良さそうな「暴対法」という法律について考えさせられる構成になっていましたが、本作には新たな視点から法律や制度の矛盾点を突くような構成は無く、悪い意味で素直な構成になっていました。それ故に私には「生活保護という周知の社会問題について深い掘り下げも新たな視点も無く描いた説教臭い映画」にしか見えませんでした。
また、東日本大震災と関連付けて描いていることに対しても、必然性は今一つ感じることができませんでした。
本作で最も悲劇的に、センセーショナルに描かれていた倍賞美津子さん演じるけいさんの死。「生活保護を拒否されて餓死」というのは確かにショッキングでしたが、東日本大震災と関係づけて描かれてしまったせいで生活保護の問題としては薄い内容になってしまったように感じられます。実際に起こった事件で言えば、2007年には北九州市の男性が、2020年には大阪府の母子が生活保護を打ち切られて餓死するという事件が発生しています。生活保護受給拒否の問題は全国どこでも誰にでも起こりうる問題のはずですが、本作では東日本大震災を絡めたストーリーにしてしまったせいでそれが感じられず、被災地の問題のように観える描かれ方になっていたのは非常に不満です。
こういう震災とか社会問題とか社会的弱者(LGBTや生活困窮者や弱い立場の女性)について描いている映画って、批判的意見言いづらいんですよね。「弱者の盾」という言い方をするんですけど、本作を批判してしまうと生活保護受給者や震災の被災者を批判しているような構図になってしまうので、何となく批判しづらいし高評価しないといけない雰囲気ができあがってしまいます。一応弁明しておきますけど、私は生活保護受給者や被災者を批判するような意図は全くありません。単純に「この映画が」苦手なだけです。「震災」と「生活保護」という本来独立した問題を強引に関連付けなければもう少しシンプルに分かりやすく、更に社会問題に深く切り込んだ描写ができたのではないかと思います。
ただ先にも述べた通り、決してつまらなかったわけではありません。全体的なストーリーは普通に楽しめましたし、役者陣の演技も見事でした。主演の佐藤健さんや刑事役の阿部寛さん、心優しい被災女性のけいを演じた倍賞美津子さんなど、どの役者さんも素晴らしかった。特に、最近大活躍中の若手女優である清原果耶さん。先日鑑賞した『花束みたいな恋をした』にも出演していましたが、その時は映画終盤のほんの数分の出演だったのでしっかり演技を観るのは今回が初めてでしたが、本当に素晴らしかった。今後の映画業界をけん引する実力派女優さんだと思います。
多少の不満点はありましたが、今観るべき作品だったと思います。オススメです。
良作ではある
かなりメッセージ性の強い作品であり、現実を直視する視点が強調されているので、次回の日本アカデミー賞では作品賞候補の筆頭にあがるやも知れない。
ただ、女性が単独で抗う男性を餓死に至らしめるほど強固な拘束ができるだろうか…。
この作品が言わんとする事は充分に理解できるのだが、惜しむらくはリアリティーに難有りと言わざるを得ないラストになってしまったことである。
映画のこのあり方が好き。原理原則の日本人、いや全人類が観るべきもの。
いろんな社会系ミステリーを観てきて
この映画がツボに入ったように一番好きで感動した
原作者の構想、監督の腕と俳優たちの演技に感心
(とくに利根さん、かんちゃん、けいさんの三人の人間像がとても好きで思い出すだけで涙脆くなる)
主旨の「声をあげれば、誰かが応えてくれる」
本当にそうかな
映画では悪人誰一人いなかったが、実際の社会ではそうにはいかないと観る人みんな思うだろうし
「全ての人を助けられない」と感じることも同じく多いだろうから
けど、少なくてもこの映画はもがいた
映画の中の人々、もがいた
その意義が大きかった
震災から長く経った今更でなく、今こそだ
震災から立ち直るためでなく、震災から学ぶためだ
(そしてついにこの映画なら実際の社会をより良い方向へ導けるのでは
と感性的に期待を抱いちゃう)
何より
監督の呼び掛け方がうま過ぎる
過去ー共感
10年後ー思考
最後に両者がうまく融合できたのだ
最も好きなところ
利根がかんちゃんを止める時初めて、彼の本当の優しさが10年も経ってようやく分かった気がした
表現の仕方がリアルすぎる
震災避難所の暴力行為、事件でイラつく警察たち、口数の少なくいきなり過激な行動を振る舞う容疑者...
最初騒々しいシーンがひたすら切り替えられ
俳優がみんなイライラした性格の人物を演じたことからの違和感も結局貴重なリアリティーに感じたくらい
もう一回見たくなった
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