護られなかった者たちへのレビュー・感想・評価
全345件中、181~200件目を表示
倍賞美津子が好演。生活保護はどうあるべきか考えさせられる。
左翼主義的な匂いもするが、生活保護というシステムの理不尽さなどについて色々と考えさせられる映画。震災直後のシーンなど実にリアリティがあった。倍賞美津子という女優はあまり好きではないのだが今回の演技は素晴らしく、彼女抜きでは考えられない映画かも?少し長すぎる。カットできるシーンもいくつかあったように思う。
こんな日本に誰がした
MINAMATAとどっちか迷って
良作社会派ミステリーだが。。。
東日本大震災をベースに生活保護に紐付けられた殺人事件という題材は、良かったと思う。
ただ、時折入る佐藤健演じる容疑者の避難所生活の回想は、また別のドキュメンタリー映画を観ているようで、ミステリーという文脈を邪魔してしまっている気がした。
それがちぐはぐというか、一番違和感を感じたのは、ミステリーらしく最後に事件の真相が明らかになるパート。その辺りからミステリーにありがちな絵に描いた様などんでん返しを入れてくるものだから、急にフィクションに引き戻されるというか、冷めてしまった。
原作は未読の為、原作でどういう流れなのかはわからないが、映画としてはもっと上手く現実的な問題とフィクションを馴染ませる技量があれば傑作になっていたかもしれない。
何なら、犯人は佐藤健でサスペンスとした方が面白かったかもしれない。
逆にその辺りの違和感以外はあまり欠点がなかったように思う。
強いて言えば、もう少しテンポがいいと良い
やっぱ
大学生です
忖度の結果?
生活保護に関して様々な問題点があるのは聞いていました。不正受給がある一方で、本来受給できる人々に支給されないという不公平。予算に限りがあるからといって極端に制限したり、圧力をかけて申請を取り消させたという事案もあり、国にはばら撒き政策をする余裕があるんだから、自治体で足りないなら国に出してもらえないのか?と憤ります。
だから、取り上げるテーマとしては良いと思いました。
ただ、作品としてはあまり響きませんでした。佐藤健さん、清原果耶さんの演技はとても良かったですが、色々入れ込みたかったのか、無駄なシーンが幾つかありました。
唐突なセリフ、不毛なやり取り、過剰演出の度にため息が出てしまいます。主演の佐藤さんを中心に据えれば良いのに、警察内部のゴタゴタのシーンが余計で、阿部寛さんのせいではないですが、ちょっと冷めました。テーマを絞っていたら、もっと感動できたと思います。
明日は今日より素晴らしい(涙)
まだ、東日本大震災から10年しかたっていないことに驚く。
風化していた記憶が、映画を通して蘇る。
当時TVで観た様々なニュースが、スクリーンの映像とだぶる。
清原果耶さん演じるかんちゃんの言葉、「困っているなら声をあげなきゃ。そうしたら、存在に誰かが気付くかもしれない。助けてもらえるかもしれない。声をあげて」が心に残った。
今の日本は、戦時下や大規模災害時のような非常時ではない。
みんなの叡知を集めて、年齢や財産の有無で命の選別を行わなくてすむ社会システムを何とか創れないのかな。
誰だって、老いや事故、病気で、切り捨てられる側になる可能性はあるのだから。
エンディングの桑田佳祐さんの歌声は、心に沁みる。
「明日は今日より素晴らしい」
昭和世代の私は、昔も今もそう思って明るく年齢を重ねてきた。
令和の今、この言葉は、なんだか重く、一種呪いのように感じる。
でも、明日が今日よりよくなるように、願い努めようと思う。
10年過ぎても・・☆
護られるべきときに、護られなかった人々
追憶と現在をカメラは追い続けた。赤の他人の、家族に縁の薄い青年と少女、高齢の女。人は人との温もりがあれば、生きていけるのだ。たとえ、どんなに生活が厳しくとも。関東大震災と生活保護という重い題材を扱う社会派ミステリーとのことだが、犯人は二人のうちどちらか~早い段階で当たりはついてしまう。あなたは、なぜ、犯罪を犯すにいたつたかの、苦しく切ない弱者の立場をこれでもかと、掘り下げてくる画面から、目が離せない。矛盾だらけの人生を原理原則で、割りきることは、で来ない。かんちやんの、snsの投稿から死んだらおしまい~なんかじやない。遠山けいは、いまでも利根とかんちやんの、心に行き続けているのだから。秀逸な人間ドラマ。中山七里の原作も合わせてよみたい。
阿部寛の目の演技の秀逸さ
昭和平成は寅と健さん。令和は阿部寛か。
初めてだっからラストまで涙が流れる稀有な物語
演技の上手い役者が集結
震災から話は始まるが、テーマは生活保護に関して。かなり深い話、重...
震災から話は始まるが、テーマは生活保護に関して。かなり深い話、重いテーマ。
利根はあまり人と関わらず寡黙な性格で、避難所でもあまり話さない。けいさんとカンちゃんとは家族のように仲良くなった。そのカンちゃんがパンを貰うために並んでいたのに、後から来た人に奪われてしまう。それを見て利根はカンちゃんのためにパンをもらおうとする場面、カンちゃんを思っての優しさなのに、やり方が少し乱暴でみんなには理解されない。黄色いジャケットを着たカンちゃんに優しくする理由は最後に語られるのだが、これがまた辛い話なわけで。
震災も辛い場面、生活保護に関わる場面も不正受給や貰いたいのに貰うことに罪の意識を持ってしまったりと胸を締め付けられる。私の知り合いの近所の人が生活保護を受けているけど、パチンコに行っているという話をしているのを聞いたことがあるが、そういうことがあったりするから、職員の人も審査を厳しくすることは仕方のないことなんだろう。この映画は殺人事件ではあるけれど、殺される人も犯人も、悪い人ではないのがまた辛いところ。
話も良いし、出演者も上手い。佐藤健は安定の演技、清原果耶はこの難しい役をちゃんとこなして、これからが本当に楽しみな女優さん。
ただ、利根が犯人では、と結びついた経緯が少し弱かったかな。
絆と生活保護の実態
東北大震災のあと、いわゆる、絆の大切さが改めて認識され、そういう想いを強くした人も多い。
あれから10年。生活保護の実態というまた違った観点から10年を見つめなおすことができた。
絆と生活保護。みんななんとかしたいと思いながら、劇中にもあったが、思考停止に陥ってしまう実態。それでも、幹ちゃんも、笘篠も、上崎さえも、みんなそれぞれの立場で何かを変えようとしていた。そうやって生きようとしていた。
そんななか、利根(泰久にいちゃん)だけは、(生活保護科に就職した幹ちゃんに)「そんなことしても、何も変わらないんだよ」と言い、斜に構え、淡々と生きているように見えたが・・・
最後の最後に、「死んでいい人なんか誰もいないんだ」と幹ちゃんに訴え、とある悲しみを抱えながら生きていたことを笘篠に明かした。
10年たっても癒えるものではない。でも何かを変えようと生きていき、絆は繋がる。
P.S.)倍賞美津子さんが相変わらず素晴らし過ぎました。
全345件中、181~200件目を表示